【薬剤師執筆】今年こそ年末年始は楽しみたい!そんな方必見の二日酔い予防法
年末年始は忘年会や新年会など、ついついお酒を飲みすぎてしまうという方も少ないかもしれません。
そしてその翌日に襲ってくる二日酔い…
頭痛や吐き気などの症状がツラいですよね。
実は、二日酔いのメカニズムを知った上できちんと対策をすれば、予防することができるんです。
そこで今回の記事では、二日酔いの症状とメカニズム、予防法について解説していきたいと思います。
二日酔いの症状
二日酔いの症状は意外と幅広く、人によってさまざま。
以下はその一部です。
頭痛
吐き気・嘔吐
胸やけ
睡眠障害
感覚や認知の障害
うつ気分
自律神経症状
動悸
発汗 など
基本的には、アルコールを摂取した日から時間が経つにつれ症状は改善していきます。
しかし、体質によってはさらに次の日、もしくはそれ以降しばらく続くこともあり、仕事に支障をきたすケースもあるので注意が必要です。
二日酔いのメカニズム
二日酔いの原因として有力な説に、アルコールを分解するときにできる「アセトアルデヒド」という有害物質を肝臓で十分に処理できず、血液中の濃度が高くなることが挙げられています。
ほかにも、二日酔いは下記の要素が関連していると考えられています。
軽度の離脱症状
ホルモン異常
脱水状態
低血糖状態
酸塩基平衡のバランスの乱れ
電解質の異常
強い炎症反応
睡眠や生体リズムの障害
胃腸の障害
酒に含まれる不純物 など
上記が複雑にからみあって起きるとされていますが、はっきりとしたメカニズムがわかっていない点も多いのです。
二日酔いにならない方法とは?簡単な対策4選
お待たせいたしました!
この章では、二日酔いの対策ができる簡単な方法を4つご紹介します。
お酒の席を楽しみながらできる方法なので、ぜひ試してみてください。
1.ラムネの〇〇が効果的!
飲酒後は夜間に低血糖になることがあり、それが原因で起床後に頭痛や吐き気、カラダの震え、発汗などさまざまな不調を起こすと考えられています。
ラムネに含まれるブドウ糖は体内吸収率が高く、これらの症状を早く改善したい方におすすめです。
予防というよりは二日酔いがツラいときの対策になるため、二日酔いの症状がツラいときに摂取するのが効果的なタイミングです。
ただし、低血糖が原因ではない場合は効果がみられず、薬が必要となることもあります。
2.ツボ押しも効果あり
肝臓に関連するツボを刺激することで、二日酔いを緩和する効果が期待できます。
押すツボは二日酔いの症状によって異なり、下記はその一例となります。
期門(きもん):両乳首の真下にある肋骨の境目にあるツボで、頭痛に効果が期待できます。
合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の付け根の中間にあるツボで、吐き気や頭痛に効果が期待できます。
ツボ押しは、1回につき3秒~7秒かけてゆっくり押して、ゆっくり離すのを一日4回~5回行いましょう。
押す力の加減は、イタ気持ちいいくらいがベターです。
3.たんぱく質&ビタミンB₂を摂取しよう
タンパク質はアルコール分解に重要な栄養素なので、タンパク質を摂取できる焼き鳥や枝豆などをおつまみにするのがおすすめです。
また、ビタミンB₂はアルコールによって阻害される脂質代謝を助ける働きがあります。
分解されず脂質がたまると脂肪肝になり、肝臓の機能が悪くなるのでビタミンB₂はしっかりと摂るようにしましょう。
ビタミンB₂は、枝豆、卵などに多く含まれます。
4.スポーツドリンクを飲む
アルコールには利尿作用があるため、お酒だけを飲み続けると脱水症状を起こします。
お茶や水はすぐに尿として排出されてしまうため、飲むならスポーツドリンクがおすすめです。
スポーツドリンクは水分といっしょに抜けやすい電解質がバランスよく含まれており、二日酔いの予防や回復したいときに効果的です。
二日酔い対策にも漢方薬がおすすめ
二日酔い対策には、漢方薬もおすすめです。
漢方薬のなかには、二日酔いの頭痛や吐き気などの改善が期待できるものがあります。
前述の通り、二日酔いは、アルコールを分解するときにできるアセトアルデヒドという有害物質を肝臓で十分に処理できず、血液中の濃度が高くなることが原因で起こります。
二日酔いを改善するには、
「肝臓の機能を回復させ、アルコールの代謝をサポートする」
「胃腸の機能を回復する」
「飲酒による水分バランスの乱れを整えて、吐き気やむくみを改善する」
といった漢方薬を選びましょう。
漢方薬は二日酔いの根本改善を目的としますので、いつも二日酔いで悩む方には特におすすめです。
<二日酔い対策におすすめの漢方薬>
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
熱による症状や、炎症を緩和する漢方薬です。
イライラや神経症のほか、飲みすぎによる二日酔い、胃の不調などにも効果があります。
・五苓散(ごれいさん)
体内の「水」のバランスを整え、カラダにたまった水分を排出する働きがあります。
二日酔いのほか、吐き気や嘔吐、頭痛、むくみにも効果的です。
ただし、漢方薬は体質に合っていなければしっかりとした効果を得られません。
さらに、副作用を起こすリスクを高めてしまうため、専門家に選んでもらったものを服用するほうが安心です。
なかなか時間がなくて調べる時間や相談しに行く時間がないという方には、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、その人に合った漢方を見極めて自宅まで郵送してくれるサービス※もあります。
<参考>
二日酔いを回避して年末年始を楽しもう!
いかがでしたか?
繰り返しになりますが、二日酔いはアルコールを分解するときにできるアセトアルデヒドが蓄積され、血液中の濃度が高くなることが有力な説として挙げられています。
また、脱水状態や低血糖状態なども二日酔いの起因であるとされているため、水分代謝をよくしたり、脱水状態や低血糖状態を予防したりすることは、二日酔い予防に効果的といえます。
ぜひ今回ご紹介した対処法を取り入れながら、忘年会や新年会を思う存分楽しんでくださいね
執筆者プロフィール
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等、15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに、健康・美容情報を発信するYoutubeチャンネル「Medical Health - メディヘルス -」では簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動中。
さらに、記事内でもご紹介したオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行っている。