投資によって資産を貯め、早期リタイアするFIREという概念。一体どうやるの?

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投資によって資産を貯め、早期リタイアするFIREという概念。一体どうやるの?

終身雇用や定年まで働き続けることが当たり前という考え方が崩れ、好きなことをして自由な生活を送ることに憧れる若い世代が増えてきました。

 

自由を得るためには、経済的な自立は必要不可欠。そこで、注目を集め始めたのが、欧米を中心に流行していた「FIRE」という考え方です。

 

本記事では、FIREの概念やFIREに向いている運用方法FIREを実現するためのルールなどを、初心者の方向けにくわしくご紹介します。

FIREってどうゆうこと?基本的な考え方とFIRE達成までの進め方

FIREとは、「Financial Independence,Retire Early」の頭文字をとった言葉で、「経済的自立による早期引退、早期退職」を意味します。FIREにおける経済的自立とは、給与収入などがなくても、投資の運用益などで生活が回る状態のこと。

 

なので、遺産相続で莫大な資金を得た人や、ビジネスに成功して富を築き上げた人たちが行ってきた従来の「早期リタイア」とは考え方が異なります。

 

「労働に縛られることなく経済的に自立して、早期退職をし、自由に暮らす」。それがFIREの考え方です。

FIREって、まずは何から始めたらいいの?

FIREって、まずは何から始めたらいいの?

FIREは、資産を増やし、その運用益で生活費をまかなうことをいいます。運用益をたくさん得るためには、なるべく高い利率の商品で多くの資金を運用することが大切です。

 

ある程度生活にゆとりのある場合は、できるだけ節約をして、運用に回すための資金を可能な限り用意することがはじめの一歩。ストレスが溜まらない程度に生活を切り詰めたら、次に収入アップを目指します。

節約のあと、目指すは収入UP!

現在勤めている会社で資格手当を望める場合は、積極的に資格を取得して月収アップを目指しましょう。

 

現在の職場での収入増加が難しい場合は、副業で新しい収入源が確保できるといいですね。副業は、認められていない会社もあるので、就業規則を確認してから行いましょう。

FIRE向きの運用方法とは

投資に親しみのある場合は別ですが、初心者が始めるならばFXや暗号資産などの下落リスクが大きい商品よりも、預け金が複利により増えていくような「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「NISA」「つみたてNISA」といったリスク分散が可能な、比較的穏やかな投資の方が向いているといえます。

「iDeCo」と「NISA」「つみたてNISA」、FIRE向きなのはどれ?

国や金融機関が老後資金の運用に有利と積極的に勧めているのは「iDeCo」ですが、あくまでもFIREとは労働に縛られることなく経済的に自立して、早期退職をし、自由に暮らすこと。つまりFIREを開始する時期は老後とも限りません。

 

その点を考慮すると、60歳まで引き出せず、運用手数料や新規加入時などに手数料がかかり、給付を受け取る際にも給付1回ごとに440円が必要な「iDeCo」よりは、利益を得ても税金が掛からず、口座開設の手数料が無料の金融機関が多い「NISA」や「つみたてNISA」の方が適していると考えられます。

 

特に、少額から長期で分散投資ができる「つみたてNISA」は、まとまった資金はないけれど、まずはスタートしたい!という方にオススメです。

FIREを実現するためには、「年間生活費×25倍」の資産を「年4%」で増やすことを目指す

FIREを実現するためには、「年間生活費×25倍」の資産を「年4%」で増やすことを目指す

突然ですが、FIREを実現するために、資産はいくら必要だと思いますか?

 

家族構成や地域差により生活に必要な経費は異なりますが、FIREの基本的な考え方に「年間の生活費×25倍」「4%ルール」というものがあります。

 

これは、年間の生活費の25倍の資産を4%の利回りで運用できれば、資産が目減りしないで済む、というもの。

 

仮に年間の生活費が300万円とすると、300万円×25倍=7,500万円。7,500万円を4%の運用益が得られる商品で運用すれば、7,500万円×0,04=300万円となり、年間の運用益だけで生活することができるようになります。

 

生活を営む中で不安なことといえば「お金が無くなる」ということ。資産を減らさないことこそが、精神衛生的に最も重要なことといえるので、資産のキープこそがFIRE生活の要となります。

「完全FIRE」ではなく「サイドFIRE」を目指してもいい

「好きな事で収入を得て生活が出来れば…」と考えて、FIREに憧れる人も多いのではないでしょうか。その場合、資産運用と好きな事から得た収入で生活をする「サイドFIRE」をおすすめします。

「資産運用の運用益」と「好きな事で得た収入」で、サイドFIREを達成する

FIREするために前項で述べた7,500万円が必要だと仮定して、その金額を今の生活を多少切詰めながらもキープして蓄えるのは、一般的にはなかなかの至難の業です。

 

ですが、リタイア後も好きな事で得たお金を月々10万円(年間120万円)稼げれば、運用で得るべき金額は300万円-120万円=180万円で済み、必要な資産額は180万円×25年=4500万円となります。

 

3,000万円ほど準備金が少ない状態でもFIREが可能となれば、実現にだいぶ近づくのではないでしょうか。

まとめ

資産運用などの不労所得で悠々自適な生活を行う「FIRE」。現在の状況でできそうと思っても、ライフスタイルの変化や心身の健康状態などにより生活の必要経費は変わってきます。資産見積りを行う際には、余裕を持った資金計画を行いましょう。

 

また、「iDeCo」や「NISA」(つみたて「NISA」を含む)は、自分で運用を行わないため、貯金に近い感覚がありますが、内容はあくまでも「投資」です。

 

世界情勢の変化で資産が減ってしまう可能性も視野に入れつつ、定期預金などとうまく組み合わせて資産形成を行う心づもりが必要です。

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