胸のざわつきや不安感にお悩みの方へ。考えられる原因と対処法3選をご紹介【薬剤師監修】
「なんだか胸のあたりがざわざわしてる…」
こんな原因不明の不安感をお持ちの方、意外と少なくないのではないでしょうか。
特に、45歳前後の更年期に入ると胸のざわつきだけでなく、何となく落ち着かなかったり、何だか不安に押しつぶされそうになったりすることが増えてくることもあります。
何が原因なのかわからないし、病院に行ったらいいのか、何科に行けばいいのかもわからない…と、ますます不安になってしまいますよね。
そこで本日は、胸のざわつきの原因やその対処法について解説していきたいと思います。
不安を解消して、安心できる毎日を過ごせるよう、ぜひ試してみてください。
胸のざわつきの原因
胸のざわつきを感じたら、まずは落ち着いて安静にしてみましょう。
ざわつきがなかなか収まらず、これといった理由も思い当たらない場合は、次のようなことが原因かもしれません。
ストレス
自律神経失調
不安障害
精神疾患
睡眠障害 など
深呼吸してストレスを吐き出したり、睡眠をとったりして、体と心をリラックスさせることで症状が軽減していきます。
しかし、中には病院での受診が必要な病気が隠れている場合もあります。
胸のざわつきが1週間以上続く場合は、心療内科や精神神経科を受診してみましょう。
胸のざわつきに隠れているかもしれない2つの病気
ちょっと一息ついて休憩しているときや夜静かに横になっているときに、何だか胸のあたりがざわざわしていることに気付いたという方もいるかもしれません。
深呼吸したり、気を落ち着かせようとしたり、いろいろやってみても胸のざわつきが収まらないと不安になってしまいますよね。
胸のざわつきには、自分でも気づいていない次の2つの病気が隠れている可能性があります。
自分の症状が当てはまっていないかチェックしてみましょう。
1.自律神経失調症
自律神経というのは、自分の意思とは関係なく自律して働いている神経のこと。
心臓の鼓動や呼吸、血圧、眠気や尿意を感じるといった働きをしています。
そして自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経・・・ストレスを感じたり、緊急事態に直面したりしたときに、通常の状態に戻すためエネルギーを放出して心拍数を上げたり、呼吸を早くしたりします。
副交感神経・・・カラダが落ち着いた状態にあるとき、エネルギーを温存するため心拍数を減らしたり、血圧を下げたりします。
自律神経失調症とは、こうした2つの自律神経が正しく機能していない状態のことをいいます。
そして自律神経が乱れると、本来なら落ち着いているはずのときに胸がドキドキしたり、ざわざわしたりする、朝起きなければならないときにエネルギーが出なくて起きられないということが起こります。
胸のざわつきは、自律神経失調症の可能性があります。
まずは内科で身体機能を調べてもらいましょう。
何の症状もなければ、心療内科で診てもらうことになります。
2.不安障害
不安障害というのは、不安を抱えたままその状態が自分でコントロールできる範囲を超えている状態のことをいいます。
不安が原因で緊張感が続いたり、睡眠障害になったりするなど、身体的に何らかの不調があらわれるようになるのです。
胸のざわつきが出ている方は、何か不安を抱えていませんか?
