座りっぱなしで寿命が縮まる?!デスクワーク時の下半身の血流アップ法と座りながらできる脚トレをご紹介
現代人の多くは、一日のほとんどを座って過ごしています。
特にデスクワークが中心のお仕事の方の場合、「寝ている時と通勤しているとき以外はほとんど座っている」というパターンも少なくないのではないでしょうか?
しかし、デスクワークは私たちが思っている以上に健康に悪影響を与えます。
心と身体にさまざまな不調が起こりやすくなり、なんと寿命まで短くなると言われているんです!
少しでもデスクワークによる弊害を減らすためには、毎日のちょっとした工夫が必要。
そこで本日は、デスクワーク時にできる下半身の血流アップ方法や、座りながらできる脚トレ方法をご紹介してまいります。
「座りっぱなし」が心と身体を蝕む?
デスクワークなど、座って生活することが多い現代人。
特に日本人は座っている時間が長いとされていて、オーストラリアの研究機関で行われたとある調査では、なんと20ヶ国の中で最も座位時間が長いという結果に※1。
座りっぱなしによる弊害は、ただ「運動不足になる」といった単純なことだけではありません。
座りっぱなしだと肥満になりやすいのはもちろんのこと、なんと2型糖尿病や心臓病の罹患リスクや高まり、さらには寿命まで短くなるとさえ言われているのです。
また、メンタルへの悪影響も大きいと考えられています。
一説によると、1時間座り続けるとなんと22分寿命が短くなる、とも。
とても恐ろしいですよね。
2021年にWHOによって出された「WHO身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)」によると、座りっぱなしで過ごす時間をできる限り減らし、少なくとも週に150~300分ほどの中強度の有酸素運動と、週に2日の筋トレをすることが推奨されています。
座って生活することが当たり前になってしまった現代人にとっては、なかなか厳しい目標かもしれませんね。
※1 bauman et al.am j prev med 2011
デスクワークはなぜ健康に悪い?
とはいえ、なぜデスクワークはここまで健康に悪影響を及ぼすのでしょうか?
その大きな理由のひとつが、「血流が悪くなるから」です。
人間の体の筋肉のうち、約70%は下半身に集中しています。
特にふくらはぎは「第二の心臓」とも言われており、立ったり歩いたりして積極的に動かすことで血液を心臓に押し戻すポンプとしての役割がありますが、ずっと座りっぱなしで足の筋肉を使わないでいるとこの機能がはたらきません。
また、ずっと座っているということはお尻付近に常に体重がかかっているため、うっ血したような状態になって血行が悪くなってしまうのです。
血流が悪くなると代謝機能、免疫機能が衰え、さらにメンタルが落ち込みやすくなったり、病気にかかりやすくなったりしてしまうのです。
もちろん、美容に良くないのは言うまでもありません。
オフィスで出来るおすすめの血流アップ法
「いくら座りっぱなしが健康に悪いとは言っても、デスクワークの仕事だから座らざるを得ない」、そんな方も多いかと思います。
ここからは、そんな方必見!
デスクワークをしながら、ちょっとした工夫で下半身の血流をアップする方法をご紹介します。
どれも今すぐ取り入れられるものばかりなので、ぜひトライしてみてくださいね。
(1)椅子にゲルクッションを敷く
下半身の血流が低下してしまう原因のひとつとして、「お尻周りを圧迫することによるうっ血」が挙げられます。
上半身の体重が常にお尻にのしかかるわけなので、血流が悪化してしまうのも想像に難くないですよね。
これを防ぐためにおすすめなのが「クッション」。
ただのクッションではなく、体圧を分散する効果があるクッションを選ぶようにしましょう。
最近は、ハニカム構造になっているゲルタイプのクッションが流行っています。
クッションを使わないとおしりに不均等に圧力がかかるため血流が滞りやすくなりますが、こういったゲルクッションを使うことでお尻全体に圧力が均等にかかるため、正常な血流を促すことができるのです。
これを敷くかどうかでおしり周りの疲れ具合も全然違うので、ぜひ試してみてくださいね。
(2)30分に一回は席を立って歩く
座りっぱなしによる弊害を減らす究極の方法、それは「立つこと」です。
とんちのように聞こえてしまうかもしれませんが、やはりこれが一番効果的なのです。
30分に一回程度、少なくとも1時間に1回は、水を飲みに行ったりお手洗いにいったり、コピーを取りに行ったりと、なにかしらの「立つ用事」作ってみてください。
ほんの少し歩くだけでも血行の促進を期待することができます。
さらにそのまま5~6回スクワットをしてみたり、階段を昇り降りしてみたりすることができればなお良いでしょう。
「忙しくて頻繁に歩くことはできない」という場合は、その場で一瞬立ち上がるだけでもOK。
1分でも座っている時間を短くしよう、という意識が大切です。
(3)休憩時間は外へ出かける
普段、休憩時間はオフィスでランチを食べていますか?
