【現役医師監修】芸能人だけじゃない!セラミック矯正の種類・料金相場・デメリットなど
「芸能人は歯が命」
そんなフレーズを聞くようになってから久しいですが、今や芸能人に限らず、一般人の方の歯の意識も高くなってきましたね。
日常のオーラルケアはもちろんのこと、歯列矯正を受ける方も増えてきたように思います。
歯というものは、思っている以上に顔の印象を左右するもの。
歯がキレイなだけで、一気に美人度がアップします。
とはいえ、いまさら矯正器具を歯に付けて、長い時間をかけて矯正するのなんてムリ・・・。
多くの方はそう感じているのではないでしょうか?
そんな方の選択肢として挙げられるのが、「セラミック矯正」。
歯を全部セラミック製にしてしまうという思い切った治療法です。
本日は、気になるセラミック矯正の詳細をお話ししたいと思います。
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歯は、顔の印象に大きな影響を与えます。
よく「芸能人の歯列矯正ビフォー&アフター」なんて記事が流れてきますが、歯列矯正前の写真を見ると、
「え、本当にこれがあの人?!」と思うくらい全く印象が違うこともよくあります。
日本人はつい「目」の美醜ばかり気にしてしまって、歯には無頓着だと言われがち。
でも、意外と目よりも歯の方が重要だったりするのです。
顔を綺麗にするには目元、鼻元を、顔を整えバランスを良くしたいのであれば口元を綺麗にするのが効果的だと美容の世界では言われています。
とはいえ、「今さら歯列矯正なんて・・・」と思っている方も多いのでは?
なんだか大変そうなイメージが強いですよね。
たしかに、歯列矯正というのは簡単な治療ではありません。
約100万円かけて歯にメタリックの矯正器具を付け、歯が動いていく痛みや、矯正器具に食べ物がからまってしまう不便さに長期間耐えなければいけません。
なにより、あの目立つ矯正器具を長期間つけなければいけないというのは結構な苦痛ですよね。
前歯の矯正器具にリップがついてしまうことなんかもあって、実際とても大変です。
あっという間にキレイになるセラミック矯正ってなに?
一方、一般的な歯列矯正のように時間をかける必要がない矯正法というものも存在します。
それは「セラミック矯正」と呼ばれるもの。
芸能人でセラミック矯正を受けている方も多いので、一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
セラミック矯正とは、一言でいうと「自分の歯を削って、セラミック製の人工歯をかぶせる」という治療法です。
「えっ?!自分の歯を削る?!」と驚かれたアナタ。
そう、セラミック矯正をする際は、自分の天然の歯を細―く削らなくてはいけないのです。
これに関してはかなり抵抗がある方も多いかもしれませんね。
天然歯を削ったら、その上から人工の歯をかぶせることで、理想的な歯並びを作ることができるのです。
セラミックには種類がある!
そんなセラミック矯正で使用するセラミッククラウンには、いくつかの種類があります。
セラミッククラウンの種類(1)オールセラミック
オールセラミックとはその名の通り、被せものや差し歯全体がまるごとセラミックでできているもののことです。
色が天然の歯に近いので、見た目や質感がとても自然です。
また、金属が使われていないため金属アレルギーの人でも使用できるというメリットもあります。
一方で、デメリットも。
セラミックとは陶器の一種なので、強度は若干低め。
耐久性が求められる奥歯にはあまり向いていません。
セラミッククラウンの種類(2)ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックとは、外側がセラミック、内側がジルコニア(人工ダイヤモンド)で作られています。
ジルコニアセラミックは、セラミックの「自然さ」と、ジルコニアの「強度」を兼ね揃えた、まさに良いとこ取りのクラウン。
オールセラミックだと難しかった奥歯にも使用することができます。
また、オールセラミックと同様、金属アレルギーの方でも使用することが可能です。
ただし、強度がある分、加工が難しく、値段が高く、歯を製作する技工士の腕によって形や色が左右されやすいと言われています。
セラミッククラウンの種類(3)ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックとは、セラミックとプラスチック素材を混ぜて作ったクラウンのこと。
オールセラミックと比べ柔軟性があるため、かみあう歯を傷つけづらいのが特徴です。
しかし、オールセラミックと比べるとどうしても透明感が劣ってしまうのが特徴。
さらにプラスチック素材が使用されているということで、長期的に見ると変色してしまうことがあります。
また、裏打ちとして金属を使用しているため、金属アレルギーの方は使えないことがあります。
裏打ちの無いタイプだとオールセラミックと比べても強度に不安はありますが、値段が安価です。
セラミッククラウンの種類(4)メタルセラミック
メタルセラミックは、「セラミックボンド」とも呼ばれており、内側は金属、外側はセラミックでできているクラウンです。
セラミックの見た目の良さと、金属の強度を兼ね揃えたクラウンです。
しかし、金属を使用しているため金属アレルギーの方は使えないのと、
オールセラミックと比較すると若干透明感が劣ってしまうというデメリットはあります。
セラミッククラウンの種類(5)ニケイ酸リチウムガラスセラミック
セラミッククラウンのなかでも、最近キテるのが、新素材「ニケイ酸リチウムガラスセラミック」です。
特殊なガラスセラミックを使用したもので、耐久性が高いのが特徴。
また、ほどよい柔らかさも兼ね揃えているので、かみあう歯を傷つけにくいというメリットもあります。
加工もしやすく、透明感が高いなどさまざまなメリットを兼ね揃えた優秀なセラミッククラウンです。
ただし人によっては使えない可能性もあるため、相談するようにしましょう。
このように、さまざまな種類があるセラミッククラウン。
自分のニーズにあわせて選択することができます。
セラミック矯正の価格相場は?
