コラーゲンを飲んでも分解されるから意味がない?経口摂取の効果を解説

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コラーゲンを飲んでも分解されるから意味がない?経口摂取の効果を解説

肌がきれいになるというイメージがある「コラーゲン」。一時期、コラーゲンボールが入った鍋やドリンクが流行りましたが、「コラーゲンは分解されるから意味がない」との意見もありました。

 

ところが最近、コラーゲンを飲むことで健康や美容に効果があるという専門家も増えてきています。

 

この記事では、コラーゲンを飲むことに意味があるのかどうか、期待されている効果などについて解説します。

コラーゲンとは

コラーゲンとは

コラーゲンとは私たちの体を構成する繊維状のたんぱく質の一種で、体内にあるたんぱく質の約30%を占めています。人間の皮膚や血管、人体、軟骨などさまざまな部位に存在しています。

 

コラーゲンの代表的な働きは「肌に弾力やうるおいを与えること」で、体内のコラーゲンのうち約40%は皮膚に存在しています。

私たちの肌は、表皮と真皮、皮下組織の三層構造になっています。そのうち真皮の70%はコラーゲンでできていて、肌の弾力を保つ働きがあります。

 

しかし年齢を重ねると、新しいコラーゲンが作られにくくなり、コラーゲンの質そのものも劣化してしまうのです。そのため、コラーゲンを経口摂取して、補給する方法について研究が行われています。

コラーゲンは飲んでも意味がない?

一時期、コラーゲンボールやドリンクなどが、美容に効果があると注目が集まっていました。ところが「コラーゲンは体内でアミノ酸に分解されるから意味ない」という声もあります。

実際、コラーゲンはたんぱく質の一種なので、お肉やお魚と同じようにアミノ酸に分解されて小腸で吸収されます。吸収されたアミノ酸は血管を通って全身に運ばれ、体を構成する材料として使われるのです。

 

そのため「コラーゲンを飲んだからといって、直接肌に届くわけではない」というのがこれまでの見解でした。

 

ところが、最近では「コラーゲンペプチドなら気になる部位に直接届くのではないか」という研究が多く報告されています。「コラーゲンペプチド」とは分子が小さいコラーゲンのこと。コラーゲンペプチドは分解されずに体内に吸収され、皮膚に直接届くことが確認されています。まだ研究段階であり、有効性について十分に証明はされていませんが、皮膚の弾力を保つ効果や関節の痛みを和らげる効果などが期待されています。

コラーゲンの効果

コラーゲンの効果

ここからは、コラーゲンを経口摂取した際の効果について解説します。

美肌効果

コラーゲンと聞くと、「ツヤツヤした肌に欠かせない成分」というイメージを持つ方も多いでしょう。上記の通り、皮膚の真皮に存在していて肌のハリや弾力を保つ働きがあります。ここ数年コラーゲンのメリットを報告した研究が増えていて、美肌への効果に期待が高まっています。

 

35歳以上の健康な女性72名を対象にコラーゲンペプチドの効果を調べたところ、肌の水分量や弾力性、キメ、および密度が大幅に改善したという研究結果がありました。

 

またある研究では、1,125人の参加者を2つのグループに分け、片方のグループに加水分解コラーゲンサプリを飲んでもらいました。その結果、肌の水分量や弾力性を有意に改善し、しわも減ったそうです。

関節痛の改善

コラーゲンの経口摂取は、関節痛の改善にも効果があるといわれています。コラーゲンは繊維状の分子で、関節の動きを滑らかにする働きがあります。関節は骨と骨のつなぎ目で、軟骨やじん帯が間に入ってクッション代わりになることで、骨同士がこすれ合って傷つくのを防いでくれるのです。

 

コラーゲンが作られなくなると、関節がスムーズに動かなくなり、可動域が狭くなったり、痛みが出たりとさまざまな影響があります。

 

そこで注目されているのが低分子のコラーゲンです。実際に、関節炎患者にコラーゲン補給を行ったところ、軟骨の厚みが増したという臨床試験の報告もあります。また、大学生アスリートを対象にした実験では、関節痛が改善されたとの報告もあります。

骨密度の維持・向上

も多いですが、実は丈夫な骨を作るには、コラーゲンが重要な役割を担っているのです。

 

コラーゲンの繊維にカルシウムが付着することで、丈夫でしなやかな骨が作られています。骨に占める割合を体積で比べると、カルシウムを初めとするミネラルが約50%、コラーゲンが約50%です。つまり、コラーゲンがなければ、骨の健康を保つことができません。加齢とともに骨折しやすくなったり、骨粗しょう症の患者が増えたりするのは、コラーゲンが減少するからだといわれています。

 

そこで注目されているのがコラーゲンペプチドです。骨密度が低い閉経後の女性を対象にした試験では、コラーゲンを飲んだグループは全身の骨密度が増加しました。また、マウスを対象にした実験ですが、骨代謝に有効な結果もいくつか報告されています。

まとめ

コラーゲンは一時期、「分解されるから飲む意味がない」とされていました。しかし最近では、美肌や骨の強化、関節痛の改善などさまざまな効果があるともいわれています。まだまだ研究段階であり有効性は証明されていませんが、今後さらに研究が進むと考えられます。美容と健康を維持するためには、コラーゲンを飲むだけでなく、体内での合成をサポートすることが大切です。たんぱく質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂り、健康的な食生活を心がけましょう。

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