休憩時間は、自由に歩くことができる唯一のチャンスなので、もし可能でしたら「外へ出かける」ことがおすすめです。
外食に行くのでもOKですし、お弁当を持ってきているのなら近くの公園まで行って食べるのもOKです。
オフィスでランチを食べたあと、散歩するというのも良いかもしれません。
時間が許す範囲で、できるだけ遠くに足を運んでみましょう。
休憩時間にしっかりと足を動かすことで、業務中にうっ血した血が全身に流れやすくなりますよ。
(4)スタンディングデスクを取り入れる
最近は立ちながら業務をすることができる「スタンディングデスク」を取り入れている企業も少しずつ増えてきましたね。
もしスタンディングデスクが利用できる環境でしたら、積極的に使うようにしましょう。
会社にスタンディングデスクがないようでしたら、取り入れてみるよう提案してみるのも良いかもしれません。
リモートワークの方は比較的トライしやすいですね。
ぜひ自宅にスタンディングデスクを置き、立って作業ができる環境を整えてみましょう。
もしこれが実現できれば、「座りっぱなし問題」をまるごと解決することができます。
(5)足踏み機能付きフットレストを置く
また、座りながらこっそり運動をする方法もあります。
それが「足踏み機能付きのフットレスト」。
ペダルがついていて、踏み込むことができるフットレストが多くの会社から発売されています。
そういったフットレストを足元に置き、作業をしながら足踏みをすることで周りにバレずに足の運動をすることができます。
フットレストがあると、足がしっかりとつくため太ももへの圧迫を軽減する効果や、姿勢が整いやすくなるという効果もあります。
さまざまな商品が売られているので、ご自身の好みにあうものを探してみましょう。
(6)座りながら下半身トレーニングをする
最後におすすめしたいのが、「座りながら下半身トレーニングをする」ということ。
できれば30分ごとに立ち上がってスクワット等の半身トレーニングをすることが理想的ですが、なかなか周りの目が気になってそうもいかない・・・という場合もあるかもしれません。
そんな方におすすめなのが、ながら筋トレ。
業務をしながらデスクの下でこっそりと下半身をトレーニングすることができるので、周りの目を気にする必要もありません。
次の章で、具体的なトレーニング方法を解説していきたいと思います。
座りながらこっそりできる下半身トレーニング3選
ということでここからは、座りながらできる下半身トレーニングをご紹介します。
見た目は地味ですが、運動効果は抜群!!
座りっぱなしで運動不足になった下半身によく効きます。
決して無理せず、ご自身の体調に合わせて行ってくださいね。
痛みを感じたら直ちに中止してください。
(1)ももあげ運動
まずひとつ目は、「ももあげ運動」。
腰から太ももにかけての筋力を鍛えることができます。
1.椅子に座り、背中は背もたれから離します。
2.右ももをデスクの下に当たるまで持ち上げます。
3.その状態を約10秒間キープ。
4.そっと元に戻します。
5.左ももをデスクの下に当たるまで持ち上げます。
6.その状態を約10秒間キープします。
7.そっと元に戻します。
8.1~7を3回繰り返します。
(2)ひざのばし運動
続いては、「ひざのばし運動」。
見た目はシンプルですが、腹直筋下部から大腿四頭筋にかけての筋力を効果的に鍛えることができます。
1.背筋を伸ばして椅子に座り、座面の端を両手でしっかりと握ります。
2.膝を伸ばし、その状態でデスクの下に当たるまで持ち上げます。
3.その状態を10秒キープします。
4.つま先をピンと伸ばしたり、上にむけたりを交互に行うと効果的です。
5.ゆっくりと元に戻します。
6.1~4を3回繰り返します。
(3)つまさきあげ運動
最後は「つまさきあげ運動」。
1.背筋を伸ばして椅子に座ります。
2.かかとを地面につけたまま、両足のつま先をゆっくり持ち上げます。
3.限界まで持ち上げたら5秒キープします。
4.ゆっくりと元に戻します。
5.1~4を5回繰り返します。
どれも周りにバレないくらい静かな動きなのですが、実際にやってみると意外と筋肉に効いているのがわかります。
デスクの下でこまめに下半身の筋トレを行うことで、座りっぱなしによる血行不良を防ぐことができるのでぜひお試しくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日はデスクワーク時におすすめの血流アップ方法をご紹介しました。
「座りっぱなし」は私たちが思っている以上に健康に対して有害。
そうはいっても、お仕事をするために一日中座らざるを得ない・・・という方も多いかもしれません。
ちょっとした工夫を取り入れるだけで座位による弊害は大幅に減らすことができるので、本日ご紹介した方法をぜひ取り入れてみてくださいね。