膣カンジダの原因とは?対策やおすすめの食材、避けたい食材もご紹介
膣カンジダは、すべての女性に発症する可能性のある病気です。ただ、デリケートゾーンの違和感や異変はなかなか打ち明けにくく、周りに相談できずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、膣カンジダの主な症状や原因、対策法、そして膣カンジダを防ぐために積極的に摂りたい栄養素や食材をご紹介します。
膣カンジダを治すには、病気に対する正しい理解と適切な対策が大切です。ひとりで悩まず、生活を改善しながら完治を目指しましょう。
【膣カンジダ】女性の2割が発症⁉主な症状と原因・対策法を解説
膣カンジダ症とは、膣内のカンジダ菌が増殖することによって炎症が起きた状態を指します。
女性の5人に1人は一生のうちに1回は経験するとされる、決して珍しくない病気です。
カンジダ菌は、皮膚や口の中、粘膜、腸などの消化管に存在する真菌(カビ)の一種で、膣内にも存在します。
健康な人の体内にも必ず存在する常在菌であり、健康体であれば体内に悪影響を与えることはありません。
膣内は通常、乳酸菌の一種であるデーデルライン桿菌(かんきん)で守られています。しかし、デーデルライン桿菌は、免疫機能の低下などによって減少しやすい細菌。
膣を守っていた菌が失われることでカンジダ菌が異常に繁殖し、膣内のバランスが崩れ、膣カンジダを発症するといわれています。
膣カンジダ特有の症状
膣のかゆみやおりものの異常などが膣カンジダの症状として知られていますが、特有の症状はほかにもあります。
・膣・膣周辺・外陰部のかゆみ
・おりものの変化(粘性がある・カッテージチーズ状になる・量が増える)
・膣・膣周辺の発疹や熱感
・膣や外陰部に白い海苔のようなものが付く
・排尿時の痛み
・性交痛 など
自然治癒することもありますが、上記のような変化を実感した場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
膣カンジダの原因
主な発症原因は、ウイルスや細菌などから体を守り病気を防ぐ免疫機能の低下です。免疫力が下がることで細菌に対する抵抗力が弱まり、常在菌であるカンジダ菌が膣内で増え、炎症が起こります。
このほか、以下のような体の変化や生活の乱れもカンジダ菌増殖の原因と考えられています。
・生理前後、妊娠・出産によるホルモンバランスの変化
・抗生物質の使用
・デリケートゾーンの洗浄のしすぎ
・糖尿病
・食生活の乱れ
カンジダ菌は、高温多湿を好むため、デリケートゾーンがムレやすい状態は、カンジダ菌にとって絶好の繁殖チャンス。しかし、清潔にしようと洗いすぎると、今度は必要な常在菌までも流してしまいます。
また、カンジダ菌は糖質を好むため、炭水化物や糖類の多い食生活によって発症リスクが高まるといわれています。腸内環境の悪化も常在菌のバランスが乱れる原因となりカンジダの増殖につながるため、食事の見直しも重要です。
生活の見直しで完治を目指そう!膣カンジダ対策6選
膣カンジダは、正しい治療を行うことで、約90%の方が初回治療で治せる病気です。一方、再発のリスクが高く、完治した方の2人に1人は再発を繰り返すともいわれています。
膣カンジダを発症・再発させないために、有効な対策について把握しておきましょう。
免疫機能アップ
免疫機能の低下には、ストレスや疲労の蓄積、睡眠不足などの、日常生活で起こりうるさまざまな心身への負担が影響しています。特にストレス過多の状態は、酸性に保たれた膣内のpH値を乱し、カンジダ菌が繁殖しやすい状態を作り出すことにもつながります。
放っておけば、カンジダ菌の居心地の良い環境を自ら整えてしまっているようなもの。適度な運動や入浴、質の良い睡眠を心がけ、心と体両方の健康を保ちましょう。
