私たちの生活に欠かせなくいスマートフォンがもたらす危険性とセキュリティ対策の重要性
2018年に公開された映画『スマホを落としただけなのに』
公開されるやいなや、スマホ世代の圧倒的な支持を集め、新たなSNSミステリーとして社会現象を巻き起こしました。
そして、今年2020年にはその続編となる『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が公開されています。
私たちの生活の一部となっているスマホには、他人に知られたら困る情報や悪用される可能性のある個人情報などがデータとしてたくさん蓄積されています。
にもかかわらず、私たちのスマホの使い方に対する危機感があまり足りないように感じてしまいます。
パスワードをかけているから大丈夫!
自分しか使わないから大丈夫!
その「大丈夫」、本当に大丈夫でしょうか?
スマートフォンを取り巻く現状
1985年にバッテリーやアンテナを含めた携帯電話が誕生して以降、通信システムやモバイル機器の進化によって、現在では片手で世界に大量の情報を発信できる「5G時代」に突入しようとしています。
この35年の月日で私たちの環境は大きく変わり、スマホが手放せない存在になりました。
米国では、人が何らかの形でスマホを含む携帯電話を利用する回数が、1日平均110回にものぼると発表しており、有力調査機関であるPew Research Centerによると、40代以下の8割の人はベッドサイドにスマホを置き、4割の人がトイレの中でもスマホをチェックしていることを明らかにしました。
さらには、シャワーを浴びているとき(12%)、セックスをしているとき(20%)にもスマホを手放せないなんて人もいると言います。
異常事態ともいえるこの時代…。
そんな中、スマホの使い方や危険性が問題になっています。
そこで今回は、スマホの危険性と正しい使い方について、「リスク」と「対策」の観点から見ていきたいと思います。
あなたの使ってるアプリは大丈夫?
スマホを使う上で欠かすことのできない「アプリ」ですが…
マイクロトレンド社によると、アンドロイド向け不正アプリの数は、実に260万種類ともいわれており、2013年から2014年にかけてその数は3倍にもなったといわれています。
そして不正アプリによるトラブルとして多いのが、「ウイルスの感染による情報の盗難」です。
実際に存在するアプリとそっくりのものに見せかけたり、閲覧しているサイトに広告として現れることもあります。
これらのアプリをダウンロードしてしまうと、スマホに入っている情報を盗まれる可能性があります。
このようなことを防ぐために、私たちが気を付けておきたいのは以下の4つ。
◎アプリを入手する際は、Google PlayやApple Storeなどの事業者の提供する公式ストアなど信頼できることろからインストールしましょう。
◎アプリのインストールの前に、インターネットでアプリの開発元や口コミ、評判などをチェックしておきましょう。
◎万が一のために、スマホに不正アプリを検知・ブロックしてくれるセキュリティアプリを入れておくのもおすすめです。
◎OSやアプリの更新をこまめに行い、セキュリティの穴(脆弱性)を防ぐことで、普段からウイルスの侵入や情報漏洩のきっかけにならないようにしておきましょう。
そのFREE Wi-Fi本当に大丈夫?
今や街のあらゆる場所で使うことのできる「FREE Wi-Fi」
通信制限にかかってしまったときや、電波が悪くて画像や動画が読み込めないときなど、救われた人も多いのではないでしょうか?
最近では、カフェやレストランなどの飲食店、駅などをはじめとするさまざまな場所でFREE Wi-Fiが導入されています。
しかし、そんなFREE Wi-Fiにも危険は潜んでいます。
実は、FREE Wi-Fiの中にはセキュリティを重視していないものもあり、情報を盗まれたり、不正サイトに誘導されたりする可能性があります。
また、Wi-Fiの自動接続機能がオンになっている場合、一度繋いだことのあるWi-Fiスポットと同じ名前のスポットに勝手に接続をしてしまいます。
しっかりとパスワード管理された職場や自宅のWi-Fiであれば問題ありませんが、FREE Wi-Fiの場合は注意が必要です。
そこで、私たちが気を付けたいのは以下の4つ。
◎自分が契約中の事業者(キャリア)が提供しているものをはじめ、信頼できるFREE Wi-Fiを使用するようにしましょう。
◎FREE Wi-Fiを利用するときには、セキュリティアプリや通信を暗号化してくれるVPNアプリなどを利用することで、セキュリティを強化するのも有効です。
◎一時利用のFREE Wi-Fiにはむやみやたらと接続せずに、利用が終わったら接続設定の削除を行い、Wi-Fiスポットを管理しましょう。
◎お店や契約中の事業者のものではないと思われる不審なIDのFREE Wi-Fiには接続しないようにしましょう。
スマホを落としてしまった、さてどうする?
いつも欠かさず持ち歩いているスマホだからこそ、ふとしたときに落としてしまったり、なくしてしまったりする危険性も高くなっています。
そんなとき、あなたはどのように対処しますか?
