【薬剤師執筆】冬場に悩む関節痛には解決方法があった!今すぐできるセルフケアもご紹介

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【薬剤師執筆】冬場に悩む関節痛には解決方法があった!今すぐできるセルフケアもご紹介

冬になると関節痛がヒドくなる方も少なくないかと思いますが、主な原因は寒さ(気温の低さ)と血行が関係しています。

 

冬場に襲ってくる関節痛を予防するには、カラダの冷えに伴う血行不良を取り除くことが大切です。

 

そこで今回は、関節痛と季節の関係、関節痛対策について詳しく解説していきます。

毎年関節の痛みに悩んでいる方というはぜひ参考にしてください。

関節痛と季節の関係

関節痛と季節の関係

冬は気温が低下して寒くなり、全身の血行が悪くなりやすい季節です。

血行が悪くなると交感神経が過敏になり、痛みを感じやすくなることで関節痛を引き起こすと考えられています。

 

血行不良が神経を過敏にさせる理由は、血管の収縮に伴う筋肉の緊張です。

血管や筋肉が縮まってしまうと、手足の血液循環がスムーズにいかず、カラダの組織が酸素不足になります。

すると、痛み物質が生み出されて交感神経が緊張状態になり、それがさらに血管と筋肉を収縮させて痛み物質の産生を促すという悪循環に陥ってしまうのです。

 

必ずしも悪循環になるというわけではありませんが、早めに対処しないと悪循環に陥ってしまう可能性は高くなります。

 

また、血行不良により痛み物質が排出されないことも、関節痛が生じる要因のひとつです。

関節痛におすすめの対策

関節痛におすすめの対策

冬の関節痛にお悩みの方は「カラダを温めて血行を良くする」「カラダを動かす」の2つを意識することが重要です。

 

ここでご紹介する対策を実践して、痛みの改善・緩和を図りましょう。

1.運動で血行を促す

対策のひとつ目は「運動で全身の血行を促すこと」です。

 

全身の血行を促すことで手足の血液循環が良くなり、痛み物質の産生を抑制できます。

 

もし、変形性ひざ関節症などを患っていて運動するのが心配という方でも、運動は積極的に行って問題ありません。

変形性ひざ関節症の改善は運動療法が効果的であり、関節を積極的に動かすことで痛みを改善できます。

 

ランニングやジムの機械を使った激しい運動をする必要はありません。

外でのウォーキング水中ウォーキング水泳踏み台を使った昇降運動でも十分効果は期待できます。

 

特に、水中ウォーキングはひざへの負担を減らしながらできる運動なのでおすすめです。

 

自分のライフスタイルや体力に合わせた運動を習慣的に行いましょう。

2.関節を温める

血行不良による関節痛には、関節を外側から温めるというアプローチも効果的です。

 

たとえば、カイロを当てたり温熱サポーターを使用したりすると、部分的に温めることができます。

温熱サポーターは通販サイトやドラッグストアで購入できるので、ぜひ探してみてください。

 

また、関節痛に効能がある温泉成分入りの入浴剤を使用するのもおすすめです。

3.ツボを押す

ひざやひじの関節痛にはツボ押しも効果的。

 

寒さによる外的要因でひざ痛を起こしている場合は、内隙(ないげき)陰陵泉(いんりょうせん)というツボが効果的です。

 

 

内隙:ひざの内側中央にあるツボ

 

陰陵泉:内側のすねのひざ下で指が止まるところにあるツボ

 

 

寒さによる外的要因でひじ痛を起こしている場合は、手三里(てさんり)」「曲池(きょくち)」「尺沢(しゃくたく)」「小海(しょうかい)というツボが効果的です。

 

 

手三里:ひじを曲げてできる横ジワの外側から手に向かって指3本のところにあるツボ

 

曲池:ひじを曲げてできる横ジワの外側にあるツボ

 

尺沢:手のひらを上にしてひじを伸ばした状態にし、横ジワの外側にあるツボ

 

小海:ひじを直角に曲げてできる横ジワの内側の先端

 

 

ツボ押しは、押すときに力が入りすぎないように座った状態で行います。

息を吐きながら指の腹で2~3秒かけて押し、ゆっくり離す動作を4回~5回繰り返してください。

関節痛に悩む方には漢方薬の使用もおすすめ

関節痛に悩む方には漢方薬の使用もおすすめ

関節痛に悩む方は漢方薬を使用するのもおすすめです。

 

関節痛対策には、鎮痛作用で急性の痛みを和らげるだけでなく、

 

「カラダを温めて冷えによる痛みを改善する」

「血流を良くして関節や神経の機能を回復する」

「関節に停滞した余分な水分を取り除く」

 

といった漢方薬を選び、根本からの改善を目指します。

 

 

<関節痛におすすめの漢方薬>

 

●桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

 

カラダを温め、血流を良くするはたらきを持ち、手足が冷える方の関節痛や神経痛に効果があります。

 

●防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

 

変形性ひざ関節症に使用されることもある漢方薬。

水分代謝を上げて、肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、水太りに効果が期待できます。

 

●薏苡仁湯(よくいにんとう)

 

炎症を伴っており、重だるい痛みなどに使用されることが多い漢方薬。

関節痛や筋肉痛などに効果が期待できます。

 

 

漢方薬は優秀である反面、体質に合わないと副作用の発症や思ったような効果が得られないといったトラブルが起きることもあります。

そのため、ご自身で判断せずに専門家に相談し、自分に合った漢方薬を使用することが症状改善への近道です。

 

自分に合った漢方薬を知りたいという方は、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、その人に合った漢方を自宅まで郵送してくれるあんしん漢方というサービスもおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?

関節痛は、カラダが冷えて血行が悪くなり、痛み物質が排出されず滞ることが主な原因と考えられています。

 

部分的またはカラダ全体を温めたり、ツボ押しや漢方薬などを活用したりと、血行不良を予防し今年の冬も活発に過ごしていきましょう!

執筆者プロフィール

執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師

山形 ゆかり

 

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。

病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

 

さらに「健康は食から」をモットーに、簡単薬膳レシピなどを動画で配信したり、前述したオンラインAI漢方『あんしん漢方』でも薬剤師としてサポートを行っている。

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