【管理栄養士執筆】老化を加速させるAGEsとは?体への影響や蓄積を防ぐ方法を紹介
近年、老化を加速する物質としてテレビや雑誌でよく取り上げられている「AGEs(エイジズ)」。
名前は聞いたことがあるけど、よくわからないと思っている方も多いのではないでしょうか?
AGEsが体に溜まると、肌の老化やメタボ、動脈硬化などを引き起こす恐れがあります。
この記事ではAGEsが体に及ぼす影響や蓄積を防ぐ方法をご紹介します。
AGEs(エイジズ)とは?
AGEsとは、摂りすぎて余った糖とタンパク質が結びついて作られる老化物質のこと。
糖は体のエネルギー源となる欠かせない栄養素ですが、必要以上に摂取すると老化物質として体に蓄積してしまうのです。
健康的な生活を送っていればあまり蓄積しませんが、バランスの悪い食生活や運動不足によって急激に増加します。
そのため、AGEsの値は「生活習慣の通知表」ともいわれています。
AGEsが体に溜まるとどうなるの?
ここからは、AGEsが溜まると起こる体への悪影響について解説していきます。
シワやたるみの原因に
AGEsが溜まるとコラーゲンが固くなり、肌の弾力が失われてしまうといわれています。
また、シミやたるみ、くすみなどの原因に。
キメも荒くなり、ザラザラとした質感になってしまいます。
血管がカチカチに
コラーゲンは、肌だけでなく血管の弾力を保つ働きもあります。
そのため、AGEsが増えると血管が弾力が失われて硬くなり、動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞などの原因となるため、予防することが大切です。
骨がボロボロに
骨にもコラーゲンが存在しています。
コラーゲンが硬くなると骨の強度が下がり、骨折のリスクが高まります。
また、AGEsによって骨が破壊されるとカルシウムが血液中に溶け出し、血管の中で固まって動脈硬化を引き起こす危険性も。
AGEsの蓄積を防ぐには?
AGEsは一度体に入ると排出するのが難しいため、溜めないようにすることが大切です。
ここからは、AGEsの蓄積を防ぐ方法をご紹介します。
血糖値の急激な上昇を防ぐ
AGEsの材料となるのは、摂りすぎた糖です。
血糖値が急激に上がるとAGEsが増えてしまうので、上昇をゆるやかにすることが大切。
清涼飲料水やスナック菓子、ファストフードなど、糖質が多い食事はできるだけ避けるようにしましょう。
また、野菜やきのこ、海藻などの食品を先に食べることで血糖値の急上昇を予防できます。
高温調理を避ける
AGEsは、タンパク質を高温で加熱したときにも作られます。
揚げ物やオーブン料理、炒め物などの高温調理を避け、低温調理やボイル、シチュー、蒸し物などにすることで、AGEsの健康被害が減ることがわかっています。
実際に、調理法を変えるだけでどれほどの健康効果があるかを調査した実験では、AGEsの摂取量に3倍もの差があったんだとか。
高温調理を避けることで自然と摂取カロリーが抑えられて体重が減り、心疾患のリスクが低下する可能性があります。
抗酸化作用のある食品を食べる
体内にAGEs が溜まると、体のサビを防ぐ抗酸化機能も低下します。
活性酸素が増えて体のいたるところで炎症が起こり、さらにAGEsが増加して老化が進むという負のスパイラルに陥ります。
そのため、AGEsの蓄積を防ぐためには、抗酸化作用がある食品を食べることが大切です。
抗酸化物質はほうれん草、トマト、にんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
特にブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトに含まれる「スルフォラファン」には、AGEsの生成を抑える効果があるとされています。
食後の運動を習慣化する
食後に運動をすることで、糖の消費が促進されるためAGEsを溜めにくい体を作ることができます。
また、適度な運動は、骨と筋肉の強化につながり、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防に効果的だといえます。
ウォーキングやサイクリングなどの軽い運動を毎日の生活に取り入れましょう。
運動が苦手な方は、一駅分歩いたり、階段を使ったりと、少しでもいいので体を動かす習慣をつけましょう。
睡眠の質を高める
AGEsの蓄積を防ぐためには、質の良い6時間以上の睡眠をとることが大切です。
実際に6時間以上睡眠をとった人とそれ以下の人を比較すると、AGEsの量が異なることがわかっています。
布団に入ってからはスマホを触らない、寝る前にストレッチをする、ハーブティーを飲んでリラックスするなど工夫して、睡眠の質を高めましょう。
まとめ
AGEsは、摂りすぎた糖とタンパク質が結びついて作られる老化物質でシワやたるみ、動脈硬化などを引き起こします。
AGEsによる老化を防ぐためには、血糖値の急激な上昇を防いだり、高温調理を避けたり、食後の運動を心がけたりと、生活習慣を見直すことがポイント。
今回ご紹介した予防法を取り入れて、若々しい体を手に入れましょう。
執筆者プロフィール
安達春香
3年間栄養士として老人ホームや保育園で実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得。
食品会社での研究開発に携わったことも。現在はフリーランスのWebライターとして、栄養に関する記事を専門に扱い、数多くのメディアにて執筆。
難しく答えの出にくい栄養に関する知識をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。
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