【医師執筆】女性が歯のトラブルにかかりやすい理由と口腔ケアのポイントを医師が解説!

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【医師執筆】女性が歯のトラブルにかかりやすい理由と口腔ケアのポイントを医師が解説!

女性は男性に比べると、歯のトラブルにかかりやすいことが一般的に知られています。

それらを防ぐための口腔ケアがどのように重要かをご紹介します。

1.女性は虫歯になりやすいってホント?

 

女性の体はホルモンによって体調が左右されますが、口腔環境もホルモン分泌の影響を受けると言われています。以下4つのライフステージに合わせ、口腔内で様々なトラブルを引き起こす可能性が高くなります。

思春期

子宮や卵巣が成熟するのにともない、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモン分泌が活発になります。ホルモンバランスが崩れやすいため、歯肉炎のリスクが高まります。さらに、受験勉強などでストレスがかかり、免疫が低下して悪化することもあります。

妊娠期

女性ホルモンを好む歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯肉炎を起こしやすくなります。また、食事回数の増加、つわりによる胃液の逆流が、口腔内を酸性にするため、虫歯リスクが高まります。

また、母親が歯周病にかかっていると早産や低体重児出産のリスクが7倍にもなるという研究結果もあります。※1

更年期

女性ホルモンの減少により唾液の分泌量が減少することで、口腔内が細菌にとって繁殖しやすい環境になります。また、閉経による骨密度の減少から顎の骨にも影響を及ぼし、歯周病が重症化する原因にもなります。

老年期

ドライマウスに加え、嚥下機能の低下した高齢者は誤嚥性肺炎にかかりやすくなります。

 

※1Jeffcoat M.K., Geurs N.C., Reddy M.S., Periodontal infection and preterm birth: Results of a prospective study. J. Am. Dent. Assoc. 2001;132:875–880.

2.噛み合わせ・歯並びが体のバランス・姿勢や肩こりにも影響

2.噛み合わせ・歯並びが体のバランス・姿勢や肩こりにも影響

見た目のコンプレックスを解消する目的で歯科矯正を行う女性は多いですが、実は全身のバランスにも影響があると言われています。

 

歯並びが悪いことにより、左右の片方の顎のみで噛むといったような癖があると、顎、頸部、背部など左右対称についている筋肉の片側が強く働くようになります。これにより、筋肉のハリや姿勢などに影響を与えることがあります。歯並びを整えて左右両側で噛むことができるようになると、頭部や頸部、背骨周辺の筋肉も左右バランスよく働くようになり、筋肉のハリの改善や姿勢の改善にもつながることがあります。

3.適切な口腔ケアと合わせて、どんなことに気をつけるべき?

口腔トラブルを防ぐには、定期的な歯科でのクリーニングやホームケアが大切です。

また、噛み合わせを改善するために大人になってから歯科矯正を行っている方も少なくありません。

ワイヤー矯正の他、目立ちにくい裏側矯正や透明のマウスピース矯正など自身の症状に合わせて選択すると良いでしょう。

 

歯並びは遺伝的な要素も関係していますが、他にも生活習慣や虫歯、歯周病などの後天的な要素も関係していると言われています。日々の生活の中で以下の2つを心がけていきましょう。

①虫歯や歯周病を放置せず、こまめに予防・治療を行う

虫歯や歯周病を放置していると、歯そのものや顎骨への影響があり、噛み合わせが変わってしまう可能性があるだけでなく、その結果片方の顎の筋肉を使いすぎてしまうことで身体全体の筋肉や姿勢のバランスが崩れることにも繋がります。

そういったリスクをさけるために、定期的な検診を行うことで虫歯や歯周病のチェックを行い、予防や早期の治療を行いましょう。

②正しい姿勢、習慣を心がける

猫背など姿勢が悪いと十分に胸腔を拡げることができなくなり、酸素の取り込みが低下します。

通常の安静時呼吸では鼻腔を通しての呼吸を行いますが、酸素の取りこみを補うために、口呼吸が生じている場合には、口は常に開いた状態になるため、前歯に対して通常は外部から働いている唇の力が効かないため、歯にかかる力のバランスが崩れることで不正咬合の原因となる場合があります普段から正しい姿勢を心がけましょう。

まとめ

本日は、女性が歯のトラブルに見舞われやすい理由と、気を付けるべきポイントを解説しました。

 

歯の健康が重要なのは皆さんご存知かもしれませんが、「体のバランス」や「早産リスク」などにも関係しているのは意外だったのではないでしょうか?

 

たかが歯、されど歯です。

毎日の口腔ケアはもちろんのこと、姿勢を正したり、歯科医での予防・治療を行ったりなど、

改善できるポイントが無いかもう一度確認してみてくださいね。

執筆医師プロフィール

執筆医師プロフィール

株式会社DRIPS 代表取締役 / 医師

各務 康貴 (かくむ やすたか)

 

医師として救急現場で治療を行うなかで、病気になって治療するより未然に病気を予防することを重要した。
予防医療を推進する株式会社DRIPSを設立し、従来価格の3分の1で歯科矯正を行うことができる透明のマウスピース矯正サービスhanaravi(ハナラビ)を展開。
予防に関心を持てない若い世代に、見た目を綺麗にするという面からアプローチすることで、意識せずとも予防を行うことを目的としている。


株式会社DRIPShttps://www.hanaravi.jp/corporate/
hanaravi  https://www.hanaravi.jp/

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