【薬剤師執筆】早くも猛威を振るうインフルエンザ。ウイルスが好む環境や感染から身を守る方法3選をご紹介
気温が徐々に下がりはじめ、体調を崩す人も多くなるこの季節。
心配なのは毎年流行するインフルエンザ。
新型コロナウイルスもまだまだ気を抜けませんが、インフルエンザは最大級の疫病として今年は特に早い段階から猛威を振るっています。
そこで今回は、そんなインフルエンザの特徴や身を守るポイント、免疫力をアップするための方法まで徹底解説いたします。
インフルエンザとは
そもそもインフルエンザは、「季節性インフルエンザ」と「新型インフルエンザ」の2つに分けられます。
季節性インフルエンザは毎年流行するインフルエンザで、多くの人が免疫を持っています。
それに対して、新型インフルエンザはその名の通り新しいインフルエンザで、従来のインフルエンザウイルスの遺伝子が突然変異することによって生まれます。
新型インフルエンザは季節性インフルエンザとは構造が大きく異なるため、ほとんどの人が免疫を持っていません。
そのため、季節性インフルエンザよりも感染力が非常に高いという特徴があります。
インフルエンザの一般的な症状は、38度以上の高熱や、せきやのどの痛み、頭痛、筋肉痛などです。
急激に症状が出るのも特徴で、潜伏期間は平均2日ほど、通常は1週間で治りますが、乳幼児や高齢者、基礎疾患を持っている人の場合、重症化するケースもあります。
インフルエンザウイルスが好む環境
インフルエンザウイルスは「寒冷乾燥」を好みます。
インフルエンザウイルスが最も活性化するのは、湿度や温度が低い環境です。
特に冬場は湿度が低下し乾燥もするので、インフルエンザウイルスが活動しやすくなります。
また、人混みや狭い室内など、「飛沫感染」や「接触感染」しやすい環境は、インフルエンザウイルスにとって好環境といえるでしょう。
身を守る3つのポイント
ここでは、インフルエンザから身を守るポイントを3つ解説いたします。
今日からすぐに実践できるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
正しい手洗い
言わずもがな、インフルエンザ対策において手洗いは基本中の基本です。
手指の隅々まできちんと洗うと、よりインフルエンザ予防の効果が高まります。
正しい手洗いの手順は以下の通りです。
(1) 手を濡らし、石鹸を泡立てる。
(2) 手の甲を最初に洗う。
(3) 両手を組むようにして、指の間も洗う。
(4) 片方の親指を包み込むようにして洗う。
(5) 手のひらに指を立てて爪の間も洗う。
(6) 手首を洗う。
(7) 石鹸を十分な流水でよく洗い流す。
(8) 手をふき乾燥させる。
※手を拭くときは、タオルなどの共用は避けましょう。
手洗いは接触感染を防ぐのに非常に有効な手段です。
特に外出後は必ず洗いましょう。
部屋の湿度は50~60%に
インフルエンザウイルスは湿度の低い環境で繁殖しやすいので、湿度を50~60%に保つとウイルスの増殖力を抑えられます。
のどや鼻の粘膜は、乾燥すると防御機能が低下してウイルスに感染しやすくなるため、その点でも湿度は重要です。
冬場の湿度の調整には加湿器を使うといいでしょう。
加湿器がない場合は、代わりに湿らせたタオルを室内に干すなどして湿度を上げましょう。
善玉菌を増やす食事
外敵であるウイルスに対抗するのが免疫システムです。
特に、腸内は免疫細胞の約6割が集中している(※1)と言われており、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やすことは免疫機能のアップにもつながります。
善玉菌を増やすおすすめの食材は以下の通りです。
<善玉菌を含む食材>
・乳酸菌飲料
・ヨーグルト
・納豆
<善玉菌を活性化させる食材>
・ゴボウ
・海藻類
・キノコ類
善玉菌は定着しづらいため、毎日摂取することが大事です。
また、食物繊維やオリゴ糖は善玉菌の増殖や活性化のサポートをしてくれるので、積極的に摂取しましょう。
免疫力を上げる手助けには漢方薬もおすすめ
免疫力を上げるには、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は心とカラダのバランスを整え、カラダの機能低下を根本から改善することで健康なカラダづくりを助けてくれます。
免疫力の低下が気になる人には、
「胃腸の働きを良くして、食事の消化吸収を上げる」
「血流を良くして栄養を全身に届ける」
「自律神経を整え、ストレスによる疲労を減らしたり、睡眠の質を上げたりする」
といった漢方薬で健康をサポートしていきます。
以下では、免疫力を上げるおすすめの漢方薬をご紹介いたします。
<免疫力の低下が気になる人におすすめの漢方薬>
●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力がなく、倦怠感があり、胃腸が弱い人などに用いられます。
エネルギーの「気(き)」を補い、疲労回復や胃腸機能を高める効果が期待できます。
●十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
疲労がたまり、冷え性、貧血傾向の人に用いられます。
エネルギーの「気(き)」と共に血流の滞りを緩和して栄養を補い、慢性的な疲れや虚弱体質の改善を期待できます。
漢方薬を正しく使用するうえで、「体質との相性」は非常に重要なポイントです。
どんなにいい漢方薬でも、適切な処方でなければ効果が出るどころか、副作用に見舞われる場合もあります。
体質を踏まえて適切な漢方薬を選択するためには、医師や薬剤師などの専門家にお任せするのが一番です。
あなたの体質との相性を考え、適切な漢方薬を提案してくれるでしょう。
「もっと手軽に漢方薬を試してみたい!」という人には、スマホで気軽に利用できる『あんしん漢方』がおすすめ。
体質診断から処方、漢方薬の購入まですべてインターネット上で完結するので、わざわざ病院や薬局に行く手間を省けます。
さらに、必要に応じて漢方ドクターに相談できるうえ、経過を観察しながら漢方薬を変更することもできます。
実際に通院する感覚で利用できる画期的なサービスとなっています。
まとめ
いかがでしたか?
インフルエンザは一度感染すると自分がツラいだけでなく、周囲にも迷惑をかけてしまいます。
しかし、生活習慣を少し見直すだけでも、インフルエンザの感染リスクを抑えられます。
今回の記事を参考に、インフルエンザに負けない生活を送りましょう!
【参考】
(※1)「まいにち乳life 風邪_インフルエンザ」森永乳業株式会社
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するYoutubeチャンネル「Medical Health -メディヘルス-」では、簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動。
また、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。