もしかしてそれ「夏季うつ」かも?!夏バテとの違いやセルフチェック、対処法まで徹底解説【薬剤師監修】
気温が高くなり、暑い日が続くと食欲が低下したり、気分が落ち込んだりする…。
実はそれ、夏バテではなく、「夏季うつ」の症状かもしれません。
今回は、この時期に見落とされがちな夏季うつについて解説していきたいと思います。
夏季うつとは
まずは、夏季うつの定義について見ていきましょう。
1.症状
夏季うつとは、「季節性感情障害」に分類される季節性うつです。
6~9月の夏場だけ不調が出現する症状で、意欲低下、好奇心や楽しみの喪失、不安や緊張感、食欲低下、不眠、めまい、吐き気などさまざまな症状があらわれます。
目に見える症状ではないのでなかなか気づきにくく、自分自身でも夏季うつと把握していない場合も多くみられます。
2.原因
夏季うつの主な原因は夏の高温多湿です。
強い日差しによる疲労や外気と室内の気温差による自律神経の乱れ、ミネラルが不足することによる脱水症状、暑さによる食欲低下での栄養不足など、気候変化が原因となって夏季うつの不調があらわれます。
夏季うつと夏バテの違い
夏季うつと夏バテは非常に似ています。
食欲不振や不眠など、共通する症状も多いため、違いを見極めるのは難しい場合があります。
夏バテとの違いはカラダの疲れだけでなく、気分の落ち込みなど、精神的な不調が出てくることです。
やる気が何も出ない、憂うつな気分が続くなどの不調が出てきた場合は、夏季うつの疑いがあります。
夏季うつセルフチェック
下記に掲載した内容は、夏季うつの簡単なセルフチェックです。
ご自身がどれだけ当てはまっているかチェックしてみましょう。
□食欲低下がみられる
□口が乾く
□疲労がたまりやすい
□寝つきが悪い
□夜中に目覚める
□やる気が起きない
□焦りや不安がある
□ささいなことで気分が落ち込む
□気分が異常に高揚するときがある
当てはまる項目が多い場合は、夏季うつの可能性があります。
続いては、夏季うつに対処する方法を解説していきたいと思います。
夏季うつを防ぐおすすめ対策3選
不調の原因が夏季うつの場合のセルフケアを3つ解説していきたいと思います。
簡単に試せるものなので、ぜひ参考にしてみてください。
1.こまめな水分補給
夏はとくに発汗で水分が失われやすいので、こまめな水分補給を行いましょう。
一日あたりの目安水分摂取量は、1.2リットル(※1)です。
一気飲みすると胃腸に負担をかけるため、できれば1~2時間おきにこまめに摂取し、一回あたりの水分はコップ一杯程度の摂取にしましょう(※2)。
2.室内外の寒暖差の調整
エアコンの過度な使用は寒暖差による自律神経の乱れを生みます。
設定温度を26~28度にして、部屋を冷やしすぎないようにしましょう。
エアコン以外にも、サーキュレーターや扇風機をうまく使い、部屋の空気を循環させると効率よく室温を調整できます。
3.日光の浴びすぎに注意
夏の強い日差しを浴び続けると、疲労がたまって夏季うつの原因になります。
外出するときは日向に長時間いることを避け、日陰で休みましょう。
日傘や帽子などの日差し対策も必ず行いましょう。
夏季うつには漢方薬もおすすめ
夏季うつには漢方薬の使用もおすすめです。
漢方薬は毎日飲むだけで対策ができるので、生活習慣を変えなくても気軽に試せるのがメリット。
漢方薬は、植物や鉱物などの自然由来の生薬でできていて、一般的に西洋薬よりも副作用のリスクが低いと言われています。
夏季うつ対策には、
「肉体疲労を軽減し、落ち込みや不安感を軽減する」
「消化・吸収機能を高め、カラダの内側から心を元気にする」
「自律神経のバランスを整える」
といった漢方薬を選び、根本改善をめざしましょう。
<夏季うつの対策におすすめの漢方薬>
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
夏の暑さで弱った胃腸のはたらきを高め、カラダの余分な熱を冷まし、水分の代謝を良くします。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
衰えた胃腸のはたらきを良くし、元気を補い、だるさや疲労感を緩和します。
なかなか時間がなくて調べる時間や相談しに行く時間がないという方には、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、その人に合った漢方を見極めて、自宅まで郵送してくれるサービスもあります。
<参考>
まとめ
いかがでしたか?
夏季うつの症状は夏バテと似ているため、判断がしにくいのが特徴です。
夏バテの症状に加え、精神的な不調が長引いている場合は、夏季うつの可能性があります。
強い日差しは避け、こまめな水分摂取を行い、体調を整えていきましょう。
【参考】
(※2)全薬グループ「正しく知って夏を乗り切る水分補給のコツ」
<この記事の監修者>
監修者プロフィール
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかださなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。
症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
また、健康・美容情報を発信するYouTubeチャンネル「Medical Health -メディヘルス-」では、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
さらに症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行っている。