「女性がチョコを渡す」のは日本だけ?!バレンタインの歴史と海外との違いとは

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「女性がチョコを渡す」のは日本だけ?!バレンタインの歴史と海外との違いとは

2月の一大イベントと言えば、なんといっても「バレンタインデー」

男性も女性も色めき立つ、重要なイベントですよね。

 

そんなバレンタインデーですが、

その起源は西暦3世紀にまでさかのぼるほど長い歴史があるということをご存知でしたか?

 

現代の日本において、バレンタインデーは、女性が男性に思いを伝える日ですが、

昔はまったく違う儀式を行っていました。

 

本日は、そんなバレンタインデーの歴史と、

外国と日本のバレンタインデーの違いについて見ていきましょう。

バレンタインデーの起源

まずは「バレンタインデーがどのようにして生まれたか」ということについてお話したいと思います。

 

バレンタインデーの起源となったのは、

ずーっとずっと昔の、西暦3世紀のローマでのことです。

 

当時、皇帝のクラウディウス二世は、あることで悩んでいました。

それは、若者たちがなかなか戦争に出たがらないということです。

 

なぜ戦争に出たがらないのかというと、愛する家族や恋人たちと離れ離れになるのが嫌だったからです。

 

クラウディウス二世はその事実に気づき、若者を戦争に駆り出すため、とうとう結婚を禁止してしまいます。

 

しかし、キリスト教司祭であったバレンティヌス(英語読みでバレンタイン)は、そんな兵士たちをかわいそうに思い、皇帝には内緒で彼らを結婚させてあげていました。

 

しかしある日、そのことが皇帝であるクラウディウス二世にバレてしまいます。

怒ったクラウディウス二世は、バレンティヌスに罪を認めさせて回心させようとしましたが、バレンティヌスはそれを拒否します。

 

その結果、なんとバレンティヌスは処刑されてしまったのです。

 

しかし彼が亡くなったあと、人びとはバレンティヌスの勇気を称え、彼のことを「恋人の守護神」として崇めるようになります。

そして、彼の命日である2月14日が「聖バレンタインの日」と呼ばれるようになったのです。

「恋人たちの日」になったのは中世から

そんなバレンタインデーですが、最初のうちは、聖バレンタインの死を悼む日、つまり「法事」のようなものでした。

それが「恋人の日」になっていたのは、14世紀になってから。

 

民間の風習なども合わさって、若い人たちが愛の告白をしたり、意中の相手に手紙を贈ったり、プロポーズの贈り物をする日になっていったのです。

 

このようになったのは、1382年頃にイングランドの作家であるジェフェリー・チョーサーが、バレンタインデーに関するロマンティックな詩を発表した影響が大きいと言われています。

「バレンタインデーにチョコレート」は日本だけ?!

「バレンタインデーにチョコレート」は日本だけ?!

バレンタインと言ってまず思い浮かぶのは「チョコレート」ですよね。

しかし、実はこれは日本独特の文化だということをご存知でしたか?

 

「えっ?!」と驚いた方も少なくないのではないでしょうか?

 

私たち日本人は物心ついたときから「バレンタインデーはチョコレートを渡す日」と思っていましたから、なんだかそう聞くと不思議な感じですよね。

 

もちろん、チョコレートを渡すこともあるのですが、欧米の場合は、花束、お菓子、アクセサリー、などなど、プレゼントの幅が広いのが特徴です。

そのため、「バレンタインデー=チョコレートを渡す日」というのはちょっと違うのです。

 

では、なぜ日本ではバレンタインデーにチョコレートを渡す文化が根付いたのでしょうか?

