気になるニキビあと...対処法は?治療法や種類について解説【医師監修】
せっかくニキビが治っても、赤みやシミ、時には凹凸が残るなど、ニキビあとで悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、気になるニキビあとの種類と対処法をご紹介します。
気になるニキビあとの種類を解説
そもそもニキビは、毛穴の出口を皮脂などがふさいでしまい、出口のなくなった毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症をおこす物質を呼び寄せ、炎症が起こり赤くなります。
正常な肌の状態では、毛穴の出口がしっかりと開いています。しかし、不規則な生活やストレス、肌に汚れが残った状態などが続くことで、皮脂が過剰に分泌されたり角層が分厚くなったりして、毛穴の出口がふさがれてしまいます。
出口がふさがれアクネ菌が増殖した毛穴の中では、肌を守るために白血球が血管の中を通って炎症を起こしている場所まで運ばれ、アクネ菌と戦います。
この戦ったあとが、赤みやシミなどのニキビあとです。
それぞれのニキビあとについてご紹介しましょう。
赤みが残る場合
他のニキビあとに比べてホームケアでも治せる場合が多いのが、赤みが残るタイプのニキビあとです。
ニキビあととして赤みが出る場合は、そもそもニキビが完全に治っていない場合や毛細血管が患部に集中しうっ血することで赤く見えていることが原因だと考えられます。
ホームケアでも比較的治しやすい症状ではありますが、赤みがなかなか消えない場合やかゆみ、痛みなど、何か違和感がある場合はすぐに医療機関を受診することをおすすめします。
茶色のシミのような場合
茶色いシミのようなニキビあとは、炎症後の色素沈着を引き起こしている状態です。
「日焼け止めを塗らずに紫外線を浴び続けるとシミができる」などの話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
紫外線を適切な防御をせずに浴びることで、肌へのダメージが蓄積され、シミ、しわ、イボ、皮膚がんなどの病気や肌トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。そのため、紫外線から肌を守るためにメラノサイトという細胞がメラニン色素を生成し、肌を守ります。しかし、肌を守るメラニン色素も、必要以上に蓄積されることで色素沈着(シミ)となってしまうのです。ニキビが治ったあとに色素沈着が生じる場合には、ニキビの炎症で刺激を受けた結果としてメラニン色素が必要以上に生成されていることが原因となります。また、紫外線を浴びることでこの色素沈着が悪化することがあります。
凹凸ができた場合
ニキビによる炎症がひどい場合、クレーターのように凹凸ができてしまう場合もあります。これは、炎症によって肌の組織が破壊され、均一に再生されなくなたり、増殖しすぎた状態であり、結果的にぼこぼことした凹凸になります。
また、ニキビを自分の爪などでつぶすことでも、凹凸のある状態になってしまいます。ボコボコとした凹凸のあるニキビあとは、スキンケアや市販薬だけで治すことは難しいため、医療機関を受診する必要があるでしょう。
ニキビあとの治療法
ニキビあとの治療法は、皮膚科などで治療を受ける以外にも、自宅でのスキンケアや生活習慣を整えることで、きれいに治る場合もあります。
ニキビあとの治療法についてわかりやすくご紹介しましょう。
食事や適度な運動など生活習慣を整える
赤みのあるニキビあとや色素沈着が起きているニキビあとの場合は、肌のターンオーバーを正常にすることで、改善できる場合もあります。
また、ニキビあとはニキビが繰り返し発症することで、より悪化してしまいます。
まずは、適度な運動と睡眠、バランスの取れた食事など、生活習慣を整えることで、ニキビができにくい肌を作りましょう。
また、肌が乾燥すると肌を守っているバリア機能が機能しなくなり、ニキビができやすくなります。余分な皮脂や汚れをクレンジングや洗顔で落とした後は、しっかりと保湿を行いましょう。
レーザー治療やピーリング
赤みや色素沈着は、スキンケアなどの自宅でのケアで改善できる場合もありますが、しばらく消えない場合は、皮膚科などの医療機関の力を借りましょう。
ニキビあとの治療は、その進行具合や種類によって異なります。
凹凸のあるニキビあとの治療は、その進行具合や種類によって異なります。
皮膚科や美容皮膚科などの医療機関では、各種ニキビあとを改善するレーザー治療や、肌の上層を剥がれやすくする薬剤を塗布することで肌のターンオーバーの正常化を促すピーリング治療など、さまざまな治療法があります。
内服薬や外用薬で治療
ニキビあとの治療というと、先にご紹介したレーザー治療などのイメージが強いと思います。美容医療に恐怖心や抵抗感があるために、病院に行かない人もいるのではないでしょうか?
ニキビあとの治療には、レーザーなどを用いる美容皮膚科治療以外にも、各種外用薬や内服薬による治療もあります。例えば、色素沈着に対しては、ビタミンCやトラネキサム酸の内服やハイドロキノンの外用などによるレーザー以外の選択肢もあります。
ニキビあとの程度にもよりますが、さまざまな治療法が選択できるのでまずは医師に相談してみましょう。
まとめ
ニキビあとの主な種類と治療法についてご紹介しました。そもそもニキビができなければ、ニキビあとが気になることはありません。
「余分な皮脂や汚れを落としつつも、保湿も行う」「適度な運動と睡眠時間の確保」「バランスの取れた食事」「紫外線のダメージから肌を守る」など、生活習慣やスキンケアなどに気を使うことで、ニキビができにくい肌状態にすることができます。
また、ニキビができた段階で早めに医療機関を受診することで、そもそもニキビがあとになりにくい状態にすることもできます。
ニキビやニキビあとが気になる人は早めに医療機関を受診しましょう。
監修医師プロフィール
医療法人 鶴町会 理事
つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック 副院長 鶴町 宗大
[経歴]
獨協医科大学医学部卒業後、都内での初期研修を経て2018年4月に順天堂大学浦安病院 皮膚科教室に入局。
主に、アトピー性皮膚炎、乾癬、皮膚腫瘍などの一般皮膚科疾患などを診察し、皮膚科専門医を取得。加えて、皮膚の加齢性変化に関して大学院にて研究を行い医学博士を取得。
また、入局と同時期につくば・土浦鶴町皮膚科クリニックにて非常勤医師として勤務開始し、一般皮膚科のみならず、美容皮膚科診察も開始。
2023年4月よりにつくば・土浦鶴町皮膚科クリニックの副院長として常勤勤務を開始。
皮膚科・美容皮膚科を通じて、健康で美しい肌の実現を目指して、肌の悩みをトータルにサポートできるよう診療を行っている。
[保有資格・所属学会]
皮膚科専門医
医学博士
[クリニック]
公式HPはコチラから
https://tsurumachi.jp
[Instagram]