【専門家執筆】イソフラボンのメリット・デメリット大解剖
「イソフラボンを摂取するメリットとデメリットって?」
「イソフラボンを効果的に摂取できるのはどんな食品?」
イソフラボンは、女性ホルモンと似た成分として有名ですよね。
こちらの記事では、イソフラボンを含む食品や摂取するメリットデメリット、効果的な摂取方法まで徹底解説していきます。
イソフラボンって?
まずは「イソフラボン」がどのような成分なのか、また豊富に含まれる食品についてもご紹介いたします。
イソフラボンの定義
イソフラボンは植物性ポリフェノールの一種で、大豆、レッドクローバー、葛、甘草といったマメ科の植物に多く含まれます。
ただし、大豆一粒にわずか0.2~0.3%しか含有されていない貴重な成分なのです。
大豆イソフラボンは特に胚芽部分にたくさん含まれています。
胚芽は紫外線などの刺激から身を守る部分であることから、優れた機能をもった大豆イソフラボンが集中しているのです。
一口にイソフラボンと言っても「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類があります。
グリコシド型は分子が大きく体内に吸収されにくい一方、アグリコン型は分子が小さいため効率良く体内に吸収されます。
イソフラボンが含まれる食品
大豆イソフラボンが含まれる食品には、次のようなものがあります。
豆腐
納豆
豆乳
味噌
醤油
上記の食品のうち、豆腐、納豆、豆乳にはグリコシド型イソフラボンが、味噌と醤油にはアグリコン型イソフラボンが含有されています。
とはいえ、味噌と醤油は塩分が高いので、摂りすぎには注意しましょう。
イソフラボンを摂取するメリット
イソフラボンを摂取することで、次のようなメリットがあります。
更年期に伴う女性ホルモン減少のサポート
美肌作りのサポート
生活習慣病の予防・改善
イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、女性ホルモン減少によって起こる更年期症状や骨量減少の緩和、美肌作りに役立ちます。
また、大豆イソフラボンには、血清総コレステロールとLDLコレステロールを低下させる効果が認められ、心臓病などの生活習慣病の予防・改善に役立つことがわかっています。
<参考文献>
イソフラボンを摂取するデメリット
イソフラボンを摂取するデメリットはこれといってありませんが、強いて言えば大豆を摂取しすぎると肥満の原因になるため、過剰摂取をしないよう注意することです。
茹で大豆や乾燥大豆といった大豆のカロリーは
茹で大豆(100gあたり):約200kcal
乾燥大豆(100gあたり):約420kcal
と高めですので、摂りすぎると太りやすくなります。
また、イソフラボンの過剰摂取は、女性ホルモンの乱れによる生理不順や肌荒れ、下痢を引き起こすことが指摘されています。
イソフラボンの安全な一日の摂取目安量の上限は70~75mgです。
ただし、それを超えたからといって、ただちに健康被害が起こるわけではありません。
サプリメントなどで過剰摂取することによる健康への影響は報告されていますので注意しましょう。
イソフラボンの効果的な摂取方法
イソフラボンを効果的に摂取する方法として「イソフラボンを含む食品の選び方」と「サプリメントの選び方」を解説します。
イソフラボンを含む食品の選び方
イソフラボンを含む食品を選ぶ際のポイントは「大豆が丸ごと摂れるか」です。
たとえば、豆乳や豆腐は大豆を丸ごと摂取できるわけではないため、イソフラボンの含有量は少なめです。
一方で、納豆や蒸し・茹で・乾燥大豆、きな粉は大豆を丸ごと摂取できるため、イソフラボンの含有量が多いのです。
納豆が苦手な方、大豆のカロリーが気になる方には、きな粉がおすすめ。
ヨーグルトや牛乳などに混ぜてもおいしく食べられるうえに、大さじ1杯あたり32kcalです。
サプリメントの選び方
イソフラボンサプリメントを選ぶときは、アグリコン型が配合されたものであることがポイントです。
アグリコン型は体内に効率良く吸収されますが、普段食べる機会の多い豆腐や納豆といった食品にはあまり含まれていません。
効果を求めるなら、サプリメントで摂取するほうがいいでしょう。
また、天然由来成分であることと、GMP認証を得ていることも欠かせないポイントです。
天然由来成分であれば、より自然に近い形で栄養素を補うことができますので、安心して使用できます。
GMP認証のサプリメントは、医薬品レベルの高い基準で品質管理を行い合格した商品なので、衛生面においても安心です。
イソフラボンを摂ることで改善が期待できる不調には漢方薬も選択肢に
女性特有の体調不良は、漢方薬でも対応できます。
「冷えや加齢によるホルモンバランスの乱れを整える」
「自律神経を整える」
「血流を良くする」
といった作用のある生薬が含まれている漢方薬を用い、不調の根本改善を目指します。
食生活の改善や大豆製品の摂取が難しい方であれば、漢方薬がおすすめです。
漢方薬は体質改善の効果もあるため、女性ホルモンが乱れにくいカラダ作りができます。
女性特有の不調に用いられる代表的な漢方薬は、次の通りです。
<おすすめの漢方薬>
●加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力が中程度以下の方に向いています。
上昇した気(エネルギー)を降ろしたり、不足した血(栄養)を補ったりすることでバランスを整え、精神不安やイライラを鎮め、カラダの冷えや肩こりなどを改善します。
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、足の冷えやシミが気になる方などに適した漢方薬です。
更年期障害だけでなく、頭重や冷え、のぼせ、めまい、肩こりなどの女性の悩みにもアプローチします。
一部の代表的な漢方薬をご紹介いたしましたが、体質によっては当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や加味帰脾湯(かみきひとう)といった別の漢方薬が用いられます。
漢方薬は体質に合ったものでないと効果が発揮されないうえに副作用が起こりやすくなるため、プロに相談してからの使用がベストです。
たとえば、あんしん漢方といった自宅で気軽に診断し、自分に合った漢方薬を探せるオンラインサービスもあります。
薬剤師がAIを駆使しながら一人ひとりに合った漢方薬を提案し、自宅まで届けてくれるので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
イソフラボンは植物性エストロゲンとも呼ばれており、女性ホルモンに近い働きをします。
40代前後になると閉経に向けて女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスが崩れて不調が起こりやすくなります。
吸収されやすい「アグリコン型イソフラボン」が豊富な味噌や醤油、きな粉をうまく食事に取り入れたり、ホルモンバランスや自律神経を整える漢方薬を活用したりして、元気で若々しい女性を目指しましょう!
この記事を書いた人
一般社団法人日本サプリメント協会理事長
後藤 典子(ごとう のりこ)
同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。
YouTubeチャンネルで健康リテラシー向上のための情報を発信している。
2023年よりSフードプロジェクトのリーダーとして、機能性表示食品ののぞましい発展を支援する活動をしている。