また、常に「笑顔」でいることで副交感神経が優位になりやすくなり、免疫力アップにつながります。趣味に没頭したり、気の合う友人との会話を楽しんだりしながら、笑顔でストレスを溜め込まない毎日を過ごしたいですね。
下着・衣服のサイズの見直し
高温多湿を好むカンジダ菌の増殖を防ぐためには、膣やその周りの通気性を保つことが大切です。
下着は、通気性の良いコットン素材などを使用した、締め付け感のないサイズやデザインを選びましょう。腰やおしりまわりがタイトな衣服やストッキング、タイツの着用頻度を少なめにするのもおすすめです。
生理用品のこまめな交換
膣周辺を清潔に保つため、おりものシートや生理用ナプキンをこまめに交換するのも重要です。おりものや経血で湿った状態が長く続かないよう、汚れたらすぐに取り換えましょう。
デリケートゾーンを清潔にするのは大切ですが、洗いすぎはNG。常在菌の居場所まで奪ってしまうため、やさしい洗浄成分の石けんで洗い、適度に乾燥させましょう。
トイレットペーパーでのふき取りは前から後ろへ
お手洗いでのふき取りの際は、腸管から膣へカンジダ菌がうつるのを防ぐため、前から後ろへふき取りましょう。
日常の些細な習慣を意識して改善することで、膣カンジダ予防につながります。
食生活の改善
カンジダ菌は糖質を好むとされています。また、糖尿病による尿糖(糖分が体に吸収されず尿に含まれた状態)も、カンジダ菌が繁殖しやすい環境を作り出す原因となります。
炭水化物や糖類の多い食品は避け、バランスのよい食生活を心がけましょう。
専門病院の受診
膣カンジダの治療薬は、薬局などでも手に入ります。
ただ、クラミジアや淋菌性膣炎など膣カンジダの症状とよく似た別の病気も複数あり、自身で判断するのが難しい場合も。膣カンジダが疑われる場合は、まず産婦人科等を受診し適切な治療を受けることをおすすめします。
【要チェック】膣カンジダ対策で積極的に摂りたいor避けたい栄養素・食材
膣カンジダ対策で重要なことのひとつが「食生活の改善」。ここでは、膣カンジダの発症・再発を防ぐために積極的に摂りたい食材をご紹介します。
摂りたい食材
膣カンジダの発症を防ぐため、腸内環境改善に効果的な生きた微生物を含むプロバイオティクスを積極的に摂取しましょう。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を含むヨーグルトや納豆、キムチ、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品がおすすめです。
さらに、食物繊維の多い食材をプラスすれば、膣内を善玉菌優位の状態により整えやすくなります。
良質な脂を含む青魚や、抗菌作用のある梅干しやわさび、ココナッツオイル、ニンニク、オレガノなどのハーブもおすすめです。
これらの食材を取り入れつつ、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
避けたい食材
甘いスイーツや砂糖たっぷりのドライフルーツ、ジュースなどは避けましょう。膣カンジダの治療期間中は、甘味料や砂糖を大量に含む食品を避けるよう指導する医療機関もあるほど、糖質は膣カンジダの治療に良くないとされています。
また、パンや麺、ご飯などの炭水化物の割合が多すぎないよう、メニュー全体のバランスを考えるのも重要です。
このほか、小麦製品、乳製品、でんぷん質の多い野菜、アルコールも避けたいところ。
発酵食品は腸内環境を整えるのに適した食材ですが、細菌バランスに偏りが出る場合は摂取を控えましょう。
まとめ
膣カンジダの原因は、免疫力低下や膣まわりのケア、乱れた食生活にあります。
デリケートゾーンの悩みは相談しにくいという方もいらっしゃるかもしれませんが、女性の誰もが発症する可能性のある病気であり、決して恥ずかしいものではありません。
バランスのよい食生活とストレスフリーな毎日で、膣カンジダの発症を防ぎましょう。