【管理栄養士執筆】みかんは体に良いってホント?健康効果や選び方、保存方法をご紹介

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【管理栄養士執筆】みかんは体に良いってホント?健康効果や選び方、保存方法をご紹介

私たち日本人にとって最も身近な果物といえば「みかん」ですよね。ナイフを使わなくてもいい手軽さと甘酸っぱさが人気のみかんですが、実は美容や健康に欠かせない栄養素がたっぷり詰まっています。

肌荒れや花粉症、免疫力アップなど、あまり知られていない健康効果も。この記事ではみかんの健康効果や選び方、おすすめの保存方法などについて解説します。

みかんの栄養素とうれしい健康効果とは?

みかんの栄養素とうれしい健康効果とは?

まずは、みかんに含まれる栄養素とその健康効果についてご紹介します。

シミのもとである”メラニン”を撃退「ビタミンC」

みかんやレモンといった柑橘系の果物には「ビタミンC」が豊富に含まれています。ビタミンCは肌や血管の老化を防ぐ働きがあり、アンチエイジングに効果的とされています。また、肌のハリやうるおいを保つために欠かせない「コラーゲン」の合成をサポートする働きもあります。

シミや日焼けにビタミンCが効くと聞いたことがある方は多いはず。ビタミンCは黒色の色素成分であるメラニンの生成を抑えてくれます。美白をキープしたい方は、積極的にみかんを食べるようにしましょう。

さらに、ビタミンCは体内に侵入した病原菌を退治する「白血球」の働きを強化してくれるので、風邪予防にも効果的です。

お腹の調子を整える「ペクチン」

みかんには食物繊維の一種「ペクチン」が豊富。ペクチンは善玉菌を増やして、腸の働きを整えてくれる効果があります。また、便のカサを増やして腸の動きを促してくれるので、便秘や下痢で悩んでいる方にぴったりです。

さらに脂質の消化吸収を助けたり、コレステロール値を下げたりする働きもあるので、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病予防にも効果的。糖分の吸収も抑えてくれるので、糖尿病の予防にも期待ができます。

ペクチンはみかんの薄皮や白い筋の部分に多く含まれているので、取り除かず一緒に食べるようにしましょう。

冷え性や肩こりの改善に「ヘスペリジン」

「ヘスペリジン」はみかんの薄皮や白い筋に含まれていて、動脈硬化や高血圧の予防に効果的です。肝機能を改善する働きもあるので、お酒をよく飲むという方はとくに摂取したい成分です。

また、血流を良くする効果もあるので、冷え性や肩こり、目の下のクマに悩んでいる方にもおすすめです。最近では、アレルギー反応による炎症を抑える作用も発見され、花粉症予防効果にも期待が高まっています。

免疫力アップ「βクリプトキサンチン」

「βクリプトキサンチン」はみかんのオレンジ色の色素成分で、がんや骨粗しょう症、リウマチ、糖尿病などさまざまな病気の予防に効果があると期待されています。ほかの果物にも含まれていますが、私たちがよく食べる温州みかんのβクリプトキサンチンの含有量は、果物の中でもトップクラス。温州みかん1個で1日に必要なβクリプトキサンチンを摂取できます。

また、この栄養素は美肌の維持にも効果的。肌のうるおいを保つヒアルロン酸を増やしたり、メラニン色素の生成や沈着を抑えたりする働きがあります。また、抗酸化作用もあるためシワの予防や肌のバリア機能を高める効果も期待できます。

おいしいみかんの選び方

せっかく食べるならおいしいミカンを選びたいですよね。みかんを買うときに見るポイントは次の3つです。

 

・キメの細かさ

・色の濃さ

・軸の細さ

 

みかんの皮にはオレンジ色のツブツブがいっぱいありますよね。そのツブツブが多いほど糖度が高いといわれています。みかんはもともとは緑色で、太陽を浴びて熟してくるとだんだんオレンジ色になっていきます。そのため、色が濃いものが熟している証拠。できるだけ濃いものを手に取るようにしましょう。

また、みかんのヘタの軸が太いものは水分が多く、糖分が少ない傾向にあります。細いものは水分が少なく味が濃いので、軸の細さもチェックしてみてください。

おいしさも栄養もキープ!みかんの保存方法

おいしさも栄養もキープ!みかんの保存方法

続いては、みかんの保存方法についてご紹介します。

5~15℃で保存

みかんの保存に最適な温度は5~15℃冬は常温で、それ以外の時期は野菜室で保存しましょう。野菜室に入れる場合は乾燥しないようにみかんを一つずつペーパーで包み、数個まとめてポリ袋に入れ、ヘタが下になるように野菜室で保存します。保存期間は約2週間です。

冬場は通気性のいいカゴにペーパーとみかんを交互に入れて、暖房が効いていない部屋に置いておきましょう。保存期間の目安は3週間です。

食べきれないときは冷凍がおすすめ

2~3週間で食べきれないときは冷凍保存がおすすめです。シャリシャリとした冷凍みかんは、アイス代わりに食べてもいいでしょう。そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトにのせたり、アイスティーに入れたりしてもおいしいですよ。

もし凍らせるのであれば、外側の皮を剥き、1個ずつラップで包んで保存袋に。ひと房ずつ分けるのではなく1個丸ごと冷凍した方が乾燥しにくく、みかんの風味もしっかり残ります。また、保存袋はチャック付きのものを使用して、しっかりと空気を抜いた後、口を閉じましょう。保存期間は1か月程度です。

まとめ

みかんには、シミや日焼けの予防、冷え性の改善、お通じ改善など、美容や健康に嬉しい効果がたくさんあります。薄皮や白い筋にも栄養がたっぷり詰まっているので、取り除かずそのまま食べるようにしてくださいね。みかんの栄養を無駄なく摂るためには、選び方や保存方法も重要です。今回ご紹介した方法を参考に、毎日の食生活にみかんを取り入れましょう。

執筆者プロフィール

安達春香

3年間栄養士として老人ホームや保育園で実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得。食品会社での研究開発に携わったことも。現在はフリーランスのWebライターとして、栄養に関する記事を専門に扱い、数多くのメディアにて執筆。難しく答えの出にくい栄養に関する知識をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。

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