【医師監修】花粉症対策にはマスクよりも食事?!不快なムズムズとサヨナラできる「4つの栄養素」とは
春のお悩みと言えば、そう「花粉症」。
ここ数年、花粉症で悩まされる方がますます増えてきたように感じます。
そんなつら~い花粉症に対して、みなさんはどんな対策を行っていますか?
マスクで物理的に遮断してしまうのももちろん有効ですが、もっと重要なのは必要な栄養を補給して体内からケアすること。
花粉症対策には、とある「4つの栄養素」が非常に重要なんです!
その栄養素を積極的に摂るようにしたことで「花粉症のつらさが緩和された」という声もチラホラ?!
そこで本日は、予防医療研究協会の理事長を務める専門医監修のもと、花粉症対策におすすめの4つの栄養素についてお話ししていきたいと思います。
花粉症ってそもそもどうして起こるの?
春になるとやってくる、憎き「花粉症」。
目のかゆみや鼻のムズムズで今にも発狂してしまいそう!という方も多いのではないでしょうか?
一体なぜ、春になるとこんな不快な症状が起こるのでしょうか?
私たちの体の中では一体何が起こっているのでしょうか?
まずはそのメカニズムをお話ししたいと思います。
私たちの体内には、「リンパ球」と呼ばれる白血球がいます。
リンパ球は、病原体が侵入してくると、それをやっつけたり、抗体を作って再感染しないようにします。
このリンパ球は、私たちを感染症から守ってくれるヒーローなんですが、ときどき勘違いをしてしまうおっちょこちょいさんでもあります。
というのも、花粉というのは本来病原体でもウイルスでもないのに、これを「悪者だ!」と勘違いしてしまうことがあるのです。
それにより、免疫が過剰に反応してしまい、花粉を追い出そうと鼻水や涙がたくさん出てしまうというわけです。
大事なのは「根本ケア」!
この時期になると、花粉症に対抗するためのグッズがドラッグストアにたくさん並びますよね。
「アレルギー症状を抑える薬」
「花粉を99%カットするマスク」
「花粉を寄せ付けないフェイスミスト」
はたまた、「鼻の中に入れるマスク」なんて面白い商品まで販売されています。
これらは、症状を少しでも緩和するための手段としては非常に有効かもしれませんが、根本的なケアにはなっていません。
ある意味、「臭いものにフタ」をしている状態です。
先ほども述べた通り、花粉症というのは「免疫の過剰反応」によって起こるものです。
本来は敵でもなんでもない花粉を敵だと勘違いして、免疫が過剰に反応している状態。
つまり、普通ではない状態なのです。
まずはこの体の異常を「正常」に使づけることが、根本ケアになります。
そのために必要なのが栄養です。
花粉症に良い栄養素がある!?
実は、花粉症対策に重要な「4つの栄養素」があります。
これらを十分に補給することで、体内から免疫機能を正常に近づけることができます。
「私は普段から栄養バランスに気をつかっているつもりだけど…」という方も要注意!
これらの4つの栄養素は、普段の食生活でとても不足しやすい栄養素。
健康意識の高い人でも、つい見落としがちな栄養素なのです。
では、そんな花粉対策に有効な4つの栄養素とは一体なんなのでしょうか?
早速ご紹介していきたいと思います。
花粉症に良い栄養素(1)ビタミンD
近年、花粉症対策に良い栄養素として注目を浴びているのが、「ビタミンD」。
実は、このビタミンDの不足こそが花粉症の原因である、という意見もあるくらいなのです。
ビタミンDは、「免疫機能を正常に働かせるために必要な栄養素」。
ビタミンDが不足して免疫機能が下がってしまうと、本来戦うべきウイルスをうまく戦えなくなってしまったり、逆に、本来戦う必要がない花粉などのアレルゲンに過剰に反応してしまったりします。
つまり、毎日十分な量なビタミンDを補充することが、免疫系のバランスを整えて花粉症を遠ざけるために非常に重要なのです。
では、ビタミンDはどのような食品に含まれているのでしょうか?
ビタミンDは、きくらげ、しいたけ等の「キノコ類」や、サケ、サンマなどの「魚類」に多く含まれていると言われています。
現代人は魚の摂取量が減っていると言われています。
日ごろからキノコや魚を積極的に食べるようにして、ビタミンDの摂取を心がけましょう。
花粉症に良い栄養素(2)酪酸菌
乳酸菌はよく聞くけど、「酪酸菌(らくさんきん)」を詳しく知ってるという方は少ないのでは?
酪酸菌は、乳酸菌と同じく胃や腸をすこやかに保ってくれる「善玉菌」の一種。
この酪酸菌が、花粉症にとても良いということが分かってきたのです。
先ほども述べた通り、花粉症には「免疫」が大きく関係しています。
そんな免疫ですが、実は免疫細胞の約70%が「腸」に存在しているということをご存知でしたか?
つまり、腸の状態がすこやかであると、免疫機能が正常に働きやすくなるのです。
酪酸菌が出す酪酸という物質には、腸内フローラを健康に保ち、免疫の異常な反応を防ぐ細胞(制御性T細胞)が増えるのを手助けしてくれると言われています。
それにより、免疫機能が正しくはたらくようになり、花粉症などの免疫異常に効果が期待できるというわけです。
そんな酪酸菌を多く含む食品はあまり多くないのですが、唯一挙げられるのは「ぬか漬け」。
昔ながらのぬか漬けには酪酸菌が多く含まれています。
ぬか漬けを作るのは少し大変かもしれませんが、健康効果はバツグンなので、これを機にぜひ始めてみてはいかがでしょうか?
花粉症に良い栄養素(3)ケルセチン
花粉症に良い栄養素として、海外で有名なのが「ケルセチン」。
ケルセチンは、タマネギなどに多く含まれるフラボノイドの一種。
免疫の異常でたくさん作り出されてしまうヒスタミン(炎症物質)を抑えることで、花粉症の症状を和らげてくれると言われています。
欧米などでは近年非常に注目されている栄養素で、サプリメントなども多く販売されています。
そんなケルセチンは前述の通りタマネギに含まれていると言いましたが、特に多く含んでいるのは「皮」の部分。
あの茶色い色素こそがケルセチンの正体です。
とはいえ、タマネギの皮をむしゃむしゃと食べるわけにはいきませんよね…。
そこでオススメなのが「タマネギの皮茶」。
最近は、タマネギの皮をティーバッグに詰めたお茶がネット通販などでも多く販売されています。
こういったお茶を利用すれば、効率的にケルセチンを摂取することが可能です。
花粉症に良い栄養素(4)ブロメライン
最後にご紹介したいのは、「ブロメライン」と呼ばれる成分。
免疫機能と腸内環境が大きく関係しているのは前述の通りですが、そんな腸内環境を整えるために摂取していただきたいのが、ブロメライン。
ブロメラインは、パイナップルなどに含まれる「たんぱく質分解酵素」の一種です。
食事で摂ったたんぱく質が胃の中でうまく消化されていないと、腸内環境が乱れ、免疫のバランスが崩れてしまう原因に。
ブロメラインはそういったたんぱく質の消化を手助けしてくれるので、花粉症に効果があると言われています。
よく、酢豚を作るときにパイナップルを入れることがありますよね?
これも、「ブロメライン」の効果を活用したもの。
ブロメラインによってたんぱく質がほどよく分解されることで、お肉が柔らかくなるのです。
花粉症の時期は食後のデザートとしてパイナップルを積極的に摂り入れてみるのも良いかもしれませんね。