【医師監修】セックスが原因で膀胱炎になる？！その理由と膀胱炎の予防方法など

RELATIONSHIP - 人間関係 -

2022.06.21

最終更新日：2024.04.12

女性に多いといわれる膀胱炎ですが、セックスが原因で引き起こされる可能性があるのをご存知でしょうか。

膀胱炎の知識が不足していたり、セックス前後のケアを怠ったりしていると、セックスが原因で膀胱炎になってしまい、ひどいときには重症化することもあります。

この記事では、セックスが原因で起こる膀胱炎のメカニズムや予防方法、万が一のときのための対処法についてまとめました。膀胱炎にならないように正しい情報を知っておきましょう。

INDEX

セックスすると膀胱炎になりやすい？その原因は

下腹部が気持ち悪く感じたり、トイレに行った後も残尿感があったりする症状を膀胱炎といいます。特に女性に多いといわれる膀胱炎について知っておきましょう。

20〜30代の女性に多い！急性膀胱炎

膀胱炎の中でも排尿後に痛みを感じたり残尿感があったりする症状を、急性膀胱炎といいます。急性膀胱炎は20〜30代の女性、もしくは閉経前後の中高年の女性に多いといわれる病気です。

女性に多い理由はトイレを我慢しがちな傾向にあること、また20〜30代に多いのは性生活がさかんな時期のためセックスが原因で膀胱炎が引き起こされることといわれています。セックスによって皮膚の常在菌が膀胱に押し込まれてしまい、膀胱内で炎症を起こしてしまうと、膀胱炎を発症します。

なぜ女性に多い？

なぜセックスが原因の膀胱炎が女性に多いのかというと、男女で尿道の長さが異なるからです。男性の尿道は約20㎝あるのに対し、女性の尿道はわずか4㎝しかありません。尿道口と膀胱が近いため、皮膚の常在菌（主に大腸菌）が膀胱に入りやすく、結果的に膀胱炎になりやすくなっているのです。

また、結婚によって環境が変わると膀胱炎になることもあります。新婚膀胱炎あるいはハネムーン膀胱炎ともいわれ、たいていの場合はそのうち抵抗力ができて膀胱炎にはなりにくくなります。

膀胱炎は放置すると重症化することも

膀胱炎を治療せずに放置していくと、膀胱にたまった細菌が腎臓まで上昇し、「腎盂腎炎（じんうじんえん）」を引き起こす可能性があります。腎盂腎炎は発熱、倦怠感、嘔吐、背中の痛みなどの症状が見られ、重症化することもあります。

セックス後の膀胱炎を防ぐには？

セックスの後に膀胱炎になるのを防ぐ方法をご紹介します。膀胱炎そのものを防ぐにはトイレを我慢しないことが一番ですが、セックス後の膀胱炎を防ぐには前後のケアが重要です。

セックス後はすぐ排尿する

セックスした後は、必ず排尿するようにしましょう。膀胱炎の原因は尿道にたまっている細菌が膀胱に入り込むことなので、排尿することで尿と一緒に細菌を出すことができ膀胱炎の予防につながります。

尿意がない場合は水分をとり、積極的に排尿するようにしましょう。セックス後10分以内に排尿するのが理想的です。

セックス前後のケア

セックス前後はシャワーを浴びて、デリケートゾーンについている細菌を洗い流すようにしましょう。特にセックス前は男性もきちんと細菌を洗い流すことが重要です。ただしデリケートゾーンには自浄作用もあるので、中まで洗わず外側だけを洗うようにします。

また、セックス後は裸のまま寝てしまう人も多いかもしれませんが、体を冷やすと免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。セックスした後はシャワーを浴びて、服を着てから寝るようにしましょう。

体調が悪いときは控える

体調が悪いときにセックスすると、体の免疫力が低下してしまいます。通常より膀胱炎にかかりやすくなるため、体調が悪いときはセックスを控えるようにしましょう。

セックスで膀胱炎になってしまったら

どんなに気をつけていても、セックスで膀胱炎になってしまう可能性はあります。セックスで膀胱炎になってしまったときの対処法を知っておきましょう。

膀胱炎のサインに気づいたら病院へ

女性は体の構造上、膀胱炎とは切っても切れない関係にあります。膀胱炎のサインに気づいたら、我慢せずにすぐに病院に行って医師の診断を受けるようにしましょう。3時間おきにトイレに行く程度は普通ですが、トイレに行ったばかりなのにすぐに行きたくなったり、排尿時に痛みを感じたり、下腹部に嫌な痛みを感じたりするときは、膀胱炎のサインです。

薬を処方してもらったら、水分を十分にとって体を温めれば治りが早くなるといわれています。症状が改善しても、再度尿検査して結果が正常になるのを確認しましょう。症状がよくなると自己判断で薬を飲むのをやめてしまい、膀胱炎が再発してしまう事例が多いようです。

症状が改善しても医師の指示にしたがって正しく薬を飲み、体を安静にしてしっかりと治すことが重要です。