【医師監修】シミ取り治療はレーザー以外でもできる?主なシミの種類と治療法をご紹介
「ふと気づくと顔や手にシミがあった」なんて経験がある人も多いのではないでしょうか?紫外線の蓄積や虫刺されなどが色素沈着として残ったもの、遺伝が原因で幼少の頃からあるものなど、シミにもさまざまな種類があります。
この記事では、気になるシミの種類と代表的なシミ取りの治療法を3つご紹介します。
本日はレーザー治療以外の方法をご紹介するので、
「レーザー治療は少しハードルが高い…」
「ダウンタイムを取ることができない…」
という方もご参考にしてみてください。
シミの種類
「シミ」と一言に言っても、シミのでき方や見た目、何歳の時にシミができたのかなどで、4つに分類することができます。
シミの種類によって治療法も異なるので、自分がどのシミに当てはまるか考えてみてください。
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
「シミの原因は紫外線だ」「日焼け止めをこまめに塗らないとシミができる」などの言葉を聞いたことはありませんか?
他の種類のシミも日焼けが原因で悪化することはありますが、紫外線が1番の原因だと考えられているのが「老人性色素斑」です。
形や大きさなどはバラバラですが、紫外線が当たりやすい顔や腕などにできやすく、紫外線が蓄積された30代以降に気になり始めることが多いです。
肝斑(かんぱん)
目の下や頬骨のあたりに左右対称にできるシミが「肝斑」です。額にできる場合もありますが、いずれも薄茶色で、楕円形にできるのが特徴です。
肝斑は、年齢を重ねることで起きるホルモンのバランスの乱れが原因のひとつといわれます。そのため、特にホルモンバランスが乱れやすい30代から60代の女性は、肝斑が出現しやすいです。また、ピル内服なども誘因となります。
他にも、化粧品が合っていない、洗顔やクレンジングをしすぎている、摩擦などで肌に刺激を与えてしまっているなども原因になると考えられています。
炎症後色素沈着
気になるニキビや虫刺され、うっかりできた傷などが原因でできるシミが「炎症後色素沈着」です。
肌にダメージが加わり炎症が起こった状態のニキビや虫刺されなどは、炎症が治ったとしても、色素沈着として肌に残ってしまいシミになります。
炎症後色素沈着は放置しても治る場合もありますが、シミができてから数ヶ月たっても治らないという人は治療が必要です。
そばかす
最近ではチャームポイントとしても受け入れられ、メイクで描く人もいる「そばかす」もシミのひとつです。
頬より少し上の部分に、茶色の小さなシミが広範囲にできていることが特徴です。他のシミのように、主な原因が後天的なものではなく、遺伝が原因となっています。そのため、3歳頃からでき始めることも多く、成長とともに増え濃くなるシミと考えられています。
治療法は医師に相談
シミの治療方法はいくつかありますが、全ての治療法が全てのシミに対応しているわけではありません。
また、気になっているシミが1種類だけとは限らず、いくつかの種類のシミが併発している可能性もあります。
シミが気になった場合は、信頼できる皮膚科や美容皮膚科などで相談しましょう。ここからは、代表的なシミ取り治療について簡単にご紹介します。
外用薬による治療
基本的には、外用薬でシミを完全になくすというのは難しいとされていますが、外用薬の効果的な使用により薄くすることは可能です。
シミの外用薬としては、トレチノインやハイドロキノンを処方されるのが一般的です。
トレチノインは、肌のターンオーバーを促進し、メラニンを排出する効果が期待できます。また、ハイドロキノンは、シミの元となるメラニン色素の活性化を抑えることによって、シミを薄くする効果が期待できます。
ただし、皮がめくれる、赤くなる、痒みが出るなど、どちらも副作用が出る場合もあります。
内服薬による治療
スキンケア成分として注目を集める「トラネキサム酸」は、ご存じの人も多いのではないでしょうか?
このトラネキサム酸は、内服薬のひとつとして肝斑などの治療に用いられる場合もあります。ドラッグストアなどでも販売されていますが、あくまで市販薬なので、医療用のものとは成分の配合されている量が異なります。また、持病がある人や普段服用している薬がある人は飲み合わせもあります。服用を検討している場合は、医師に相談をしましょう。
光治療
光治療とは、レーザーとは異なり、その名の通り光を用いてシミを取るという治療方法です。IPLと呼ばれる光を照射することで、シミの原因となるメラニン色素を分解し、老廃物として皮膚のターンオーバーにより排出されるため、シミやそばかすへの効果が期待できます。
光治療はできてしまったシミやそばかすだけでなく、予防にも役立つ上、毛穴開きや黒ずみ、小じわ、赤み、ニキビ、かさつきなどにもアプローチするのが特徴です。また、施術の時間が短い点、ダウンタイムや痛みがほとんどない点からも人気を集めています。
1回あたりの効果はレーザーと比べると弱い場合もありますが、1ヶ月ごとに3~5回ほどの施術を行うことで改善が見込まれます。
また、シミやそばかす以外にもアプローチしてくれるので一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
シミの種類とシミ治療の方法を一部ご紹介しました。シミは、人それぞれ大きさや濃さ、種類などが異なります。そのため、さまざまなシミが同時にできている可能性や、自分が思っていたものとは違う種類のシミができている可能性も考えられます。
治療法の1つとしてご紹介した外用薬は、効果を感じるまでには時間がかかるかもしれませんが、レーザーに不安を感じる場合は一度試してみてもいいでしょう。
シミが気になり始めたら、信頼できる医師に相談した上で、納得できる治療法で治療を行ってください。
監修医師プロフィール
医療法人 鶴町会 理事
つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック 副院長 鶴町 宗大
[経歴]
獨協医科大学医学部卒業後、都内での初期研修を経て2018年4月に順天堂大学浦安病院 皮膚科教室に入局。
主に、アトピー性皮膚炎、乾癬、皮膚腫瘍などの一般皮膚科疾患などを診察し、皮膚科専門医を取得。加えて、皮膚の加齢性変化に関して大学院にて研究を行い医学博士を取得。
また、入局と同時期につくば・土浦鶴町皮膚科クリニックにて非常勤医師として勤務開始し、一般皮膚科のみならず、美容皮膚科診察も開始。
2023年4月よりにつくば・土浦鶴町皮膚科クリニックの副院長として常勤勤務を開始。
皮膚科・美容皮膚科を通じて、健康で美しい肌の実現を目指して、肌の悩みをトータルにサポートできるよう診療を行っている。
[保有資格・所属学会]
皮膚科専門医
医学博士
[クリニック]
公式HPはコチラから
https://tsurumachi.jp
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