 

それは一言で言ってしまうと、「商業戦略」です。

~ 日本におけるバレンタインの歴史 ~

兵庫県神戸市に本社を置く、チョコレートメーカーのモロゾフの創業者は、アメリカ人の友人を通じて、バレンタインデーに「愛する人に贈り物をする」という文化を知ります。

そして、彼はそれを日本でも広めようとしたのです。

 

1936年2月、まずモロゾフは「ザ・ジャパン・アドバタイザー」という雑誌に、チョコレートを贈ろう!という旨の宣伝広告を載せます。

 

しかし、この時点ではあまり大きな効果は見られず、モロゾフの作戦は失敗に終わってしまいました。

 

それからしばらく経ち、約22年後となる1958年、今度は東京都に本社を置く、メリーチョコレートが伊勢丹新宿本店でバレンタインセールを行います。

 

しかし、これも売れたチョコレートはごくわずかで、またもや失敗に終わってしまったのです。

 

しかし、メリーチョコレートは翌年にハート型チョコレートを販売したり、地道にPRや商品開発を行ったおかげで、60年代にはいると、さまざまなお菓子メーカーや百貨店がバレンタインデーを大々的に打ち出すようになっていったのです。

 

ここから一気にバレンタインブームの到来。

 

70年代に入り、若い女性たちの間でバレンタインチョコが流行り、「意中の人にチョコレートを渡して告白する日」という文化がようやく定着したのです。

 

日本と欧米におけるバレンタインの大きな違い

日本と欧米におけるバレンタインの大きな違い

このように独特な進化を遂げた日本のバレンタインデーですが、欧米と日本のバレンタインデーは、他にも大きな違いがあります。

 

それは何かというと、

日本では女性から男性にプレゼントを贈りますが、

欧米では「男性から女性にプレゼントを贈る」ということです。

 

日本では、チョコレートを渡すのは主に女性からであり、男性から何かを贈るということはあまりありません。

 

最近だと、稀に男性から女性にチョコレートを渡すこともあるようですが、そういったもののことを「逆チョコ」と言うくらいですから、やはり日本では「女性から男性へ」というのが主流であるということが分かります。

 

日本以外の各国では、「男性から女性に」贈り物を贈るのが主流、というより当たり前なんだそう。

 

「あなたを愛している」という意味を持つ赤いバラを贈るフランス人や、メッセージカードを贈って愛の告白をするイギリス人、女性を素敵なレストランに誘うイタリア人

 

日本とは真逆で、海外の諸国では、バレンタインデーはもっぱら男性が忙しい日なんだそうです。

「義理チョコ」も日本独特の文化

ここまで読んだ方はもうお察しかと思いますが、「義理チョコ」「友チョコ」という文化も日本独特のものなんです。

 

特に小中高生の女子はバレンタインの時期になるとみんながこぞってバレンタインチョコレートを作ってきて、みんなで交換するため、帰る頃には手元に大量のチョコレートが・・・という「女子あるある」もありますよね。

この光景も、海外ではあまり見られないようです。

 

さらに、「義理チョコ」というのも、海外の方から見るととてもびっくりするそう。

「どうしてカップルの日に好きじゃない男性に贈り物をするの?!」と不思議に感じるようです。

みんな違ってみんないい

このように、国によってだいぶ違いのあるバレンタインデーですが、「海外のほうが良くて、日本のほうが悪い」というものでもありません。

 

日本のバレンタインはとても特徴的ですが、ある意味日本の土地柄に合うよう進化を遂げていった、ある意味「日本文化」です。

 

最近は、「海外に見習ってバレンタインデーの文化を変えていこう!」という動きも見られるようですが、日本のバレンタインもそれはそれで面白い文化であるとは言えないでしょうか?

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本日は、「バレンタインデーの歴史」についてお話ししました。

 

普段あまり考えることがないかもしれませんが、バレンタインデーにはこんなに深い歴史があったのかと思うと、なんだかとても面白いですよね。

 

ちょっと歴史的背景を意識してみると、いつものバレンタインデーがより一層味わい深いものになるかもしれませんね。

 

<参考URL>

・EIKOKUGO.com https://eikokugo.com/

・みんなのごはん http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/g-mag/011420

・しゅふJOB https://part.shufu-job.jp/news/solution/2502/

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