【医師監修】脱毛、シミ、毛穴まで。美容レーザー入門編
「シミ取り」の美容レーザーの種類
脱毛に続き、ここからは「シミ取り」の美容レーザーについてご紹介していきたいと思います。
シミ取りレーザーも、エイジングの肌悩みが気になり始める30~40代の女性に人気な施術です。
「シミ取り」美容レーザー(1)Qスイッチルビーレーザー
料金相場:約1万~2万円(1cm×1cmにつき)
まずご紹介したいのは「Qスイッチルビーレーザー」。
ルビーレーザーには宝石のルビーが使用されており、694nmの波長でメラニン色素に反応してお肌の表面のシミにアプローチします。
シミの治療として、日本で最も使用されているレーザーです。
ルビーレーザーは、黒い色素(メラニン)に反応しやすく、赤い色素(ヘモグロビン)には影響を与えづらいため、「血管などへのダメージが少ない」というのがメリットです。
照射時には輪ゴムでぱちんと弾かれるような痛みがあります。
レーザーをシミ等に照射することでカサブタを生じさせ、約1週間ほどしてカサブタがはがれることにより治療を行います。
カサブタができてしまうということで、連休や有給休暇などを活用して受けるのが良いかもしれませんね。
「シミ取り」美容レーザー(2)Qスイッチアレキサンドライトレーザー
料金相場:約1万~4万円(1cm×1cmにつき)
「脱毛」の項目でもご紹介させて頂きましたが、シミに対してもアレキサンドライトレーザーが使用されることがあります。
脱毛などに使用されることが多いのはロングパルス型のアレキサンドライトレーザーですが、シミに対しては主にQスイッチ型のアレキサンドライトレーザーが使用されます。
シミ用のアレキサンドライトレーザーは、755nmの波長の光を当て、メラニン色素に反応することでシミ・くすみなどを改善します。
照射時の反応としてはQスイッチルビーレーザーとほとんど同じです。
レーザーをシミ等に照射することでカサブができ、約1週間ほどするとはがれます。
Qスイッチルビーレーザーと比較するとQスイッチアレキサンドライトレーザーの方がやや深くまで届くので、刺青の治療にはこちらの方がより向いています。
「シミ取り」美容レーザー(3)Nd:YAGレーザー
料金相場:約1万~4万円(1cm×1cmにつき)
脱毛レーザーでも登場した「Nd:YAGレーザー」は、シミ取りとしても使用されることがあります。
1064nmの波長で、お肌の深部までアプローチすることができます。
そのため、根の深い刺青やアザなどに向いています。
Nd:YAGレーザーは半分の波長の532nmの光を出すこともでき、その場合には浅い部分のソバカスやシミに効果的です。
ルビーレーザーとの違いは、黒い色素(メラニン)だけでなく「赤い色素(ヘモグロビン)にも反応する」という点です。
これはどういうことかというと「血管にダメージを与える」ということ。
これはデメリットのように聞こえますが、この特性をあえて利用することもあります。
たとえば、「赤ら顔」や「肌の赤み」が気になっている場合。
赤ら顔は血管の拡張によるものなので、Nd:YAGレーザーで毛細血管にダメージを与えることで、赤みを軽減することができます。
「毛穴」の美容レーザーの種類
さて、シミに続き、女性たちを悩ませるものといったら、「毛穴」。
毛穴は年代を問わず、多くの世代の方が悩んでいる肌トラブルのひとつ。
化粧品だけではなかなか改善が難しいお肌悩みです。
ここからは、そんな「毛穴」の美容レーザーの種類をご紹介していきます。
「毛穴」の美容レーザー(1)フラクショナル炭酸ガスレーザー
料金相場:約1万~5万円(顔全体・1回あたり)
厄介な毛穴を治療する美容レーザーとしてメジャーなのは「フラクショナルレーザー」。
フラクショナルレーザーにはいろいろな種類があり、波長によって目的や反応が異なりますが、今回はその中でも10600nmの波長をもつ「フラクショナル炭酸ガスレーザー」をご紹介します。
フラクショナル炭酸ガスレーザーは、レーザーによって傷跡にならない程度の小さな穴を表皮に無数に空けます。
すると、お肌は「早くお肌を治さないと!」と働きはじめ、細胞分裂が盛んになります。
そうすることで肌がふっくらとし、キメが細かくなる、という仕組みです。
5~6回ほど通う必要があります。
炭酸ガスレーザーは表面から削る方法なので、効果は期待できますが小さなカサブタがたくさんできます。
ダウンタイムが長いので、マスクで隠せない範囲の場合には、シミ取りレーザーと同様に連休や有給休暇などを活用して受けるのが良いかもしれませんね。
「毛穴」の美容レーザー(2)Nd:YAGレーザー
料金相場:約1万~5万円(顔全体・1回あたり)
ここでまたもや登場するのが「Nd:YAGレーザー」。
脱毛・シミ・毛穴、というオールマイティーな効能をもつレーザーだということが分かりますね。
1064nmの長い波長で、真皮に対して熱ダメージを与えることができます。
それにより、肌の自己再生能力が働き、真皮コラーゲンの再活性化が促され、お肌がふっくらと押し上げられます。
その結果、毛穴の開きが改善されると言われています。
毛穴にはいろいろな種類がありますが、たるみによって毛穴が広がってしまう「たるみ毛穴」には特に効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
本日は、日本レーザー医学会レーザー専門医監修のもと、「脱毛」「シミ取り」「毛穴改善」という3つの肌悩みに対応する代表的な美容レーザーの種類をご紹介しました。
レーザー治療を受けようと考えている方のご参考になりましたら幸いです。
レーザーの機種も大事な要素ですが、それぞれの機械をどのように使うかというのが実はとても大事な要素です。
自分が信頼できると思うクリニックで、まずは相談してみるのが良いでしょう。
監修医師プロフィール
よしクリニック 院長 中野 貴光 氏
[経歴]
平成9年、筑波大学医学専門学群卒業。東京女子医科大学の形成外科学教室に入局。東京大学医学部形成外科、日本大学医学部形成外科への赴任等を経て、2年間アメリカ・テキサス大学にて熱傷の研究に従事。帰国後、医学博士を取得。2019年6月に練馬で「よしクリニック」を開業。
[保有資格]
・日本形成外科学会形成外科専門医
・日本熱傷学会熱傷専門医
・日本レーザー医学会レーザー専門医
・日本手外科学会手外科専門医
・日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
・医学博士
[クリニック紹介]
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