【医師監修】つらい低気圧頭痛を防ぐ方法や、なってしまった時の対処法を紹介

最終更新日:
【医師監修】つらい低気圧頭痛を防ぐ方法や、なってしまった時の対処法を紹介

なんだか頭痛がする…と感じた時に外を見てみると少し曇っていた、そんな経験がある人もいるのではないでしょうか。普段の生活と何も変わっていないのになぜか急に頭が痛い、という時に思い当たる原因がない場合は、もしかしたら低気圧や天気が関係しているかもしれません。

 

低気圧頭痛の場合、普段健康な人であっても、気圧や天気によって体の不調を感じることがあります。この記事では、低気圧頭痛について原因や防止策、低気圧頭痛になってしまった時の対処法をご紹介します。

低気圧頭痛が起こるのはなぜ?

低気圧頭痛が起こるのはなぜ?

低気圧頭痛は、気圧や天気の変化によって体の水分のバランスが乱れてしまい、体の中の水分が必要以上に多くなってしまうことが原因であると考えられています。体の中に必要以上に水分がたまってしまうと、血管が拡張したり、自律神経が乱れたりする原因となってしまいかねません。

 

血管が拡張するとそれに伴って神経を圧迫し、炎症を起こすことで頭痛が発生します。さらに、気圧の変化を耳の奥にある「内耳」という器官が察知し、その変化を通常の状態に戻そうと頑張るため、結果的に自律神経が乱れ、体のだるさやめまいなどを引き起こすこともあります。低気圧頭痛は気圧だけでなく天気が原因のこともあるため、「天気痛」「気象病」と呼ばれることもあります。

 

低気圧頭痛は年齢や性別に関係なく起こりますが、月経のある女性は特になりやすいといわれています。ホルモンバランスの変化に対応できるよう、自律神経が活発に働いているためです。

低気圧頭痛を防ぐためにしたいこと

前述のように、低気圧頭痛は気圧の変化に体が過剰に反応し、血管が拡張したり自律神経のバランスが乱れたりすることによって引き起こされます。そのため、普段からこれらに気をつけておくことが効果的な予防法といえます。ここでは、低気圧頭痛を防ぐためにしたい4つのことを紹介します。

耳の周りを温める

先ほど説明した通り、低気圧頭痛には、耳の奥にある内耳の気圧センサーが関係しているといわれています。そのため、普段からなるべく耳を冷やさないように気をつけておくことが大切です。

 

冬の季節は、イヤーマフや帽子などで寒さから身を守るようにしてください。

さらに、耳をマッサージして血行を良くするのもおすすめです。両耳を手でつまみ、上下左右に引っ張ったり回したりするだけでも構いません。耳たぶを餃子のようにたたんで手のひらで覆い、耳の周りの筋肉も一緒にぐるぐる回すとより効果的です。朝昼晩1回ずつ、まずは1週間程度続けてみてください。

運動する習慣をつけておく

低気圧頭痛を予防するには、普段から体に水分を過剰に溜め込まないようにしておくことが大切です。適度な運動をして質の良い汗をかく習慣を作っておくようにすると良いでしょう。激しい運動をする必要はなく、軽く息が弾む、じんわりと汗をかける程度の軽い運動で構いません。

 

水分を溜め込みにくい体を作るために、ストレッチ散歩などといった運動を家事や通勤など日常生活の何気ない行動の中に日常生活に取り入れてみてください。

体を冷えから守る

冷えも低気圧頭痛のもとといわれています。特に夏の時期は、冷たい飲み物やエアコンなどで体が冷えてしまいがちです。これらは低気圧頭痛を悪化させる原因となることがあります。

 

入浴時に湯船にしっかり浸かるようにしたり、軽い運動をして代謝を上げたりするなど、体を冷えから守り、温める習慣をつけてみてください。

白湯を飲んだり、足湯を利用するのも効果的です。

 

もっと簡単に体を温めたい方には、手のひらを温めて下さい。手のひらには、動脈と静脈をつなぐ「動静脈吻合」という非常に血流が豊富な場所があります。ここを温めると、温かい血液が体内を巡るため、効率よく体を温めることができます。