そんなセラミック矯正ですが、なにより気になるのが、一体いくらかかるのかということ。
これはクリニックにもよりますし、どのタイプのセラミッククラウンを使用するのかにもよりますが、だいたい1本あたり6万円程度。
4本~6本セットで割引になるプランなどもあるので、クリニックに問い合わせてみましょう。
全部の歯をセラミックにするとなると、基本的に100万は下らないと考えておいた方が良いかもしれません。
セラミック矯正の治療期間は?
セラミック矯正のメリットは、一般的な歯列矯正と比べ、格段に治療期間が短いのが特徴。
歯列矯正の場合、だいたい2~5年ほどかかるのが一般的ですが、
セラミック矯正の場合は、「カウンセリング」「神経の処置」「ホワイトニング」「土台の処理」「セラミッククラウンのセット」など、
一連の作業を全部含めて、約2~3カ月ほどで完了します。
一刻も早く歯をキレイにしたい、という方は一般的な歯列矯正よりもセラミック矯正の方が向いているかもしれません。
セラミック矯正のデメリットは?
時間をかけずにキレイになれるセラミック矯正ですが、やはり良いことばかりというわけではありません。
さまざまなデメリットもありますので、それらを知った後で、セラミック矯正にすべきなのか普通の歯列矯正にすべきなのか、よーく考えてみてください。
セラミック矯正のデメリット(1)健康な歯を削る
セラミック矯正最大のデメリットは、やはりこれかもしれません。
セラミック矯正は、自分の健康な歯を極細に削って、その上にクラウンをかぶせるという方法です。
残すのは芯だけで、あとはすべて削ってしまいます。
そして、削ってしまった歯は二度と甦ることはありません。
セラミック矯正のデメリット(2)大幅に変えることはできない
歯列矯正とは違い、セラミック矯正は歯の向きや、根元の位置などは変えることはできません。
あくまでももともと生えていた歯の上にかぶせモノをするという治療なので、
歯並びによっては希望通りの見た目にならない可能性もあり得ます。
しっかりと理想通りの歯並びにしたいというのなら、時間をかけてでも普通の歯列矯正を選ぶべきです。
セラミック矯正のデメリット(3)歯の寿命が縮むことも
セラミック矯正の際には、自分の歯を細―く削ってしまうと言いましたが、このわずかに残った歯の命も短くなってしまう可能性があります。というのも、セラミック矯正の際は神経を含む歯髄なども抜く場合があります。
神経を抜いてしまうと、歯へ栄養が行き届くなってしまい、歯の寿命が縮んでしまうという可能性もあり得ます。
このように、メリットだけでなくメリットもある、セラミック矯正。
治療を受ける前によくリスクを理解しておくことが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日は、気になる「セラミック矯正」について詳しくお話ししました。
セラミック矯正は、あっという間にキレイになれる画期的な治療法ですが、デメリットもあります。
「本当に自分の歯を削るべきなのか」ということをよーく考え、
自分の納得のいく矯正法で、美しい歯並びを手に入れたいものですね。
監修医師プロフィール
医療法人社団スタデン理事長
田中 和之 氏
"確かな技術・痛くない・待たせない・丁寧な説明"をポリシーに診療を行う医療法人社団スタデンの理事長。
審美歯科歴17年以上の経験を有し、審美歯科の症例数は5,000件を超えている。
勤務クリニック名:九段下スターデンタル