【医師監修】慢性的に肌が赤い!赤ら顔の原因は?治療方法はある?
肌の赤くなる赤ら顔が常態化して悩んでいる、という方はとても多いです。身体の機能として一時的になる赤ら顔は正常ですが、常態化してしまった赤ら顔は何かしらの原因があることが考えられます。
しかし、赤ら顔にはいろいろなタイプがあり、原因と改善方法もそのタイプごとにさまざま。
そこで今回は、気になる赤ら顔の原因、改善方法をタイプごとにご紹介していきます。
赤ら顔ってなに?
そもそも赤ら顔とはどのような状態を指すのでしょうか。
赤ら顔とは、肌が赤くなった状態全体を指します。そのため、それが一時的な赤みだとしても、常態化している赤みだとしてもそれは赤ら顔です。
しかし、お酒を飲んだり運動をしたりしてなる一時的な赤ら顔は、人間の身体に備わっていて誰もが持つ正常な機能のあらわれ。一方で常態化してしまった赤ら顔は、何かしらの原因があって発現する症状です。
ここからは、悩みの種となる常態化した赤ら顔に関してご紹介します。
赤ら顔にタイプ?どんなタイプがあるの?
先程ご説明したように、赤ら顔にもタイプがあります。大きく分けて「皮膚の赤みタイプ」「血管の赤みタイプ」の2タイプと「皮膚・血管どちらも赤みを引き起こすタイプ」の合計3タイプで、それら3タイプの中でもさらに異なる症状、原因があります。
早速見ていきましょう。
皮膚の赤みタイプ
ニキビや肌の炎症が原因になって赤みが出てしまうことがあります。
刺激などの外的要因、繰り返すニキビによって肌がダメージを受け炎症を起こし、色素沈着したものが赤みのようになってしまいます。
お肌の荒れが気になるという方はこのタイプかもしれません。
皮脂の多く分泌する部分に起こる赤みはこのタイプです。
原因はまだはっきりわかっているわけではありませんが、マラセチアというカビが関係しているとされています。マラセチアは皮脂の多い場所で増え、炎症を起こします。
痒みを伴ったり、脂っぽいフケのようなものが見られたりする方は、このタイプである可能性が高いです。
アレルギーである、アトピー性皮膚を持っているという方はそれが原因となって赤みが引き起こされることもあります。
これは、アレルギー反応として肌が炎症を起こしているタイプで、多くの場合皮膚がただれたように荒れて見えます。
血管の赤みタイプ
血管の赤みタイプは、何らかの原因で肌の毛細血管が見え、赤みがあるように見えてしまうタイプの赤ら顔を指します。
毛細血管が赤く見えてしまっているのであればこのタイプです。鼻など、毛細血管が多く通る部位によく見られます。
このタイプも原因は解明されていませんが、交感神経が緊張したままになってしまったり、激しい寒暖差やアルコール、紫外線などの影響を受けてしまったりすることで発症することが多いようです。元々の体質で発症することもあります。
皮膚が薄くなることで毛細血管が透き通り、赤みのように見えてしまうこともあります。
皮膚の菲薄化は、主にスキンケアが合っていないこと、女性ホルモンが減少していることによって起こります。
(過度なピーリングや濃度の高いレチノール製品の使いすぎなども原因になります。)
皮膚全体・血管どちらも赤みを引き起こすタイプ
皮膚全体、また血管の両方が赤みに見えるタイプの赤ら顔もあります。
初期段階では毛細血管拡張症のようでも、症状が進行すると膿を伴う吹き出物のようなものや痒みが出現するのが酒さです。はじめは毛細血管が見えてくるため、毛細血管拡張症とも間違われやすいのが特徴です。
原因ははっきりしていないものの、外部からの刺激や血管収縮異常、顔のダニ、緊張・ストレス、辛いものをはじめとした刺激物の摂取、遺伝などが複合して赤みを引き起こすと考えられています。
対処法は?
タイプ別の症状と赤みの原因をご紹介してきましたが、どのようにすれば改善するのでしょうか。
皮膚の赤みタイプ
皮膚の赤みタイプの場合、原因の多くが炎症によるもの。
そのため、しっかりと炎症を抑えるケアをするのが大事です。
スキンケアを自分に合ったものに変える、クレンジングをしっかりする、保湿をきちんとする、十分な睡眠を取る、バランスの良い食事を摂るなどの基本的なケアでの改善が期待できます。
ただし、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の場合は体質によるものである場合もあるので、これらの原因が疑われる場合は皮膚科を受診するのがおすすめです。
血管の赤みタイプ
毛細血管拡張症の場合は、自力で治すことは困難です。
そのため、レーザー治療等によって治療することが多いです。
毛細血管拡張症を疑う方は、一度受診してみることをおすすめします。
肌の菲薄化は、スキンケアの見直しとホルモンバランスを整えることによって改善が期待できます。
具体的には、肌に刺激を与えないようにすること、女性ホルモンと同じような役割を果たす食品を意識して摂取することなどが挙げられます。
皮膚全体・血管どちらも赤みを引き起こすタイプ
酒さの場合、まずは皮膚科を受診することをおすすめします。
症状に合わせ、抗生剤や外用剤、レーザー治療といった適切な治療法を提案してもらえるでしょう。
また、生活習慣の見直しも必要です。
刺激物の摂取に加え、紫外線や摩擦といった外的な刺激も酒さを悪化させる要因と考えられますので、
日焼け止めをしっかり塗り、日傘や帽子を使用する、スキンケアの時は絶対に擦らない、
といったことを意識しましょう。
まとめ
原因や症状ごとに、さまざまなタイプがあるのが赤ら顔の特徴。
今回ご紹介した改善方法を参考にまずセルフケアを試してみて、もしも改善しなければ、受診するのがおすすめです。
赤みのない綺麗な肌を目指しましょう。
監修医師プロフィール
あんどう歯科・美容皮フ科
皮膚科医 安藤かおり
名古屋大学卒業後、初期研修を得て名古屋大学医学部皮膚科に入局。その後、総合病院の皮膚科に従事し、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医を取得。あらゆる疾患・年齢層の患者様とお会いするうちに保険診療で治療すべき疾患だけでなく、シワ・たるみやシミなどを治療することで患者様の幸福度を上げていきたいと思い、ヒアルロン酸注入やボトックス注射などの美容医療を行う。
2023年に愛知県名古屋市であんどう歯科・美容皮フ科を開院。
歯科と美容皮膚科が連携し、患者様の健康と美を保つサポートができるよう診療を行なっている。
[保有資格]
皮膚科専門医
[クリニック]
あんどう歯科・美容皮フ科