強い不安をずっと抱えていると、不調になるだけでなく、強迫症やパニック障害などに進行してしまう場合があります。
不安を軽減できるよう、心療内科で診てもらうことが回復への第一歩です。
今すぐできる対処法3選
胸のざわつきは気になるけど、病院に行くのはちょっと怖いなと思ったら、その前に自分でできる対処法があるので解説していきたいと思います。
どれも今すぐ気軽にはじめられるものなので、ぜひ試してみてください。
1.起床後、日光を浴びる
まず朝起きたらカーテンを開けて、日光を浴びましょう。
できれば窓も開けて直接光を浴びるのがおすすめです。
日光を浴びると「セロトニン」という神経伝達物質が活発になり、次のような効果をもたらします。
脳を覚醒させる
不安や恐怖をやわらげる
ストレスを軽減する
精神を安定させる
これらの働きにより、乱れた自律神経を整えてくれるようになります。
自律神経を整えるには、毎日規則正しい生活をすることが大切です。
日光を浴びることで夜もしっかり眠れるようになります。
2.一日30分ほどの有酸素運動
有酸素運動は副交感神経を活発にして、リラックス効果や心やカラダを回復させる効果があると言われています。
ウォーキング、ジョギング、水泳、あるいは呼吸法を伴うようなヨガや太極拳のようなものを有酸素運動といい、30分以上続けることで心肺機能を向上させ、自律神経を整えます。
いきなり運動をすることが大変に感じるなら、一日30分だけ散歩をしてみましょう。
腕を振って歩くだけでも効果はあります。
1週間に2、3日でも良いので、継続することが大切です。
3.たんぱく質を意識した食事
ストレスを感じ自律神経が乱れると、体内のたんぱく質がどんどん消費されていきます。
たんぱく質には、脳内神経伝達物質を生成するための必須アミノ酸が含まれているため、自律神経が不調のときには、特に意識して摂ることが大切です。
自律神経を整えるには、セロトニンの分泌を助けるトリプトファンという栄養素が大切です。
トリプトファンは豆や豆腐、赤身魚、乳製品などに多く含まれていますので、これらを意識して摂るようにしましょう。
食事で摂ることが難しいときは、プロテインドリンクでもOKですよ。
自律神経を整える方法として漢方薬もおすすめ
自律神経を整える方法としては、こうした対処法だけでなく、漢方薬を利用することもおすすめです。
自律神経の不調には、
「血流を良くして自律神経の乱れを改善する」
「イライラを鎮める」
「気分の落ち込みを改善する」
「消化・吸収機能を改善してカラダの内側から心を元気にする」
といった漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
漢方薬は、自然由来の生薬を2種類以上組み合わせたもので、一人ひとりの症状や体質に合わせて選びます。
また、医薬品としても効果が認められています。
ここでは、自律神経を整えたい方におすすめの漢方薬を3つ解説していきたいと思います。
市販の漢方薬も良いですが、専門家のアドバイスを受けながら、自分に合った薬を配合してもらい、個別に健康管理をしてくれるサービスもあるのでおすすめです。
おすすめの漢方薬
●苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
【効能・効果】
めまいやのぼせ、動悸がある立ちくらみ、頭痛、動悸、息切れ、神経症、神経過敏など
動悸やストレスでこうした症状が悪化しやすい方向けです。
めまいや頭痛などの症状や、ストレスによる立ちくらみやイライラといった症状の悪化を改善します。
体内の水分が頭部や精神「心」に悪い影響を与えることで起こる不調に用いる漢方薬です。
●加味逍遙散(かみしょうようさん)
【効能・効果
肩こり、疲れ、精神不安やいらだちなどの精神神経症状と、冷え症や虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、不眠症など
ホルモンバランスが乱れることによるイライラや不眠症、生理不順を改善します。
不安や不眠、上半身の灼熱感、怒りっぽいなどのとりとめのない神経症状を抑える漢方薬です。
●抑肝散(よくかんさん)
【効能・効果】
神経が高ぶり、怒りやすい、イライラなどがある神経症、不眠症、歯ぎしり、更年期障害など
ストレスなどで気が高ぶり、普段から興奮しやすい方、目がさえて寝つけない方に適しており、イライラなどの症状も改善します。
「神経が高ぶった状態」の改善に用いる漢方薬です。
<引用>
あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21243ze0kire0094
まとめ
いかがでしたか?
日頃から胸のざわつきや不安を抱えている方に必要なのは、リラックスして心を落ち着かせる時間を作ることです。
特に女性は更年期に入ると、胸のざわつきだけでなく、さまざまな不調が起こる場合があります。
今回ご紹介した対処法などを試してみながら漢方薬も活用することで、症状が軽減していきます。
自分のカラダや心をいたわり、快適な日々を過ごしていきましょう。
<参考>
MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home
こころの耳(厚生労働省)
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1591/
ツムラ:ヘルスケア製品情報サイト
監修者プロフィール
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかださなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方『あんしん漢方』でも薬剤師としてサポートを行う。