生活リズムを整える

昼夜逆転など、生活リズムが乱れると自律神経も乱れてしまう可能性があります。自律神経が乱れると交感神経が活発になりすぎてしまい、頭痛を誘発する原因となることがあります。自律神経を整えるコツは「日が昇って明るい時にしっかり活動し、朝食を中心にしっかり3食を食べ、暗くなったら寝る」といった、当たり前の生活習慣です。低気圧頭痛防ぐためには、規則正しい生活を続けることが大切です。

低気圧頭痛の対処法

低気圧頭痛の対処法

できるだけ予防しておきたい低気圧頭痛ですが、もし起こってしまった場合、少しでも和らげる方法を知っておくと有効です。ここでは、3つの対処法を紹介します。

カフェインを摂取する

カフェインには血管を収縮させる働きがあるため、頭痛に対して即効性があるといえます。コーヒーが苦手な方でも、カフェインを含んでいる緑茶や紅茶などで対処できますよ。好みに合わせてうまくカフェインを活用してみるといいでしょう。

 

ただし、カフェインは過剰摂取によりめまいや動悸、震え、吐き気、下痢といった体の症状や、不眠、不安、興奮といった精神症状を認める場合があります。コーヒーなら一日3杯程度にとどめておくことが無難です。また、妊婦さんや授乳中の方の場合、カフェインが胎児や赤ちゃんに悪影響を来す可能性がありますので、摂取にあたっては主治医の先生とよく相談をして下さい。

痛みに効くツボを刺激する

低気圧頭痛は、痛みに効くツボを刺激することで和らぐことがあります。ツボを押すだけですので、すぐに実践できる最も簡単な方法であるといえるでしょう。

 

一番お勧めのツボは、手首のしわの中央から指3本分、肘に向かったところにある「内関(ないかん)」です。めまいを伴う頭痛に有効なツボですので、低気圧に伴う頭痛に有効です。その他、目尻と眉尻の中間から少し耳側にある「太陽(たいよう)」というツボは目の周りの筋肉をほぐす効果があり、人差し指と親指がつながる場所から指側にある「合谷(ごうこく)」と呼ばれるツボは、頭痛や肩こりなどのトラブルに効果的とされています。

痛みに効くツボを刺激する

頭痛薬や漢方薬を服用する

頭痛薬や漢方薬を服用するのもひとつの方法です。頭痛が発生してからでは効果がないこともあるため、頭痛がきそうだと感じた時には先に服用するのが良いでしょう。

 

朝起きて、気圧や天気によって「今日は頭痛がきそうだな」と感じた時には、事前に頭痛薬を服用しても良いかもしれません。ただし、頭痛薬を飲み過ぎることによって起こる頭痛(薬物乱用頭痛)もあります。飲み続けることのリスクを考慮した上で服用するようにしてくださいね。

まとめ

今回は低気圧頭痛について、原因や予防法、対処法を解説しました。

 

普段から低気圧に負けない体を作ることも大切ですが、自分に合った対処法を知っておくことも重要です。症状を少しでも和らげるために予防に取り組みつつ、対処法もしっかりと理解しておきましょう。

 

どうしても症状が改善しない場合には、ひどくなる前に医療機関を受診するようにしてくださいね。

監修医師プロフィール

監修医師プロフィール

医療法人社団藤和会 あんどう内科クリニック院長

安藤大樹(あんどうだいき)

 

日本内科学会認定医

プライマリケア連合学会認定医・指導医・代議員

日本心療内科学会登録医

日本医師会認定産業医

 

藤田保健衛生大学(現藤田医科大学)卒業後、同大学病院研修を経て、同大学病院総合診療内科所属。2011-2015年にかけて同院最優秀指導医賞受賞。岐阜市民病院総合内科を経て現職。岐阜大学総合病態内科学非常勤講師、藤田医科大学救急総合内科客員講師、岐阜市民病院研修管理委員会外部委員。

 

『医療よろず相談所』をクリニックのコンセプトに掲げ、医療に関わるあらゆる問題に向き合う生粋のプライマリケア医。「プライマリケアは日本の医療を救う」と信じ、若手医師の教育も積極的に行っている。

 

医療法人社団藤和会 あんどう内科クリニック

andoc-clinic.com

掲載日:

CATEGORY