スマホをなくなってしまったとき、その被害を最小限にとどめるために事前にやっておきたいことがあります。
◎必要な情報のバックアップ
思い出の写真や動画、メッセージアプリの履歴など定期的にバックアップしておきましょう。
万が一、スマホをなくしてしまったとしても、バックアップをしていればデータを完全に失うことはありません。
◎位置情報を[オン]にしておく
紛失した際に、位置情報をオンにしておくとスマホがどこにあるのかがわかります。
場所さえ分かれば、慌てずに対応することができますね。
◎画面ロックを設定し、わかりやすいパスワードは避ける
今では指紋認証や顔認証といった優れた機能もありますが、仮にスマホを拾った人が中身を覗くことができないよう画面ロックをかけるだけでなく、そのパスワードも工夫するようにしましょう。
ここからは効果的なパスワードの設定の仕方についてご紹介いたします。
~パスワードの設定方法~
世の中に溢れかえるパスワード…
みなさんは普段どのようにパスワードを決めていますか?
・生年月日?
・記念日?
・車のナンバー?
・ラッキーナンバー?
結局は複雑なものよりも自分の覚えやすいパスワードを設定してしまっているという人がほとんどではないでしょうか?
しかし、これらの個人情報をもとにしたパスワードは見破られやすく、安全なパスワードとは言えません。
そこで、「パスワードの設定方法」について解説していきたいと思います。
まずは、安全性が損なわれる可能性のあるパスワードについて。
1.個人情報から推測できるもの
先ほど例に挙げたような生年月日、記念日、車のナンバーなどです。
他にも、住所や電話番号、郵便番号なども避けた方が良いでしょう。
2.簡単な単語を使ったもの
「happy」や「hello」、「password」など、誰でもスペルが思いつきやすい簡単な単語は避けましょう。
特に「password」以外にも、代替えの記号や数字を使った「pa$$word」や「passw0rd」も、「abc123」や「!”#$%(Shiftキー+ 12345)」なんかも意外とリスクが高いと言われています。
3.小文字の実のアルファベットを使ったもの
Bloomberg Businessweekによると、アルファベット小文字のみの6桁のパスワードは10分、大文字との組み合わせは10時間、数字と特殊文字の組み合わせは18日でランダムな推測によるハッキングが可能であると発表しており、組み合わせの数が多い、大文字や特殊文字を入れたパスワードの方が、安全性が高いのは明らかです。
4.同じパスワードを使いまわしたもの
どんなに難解なパスワードを作っても、どこのパスワードにも同じパスワードを使っていれば、意味がありません。
一度見破られれば、その被害は拡大していく一方です。
5.短すぎるパスワード
6桁程度のパスワードを設定する人が多いかもしれませんが、時代とともにハッキングの技術も向上しています。
8桁は最低限必要な桁数であり、安全面を考えるならば10~12桁程度は欲しいところです。
以上が見破られるリスクの高いパスワードです。
これらを踏まえたうえで、安全性の高いパスワードの作り方を見ていきましょう。
1.好きな文章または、固有名詞をつくる
好きな文章の場合は、英語でも日本語でも構いません。
日本語)私の趣味は音楽を聴くことです。
→Watasi no Syumi ha Ongaku wo Kikukotodesu. (ローマ字)
→My hobby is listening to music.(英語)
これらの分の頭文字をとります。
→WnShOwK
→Mhiltm
この頭文字を並べたものを基準にパスワードを作ることができます。
固有名詞の場合は、好きなアーティストや歴史上の人物、好きな本の題名など、なんでも構いません。
日本語)好きな本の題名=桃太郎
→Momotaro
2.1で作った文字の並びの一部を記号に置き換える
以下は、置き換えやすい単語の一部です。
S → $
A → @
O → 0(ゼロ)
Z → 2
W → 3(Wを左に回転させると3のようになるため)
b → 6
i → !
l (小文字のL)→1
q → 9または?
p →.(ピリオド)または +(プラス)
c または k→,(カンマ)
このように、先ほどの文字の並びを複雑にしていきます。
3.好きな数字を単語の間や両端に配置する
はじめに紹介した「桃太郎」を例に考えると、以下のようになります。
Momotaro → M0m0t@r0 → M0m0t@r0 → 4M0m07t@r09
このパスワードであれば、パッと見では「4M0m07t@r09」何を表したものなのか推測することすらできません。
また、桁数も11文字なので、安全性もかなり高いと考えられます。
試しに「kaspersky」というサイトでパスワードチェックを行ってみました。
このように、今回私が考えたパスワードを解読するためには33年かかる(月と地球を徒歩で1往復できる)ようなので、安全性はご想像の通りとなります。
今回は、文章や単語をもとに、置き換えや数字のランダム配置によってパスワードを作りましたが、逆から配置してみたり、好きなものではなくあえて嫌いなものをもとに文章や単語を作ってみるのもいいかもしれません。
ここまで本格的なパスワードにもなると、覚えたり管理するのが大変になるかと思いますが、安心には変えられません。
ぜひこれを機にパスワードの見直しをしてみてください!
まとめ
いかがでしたしょうか?
本日は「スマホの危険性」について見てまいりました。
みなさんが今まで行っていたセキュリティ対策は万全でしたか?
今ではスマホは連絡手段の域を超え、ネットショッピング、店舗でのお会計、公共交通機関の利用など、私たちの生活に欠かせないものとなっております。
だからこそ、個人情報を盗まれたり、不正アクセスを防ぐためにもスマホのリスクを知ったうえで、しっかりと対策を行っていきましょう。