【薬剤師執筆】そのカラダの不調、実は「かくれ脱水」だった!症状の特徴と原因、対策を解説
日に日に気温が下がり、暖房を使うようになって「かくれ脱水」になることがあるのか気になっていませんか?
脱水症自体は夏に多いイメージですが、冬にも脱水は起こりやすいため注意が必要です。
そこで本記事では、「かくれ脱水」の症状や原因、対策方法について徹底解説していきます。
かくれ脱水とは
まずは、かくれ脱水が起こりやすい時期や症状について解説していきます。
1.脱水は夏だけではない!?
脱水は夏になりやすいイメージがあると思いますが、実は冬も脱水を起こしやすい季節なんです。
夏は汗をかきやすいため脱水になりやすいですが、冬は空気の湿度低下により呼気や皮膚から水分が蒸発しやすくなるため、かくれ脱水が起こりやすくなります。
室内の空気の乾燥要因のひとつに暖房があります。
ファンヒーターや石油ストーブは、温風とともに水蒸気が発生しますが、加湿機能がない暖房機器を使用すると空気中の水分が徐々に減少して乾燥します。
2.かくれ脱水の主な症状
かくれ脱水で起きている場合、以下のような症状があらわれます。
唇や皮膚の乾燥
吐き気
胃もたれ
立ちくらみ
集中力の低下
のどの渇き
頭痛
食欲不振
筋肉痛
足がつる など
上記の通り、かくれ脱水の症状は脳や消化器、筋肉にあらわれます。
つまり、かくれ脱水を予防するためには水分を全身に循環させることが大切なのです。
かくれ脱水に効果的なかんたん対策
かくれ脱水に効果的で、尚且つ簡単にできる対策を3つご紹介します。
家や仕事場など場所を問わずどこでもできますので、ぜひ取り入れてみてください。
1.時間を決めてこまめな水分補給
こまめな水分補給はかくれ脱水の予防に効果的です。
ただ「こまめ」と言われてもどのくらいの頻度で水分補給をすればいいのか悩みますよね。
そのような方は時間の間隔を決めると良いかと思います。
水分補給の必須のタイミングは、体内の水分が減少している起床後、スポーツ中とスポーツ後、入浴の前後があります。
追加で、毎食後や仕事中といったタイミングで水分を摂ったり、30分に1回など時間で区切ったりして水分を摂るようにすると良いでしょう。
水分補給は「のどが渇く前に水分を摂る」ことを意識するのがとても重要です。
ついつい集中すると水分補給を忘れてしまう方、水分補給の習慣がない方は時間やタイミングを意識しながら行ってみてください。
2.部屋の湿度は50~70%
冬にかくれ脱水を発症する原因は「空気の乾燥」ですので、加湿器などで部屋の湿度を50~70%程度に保つよう意識しましょう。
最近の加湿器は、水を入れたペットボトルを差し込んで使えるものや、卓上加湿器などコンパクトでリーズナブルな商品が登場しています。
加湿ができれば大型加湿器でなくても良いので、部屋の大きさや予算などに合わせて探してみましょう。
3.食事から水分を摂る
水分は食事から摂ることも大切です。
献立にお味噌汁やスープを取り入れたり、冬が旬で水分をたくさん含む大根などの野菜類を取り入れたりしましょう。
フルーツからも水分は摂れますが、果糖が含まれているため食べ過ぎには注意が必要です。
かくれ脱水対策には漢方薬での対策もおすすめ
かくれ脱水の対策には、漢方薬の併用もおすすめです。
脱水は、発汗過多以外にも体内の水分バランスの偏りや、水分を吸収し調整する胃腸の機能低下が原因と考えられています。
脱水対策には
「水分代謝を改善し、余分な脱水を防ぐ」
「胃腸の機能を回復し、水分の吸収を良くする」
「水の循環を良くし、体中に必要な水分を届ける」
などの働きのある生薬を含む漢方薬が用いられます。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、脱水になりにくいだけでなく、肌に潤いをあたえ、疲労やストレスに負けないカラダづくりを目指すことも可能です。
<冬のかくれ脱水対策におすすめの漢方薬>
●五苓散(ごれいさん)
胃腸の働きを高めるとともに、水の代謝をコントロールする働きを整えます。
下半身のむくみや、泌尿器系疾患に用いられます。
●潤腸湯(じゅんちょうとう)
便が硬く、便秘気味の方におすすめです。
乾燥により便が硬くなり過ぎないよう腸を潤おし、排便を促します。
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
カラダの水分代謝を整え、胃の中の余分な水を取り去り尿として排出することで、胃腸の働きを高めます。
むくみ、冷え症などに用いられます。
漢方薬の使用は体質に合っていることが前提です。
体質に合わないと副作用のリスクが高くなったり効果がみられなかったりします。
自分に合った漢方薬を知りたい方には、漢方のプロにオンラインで自分に合った漢方薬を提案してもらい、自宅まで郵送してくれる「あんしん漢方」などの便利なサービスもあります。
まとめ
いかがでしたか?
冬の「かくれ脱水」は、暖房の使用により部屋が乾燥すると起こりやすいです。
こまめな水分補給や部屋の湿度を高めるなどして対策をしていきましょう。
体質改善により根本から脱水になりにくいカラダ作りをしたいという方は、漢方薬の活用もおすすめですので、ぜひ検討してみてください。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
さらに、「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するYouTubeチャンネルでは、簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。