【管理栄養士執筆】まだ早いって思ってない?認知症予防に効果的な栄養素とレシピを紹介
年齢とともに意識しはじめるアンチエイジング。アンチエイジングというとシミやシワといったお肌のケアをイメージする方も多いと思いますが、脳のケアも重要です。「認知症予防なんてまだ早い」と思われがちですが、認知症の中には20代~30代ごろからゆっくり進行する場合もあるんです。
認知症は根本的な治療方法がないため、いまのうちから対策しておく必要があります。そこで今回は、認知症対策に効果的な栄養素とおすすめレシピをご紹介します。未来の自分のために食生活を改善して、脳の老化を予防しましょう。
認知症予防に効果的な栄養素3選
認知症は生活習慣を整えることで、リスクが軽減できるといわれています。高齢者になってから対策をするのではなく、いまのうちから食習慣を変えていきましょう。ここでは、認知症予防に効果的な栄養素を3つご紹介します。
魚を食べると頭がよくなる!?「DHA・EPA」
魚に含まれるDHA・EPAには認知機能の低下を防ぐ働きがあります。私たちの脳は30歳代くらいから少しずつ小さくなっていきますが、魚を食べることで萎縮を予防できるとされています。
65歳以上の方の食生活を9年間記録して脳のスキャンを撮ったところ、焼き魚を週一回食べているという方は記憶をつかさどるエリアが4.3%、認知機能のエリアが14%大きかったという研究結果があります。
DHA・EPAはサバやサーモン、イワシ、アジなどの青魚に多く含まれています。最近は肉を食べることが増え、魚の摂取量が減ってきているので、積極的に食べるようにしましょう。
脳のゴミのお掃除係!「ビタミンB群」
脳機能を劣化させる原因となるのが、脳にたまったゴミ。このゴミが多いと、脳が萎縮して認知機能が落ちてしまうんです。ビタミンB群は脳のお掃除係の役割があり、しっかり摂ると認知症のリスクを軽減できます。
ある研究では、ビタミンB不足の女性にビタミンB6、B12を飲んでもらったところ、脳機能が改善しました。ビタミンB群の中でもとくに有効なのがビタミンB6とB12、葉酸です。ビタミンB群が豊富なレバーやカツオ、アーモンド、モロヘイヤを食べるのがおすすめです。
酸化ダメージを防ぐ!「ポリフェノール」
ポリフェノールとは色の濃い野菜や果物に多く含まれている苦み成分や色素成分のこと。たとえばブルーベリーの紫色の色素「アントシアニン」や緑茶の「カテキン」などが該当します。ポリフェノールには酸化によるダメージから、脳細胞を守る働きがあります。
また、ポリフェノールにはアルツハイマー病の原因となる物質を減らす効果も。野菜や果物のほか、コーヒーや紅茶、チョコレートにも含まれているので、いろいろな食材をバランスよく食べるようにしましょう。アンチエイジングにも効果的なので、美肌と認知症予防を同時にできますよ。
認知症予防に役立つレシピ
続いては認知症予防に効果的なレシピをご紹介します。
サーモンユッケ
DHA・EPAは加熱すると少なくなってしまうので、生で食べるのがおすすめ。脂がのったサーモンに、コチュジャンだれを混ぜたユッケは、ご飯にもお酒にも合う一品です。火を使わずに作れるので、忙しいときにぴったりです。
材料(2人前)
・サーモン(刺身用)……120g
・青ねぎ……1本
・卵黄……1個分
(A)
・しょうゆ……小さじ1と1/2
・ごま油……小さじ1と1/2
・コチュジャン……小さじ2
・にんにく……小さじ1/3
・白いりごま……小さじ1/2
作り方
1.サーモンは5mm角の棒状に切ります。青ねぎは小口切りにしておきましょう。
2.ボウルに(A)を入れてよく混ぜ合わせ、サーモンを加えてたれを絡めます。
3.器に盛り付けて中央に卵黄をのせ、青ねぎを散らせば完成です。
レバーの旨辛炒め
レバーは、認知症予防に効果的なビタミンB群がたっぷり含まれている優秀な食べ物です。あまり食べない方も多いと思いますが、レパートリーに入れてみてください。レバーの中でも鶏レバーは比較的食べやすいのでおすすめです。
材料(2人前)
・鶏レバー……200g
(下味)
・しょうゆ、こしょう……各少々
・片栗粉……適量
・長ねぎ……1本
・セロリ……1本
・しょうが……1片
・にんにく……1片
・赤唐辛子……2本
・豆板醤……大さじ1/2
・サラダ油……大さじ1
・しょうゆ……大さじ1/2
・酒……大さじ1
作り方
1.長ねぎとセロリは斜め薄切りに、しょうがは細切り、にんにくは薄切りにします。赤唐辛子は種を取って小口切りにしておきましょう。
2.レバーは氷水につけて血抜きをし、キッチンペーパーで拭き取って薄切りにします。しょうゆとこしょう少々で下味をつけ、片栗粉をまぶします。
3.フライパンに半量のサラダ油を熱し、長ねぎとセロリを炒めまて一度取り出しておきます。
4.同じフライパンに残りのサラダ油を足し、赤唐辛子とレバーを炒め、火が通ったらしょうがとにんにくを加えてさらに炒めます。
5.豆板醤と3を戻して炒め合わせ、酒としょうゆを加えてサッと炒めます。
なすのサッパリ焼きびたし
なすにはポリフェノールの一種「ナスニン」が豊富。ポン酢を使った焼きびたしは、シンプルだからこそなすの旨味をしっかり味わえるレシピです。アツアツのうちにいただくのはもちろん、冷蔵庫で冷しておくと、暑くて食欲がない日でもペロッと食べられますよ。
材料(2人前)
・なす……4本
・ごま油……大さじ1
・ポン酢……1/2カップ
・水……1/2カップ
・しょうがチューブ……適量
・青ねぎ……適量
・かつお節……1パック
作り方
1.青ねぎは小口切りに、なすは縦半分に切って皮に切り込みを入れます。
2.フライパンにごま油を引いて熱し、なすを皮面から焼きます。2分経ったらひっくり返し、さらに2分焼きましょう。
3.ポン酢と水を入れてフタをし、煮立ったら中火にして5分煮込みます。
4、お皿に盛り付けて青ねぎとしょうが、かつお節をのせたら完成です。
まとめ
認知症予防には、毎日の食生活を整えることが大切。年を重ねてから慌てて対策するよりも、いまのうちから備えておくのがおすすめです。DHA・EPAやビタミンB群、ポリフェノールなど、脳機能を高める栄養素をバランスよく取り入れましょう。
執筆者プロフィール
安達春香
3年間栄養士として老人ホームや保育園で実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得。食品会社での研究開発に携わったことも。現在はフリーランスのWebライターとして、栄養に関する記事を専門に扱い、数多くのメディアにて執筆。難しく答えの出にくい栄養に関する知識をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。