【医師監修】40代で老眼?早く認めたほうが眼にもいい?そのメカニズムと対策について解説
老眼を予防するには
老眼は体の老化と同じで避けられないもの。
ですが、日常生活の中でも老眼予防の対策を行うことで老眼の始まりを遅らせたり、進むのを抑えることができます。
では、どんなことをすれは老眼を予防することができるのか見ていきましょう。
老眼を予防する食べ物
眼にとって良いといわれる食べ物はいろいろあると言われていますが、視力低下や老眼を予防する一つに”黒い食べ物”があげられます。
眼のトラブルは抗酸化物質の減少(つまりは老化)が関係すると言われています。
その抗酸化作用を高めてくれる黒い食べ物とは、例えば黒豆や黒ゴマです。
黒豆にはブルーベリーに含まれていることで有名なアントシアニンが含まれており、物を見るのに欠かせない網膜にあるロドプシンというタンパク質の再合成を助けてくれます。
また、アントシアニンの強力な抗酸化作用により人の体を酸化させる活性酸素を退治する働きがあるため、眼の毛細血管を強化して血流をスムーズにしてくれます。
一方、黒ゴマにはゴマリグナンという成分が含まれています。
ゴマリグナンにもやはり強力な抗酸化作用があり、摂取後30分~1時間後にはストレス物質を消し去ってくれる効果があると言われています。
また、黒ゴマにはたくさんの栄養素が含まれているので老化防止、若返りなどの効果も期待されます。
その他、緑黄色野菜などの濃い色の食物にもポリフェノールが多く含まれ、抗酸化作用が期待できます。
日常生活の中で
普段から紫外線やストレスなどを避けることも大切です。
例えば、外出時は紫外線をなるべく避けるためにサングラスをかけたり帽子をかぶる、質の良い睡眠をしっかりとり、過剰にストレスを溜め込まない、パソコンを見るときは目が乾いてドライアイにならないように意識的に瞬きをする、などです。
これらはすぐに実践できる方法なのですぐに試していただきたいと思います。
眼のストレッチ
眼の周囲には外眼筋という6本の筋肉があり、その筋肉の動きによって眼をキョロキョロと動かすことができるのです。
これは、ストレスや疲れの解消に有効です。
ここでひとつ、簡単な眼のストレッチをご紹介しましょう。
1.眼をしっかり閉じてから、両眼を大きくパっと見開く
2.顔は正面を向けたまま両眼で左を見る
3.同じく両眼で右を見る
4.同じく両眼で上を見る
5.最後に両眼で下を見る
これを2~3回繰り返します。
ストレッチをするときは、見る方向に眼を丁寧に大きく動かすことを意識します。
ただ、あまり早く動かすと網膜剥離という病気につながることもありますので、ゆっくりというのが大切です。
1日に2回ほど行っていただくと良いでしょう。
はじめての老眼鏡を選んでみよう
いくら予防・対策をしても老いには勝てません。
年を老いていくにつれて、老眼の症状が出てきてしまいます。
そんな時には老眼鏡を作ってみることを検討しましょう。
ここからは、老眼鏡の選び方についてみていきたいと思います。
安い老眼鏡でもいいの?
最近では100円ショップでも老眼鏡が売られていて、その度数も数種類に分類されています。
100円ショップの商品でも眼にとって悪い影響がなければわざわざ高い老眼鏡を買わずに済みますし、気軽にかけ始めることができて良いですよね。
しかし、残念ながら100円ショップの老眼鏡を日常的に使うことはあまり良いとは言えません。
なぜなら、人の眼の状態は人それぞれだからです。
左右の眼で度数が違うことがほとんどです。
さらに度数の問題だけではなく、老眼鏡をかけた時にはきちんと眼とレンズの中心が合っている必要があります。
それらを鑑みると、100円ショップの老眼鏡は左右の度数は同じですし、レンズの中心も決まっているのできちんと合わせることは難しいのです。
自分の眼に合わない老眼鏡をつけるとかえって眼の疲れや肩こりを引き起こす可能性もあるので気をつけましょう。
じゃあどこで買うのがいいの?
先ほどお伝えした通り、眼の状態は人によって違うので、やはり眼科を受診して目の病気がないかを調べ、処方箋をもらったうえで、眼鏡の専門店で作ってもらうのが一番でしょう。
市販されている既製服とオーダーメイドの服を比べると、どちらが自分の体に合うかというと、オーダーメイドのほうに決まっています。
眼鏡も自分専用のものがベストです。
老眼鏡といえばなんとなくかけていると老いて見えるという理由から避けがちですが、昨今では男女問わずおしゃれなフレームが使われた老眼鏡も増えています。
利用シーンに合わせて複数の老眼鏡を作ってみるのも良いでしょう。
仕事用、プライベートでの読書用、外出用など、シーンによって老眼鏡をかけ替えることでおしゃれを楽しむこともできます。
また、一般的な老眼鏡は近くのものを見るときに使いますが、近くだけでなく遠くのものもよく見ることができる遠近両用の老眼鏡もあります。
なるべく若いうちから使ったほうが慣れやすいので、おすすめです。
作るタイミングは?
老眼は一般的に40代に入ったあたりからその症状が出始め、年齢を経るごとにだんだんと自覚するようになります。
老眼が出始めると一番不便に感じるのが小さな文字や手元が見えづらくなることです。
テレビは普通に見えても新聞や本を読むのが疲れたり、針に糸を通したり、手元の細かい作業が苦痛になっていきます。
日常生活の中でそのような支障が出始めたら老眼鏡を作るタイミングではないかと思います。
老眼鏡をかける、かけないに関わらず老眼は誰でも年をとるにつれて少しずつ進んでいくのです。
老眼が生活に支障をきたすと感じてきたら、老眼鏡を作りましょう。
また、老眼の度数は数年で変わっていきます。
一度老眼鏡を作っても、定期的に度数が合っているかチェックしてもらい、必要があれば度数を交換するのが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
人間誰しも老いは認めたくないですよね。
ですが、それを早く認めて対策をする方がよっぽど重要で楽になるのです。
まだ老眼には縁のない方も、今日から少し眼に気をつかって生活をすることを心がけてみてはいかがでしょうか?
老眼を感じ始めている方は恥ずかしがらずに老眼鏡を作ってみましょう。
きっとその先もまだまだ楽しい生活が待っているはずです!
監修医師プロフィール
医療法人社団 かわな眼科
理事長/院長 川名啓介 氏
[経歴]
1999年筑波大学医学専門学群卒業。
筑波大学附属病院、日製日立総合病院、総合病院土浦協同病院勤務を経て、2006年から筑波大学大学院 人間総合科学研究科講師となる。
2009年千葉県松戸市でかわな眼科を開設。
“快適な眼で、人生に潤いを“を目指し、患者さんにわかりやすい医療を提供することを目指している。
[専門分野]
白内障
緑内障
[保有資格・所属学会]
日本眼科学会認定眼科専門医
医学博士
[クリニック]
最終更新日: