とまらない乾燥は、美容オイルではなくワセリンで解決?!
化粧水、美容液、乳液、クリーム。
毎日しっかりスキンケアをしてるのに、保湿しても保湿しても乾燥する…。
そんな方、意外と多いのでは?
乾燥は美容の大敵。
カサカサして化粧ノリが悪くなるだけでなく、放っておけば乾燥小じわなど、肌老化の原因にも。
とはいえ、ここまで保湿しても潤わないんじゃ、もうお手上げ…。
そんな方におすすめなのが「ワセリン」。
1個約300円で買うことができる、ワセリン。
「安すぎて見向きもしたことなかった」
という方も多いかもしれませんが、
ワセリンには高級な美容液をも凌ぐ素晴らしい保湿作用が。
本日は、そんなワセリンの魅力についてお話したいと思います。
塗っても塗っても乾燥してしまう原因とは?
化粧水でしっかり水分を補給し、乳液やクリームなどの油分でふたをする。
もはやスキンケアの常識となったこの理論。
しっかりその通りに保湿しているのに、塗ったそばからどんどん蒸発していく…。
まさに「焼け石に水」。
そんな風に感じている方、いませんか?
たしかに、水分と油分の両方を補って保湿するのは、理にかなっています。
それでは、なぜ乾燥が止まらないのでしょうか?
それは、「油の種類」にあります。
植物オイルは、密閉力が弱い?
乳液やクリームなどに油分として含まれていることが多いのは
「オリーブオイル」「ナッツオイル」「アルガンオイル」などの植物のオイルです。
植物オイルは、人間の皮脂とおなじ脂肪酸を含んでいるため、
肌なじみがよく、浸透力に優れているのが特徴です。
しかし、この「肌なじみの良さ」が仇となってしまうことも。
植物オイルは、お肌に浸透してしっかり同化してくれる一方、
表面にとどまって「蓋をする」効果は実は弱め。
もちろん、ある程度水分の蒸発を防ぐ効果はありますが、
時間が経つとどうしてもうるおいが逃げていってしまいます。
ワセリンは肌に浸透しない?!
一方、ワセリンはどうでしょうか。
植物オイルは、「油脂」という種類の油ですが、
ワセリンは「炭化水素油」という種類の油です。
鉱物から作られるワセリンは、お肌にもともとある「皮脂」とはまったく構造のことなる油。
そのため、植物オイルのように
肌になじんでお肌に浸透するということはありません。
一見すると「浸透しない」というのは
デメリットのように感じてしまいますが、これこそがワセリンの長所。
ワセリンはお肌に浸透せず、肌の表面にとどまります。
そのため、強力な「蓋」を肌の上に形成してくれるのです。
植物オイルと比較しても、その密閉力ははるかに上です。
お肌の上に均一な膜を張り、
水分が蒸発してしまうのを強力に防ぐことができます。
つまり、最初に化粧水を塗り、そのあとにワセリンを塗ることで、
「水分を補給したあと、油分でふたをする」
という、スキンケアの基本を初めて実行することができるのです。
「石油=肌に悪い」というのは、大きな誤解!
突然ですが、ワセリンは何からできているかご存知ですか?
答えは、「石油」です。
「え、石油って、あの石油?!」
とびっくりされるかもしれませんが、
そう、あの石油です。
石油と聞くと、拒否反応を感じてしまう方も少なくないかもしれませんね。
「石油を顔に塗るなんて信じられない!絶対に無理!」
そう思ってしまうのも無理ありません。
「石油系界面活性剤」「石油系防腐剤」など、
石油系というとお肌に悪い成分のイメージが思い浮かんでしまいますよね。
しかし、それは非常にもったいない勘違い。
「石油由来=肌に悪い」というのは、大きな誤解です。
ワセリンは、石油をきれいに精製して、
純粋な「炭化水素油」のみを取り出したもの。
そんな石油からできているワセリンですが、
実は、「植物オイル」よりもずっとお肌に優しいのをご存知でしたか?
日本油化学会によると、
ワセリンを含む炭化水素油は、「極めて低刺激」とされています。
ワセリンは、お肌の敏感な赤ちゃんが使うこともできますし、
お医者さんが敏感肌の患者さんに処方することもあります。
石油由来だからと言って、お肌に悪いわけではないのです。
石油でできているワセリンがお肌に優しい理由とは?
「どうして石油でできているワセリンが植物オイルよりも肌に優しいの・・・?」
今これを読んでいて、
頭の中がハテナでいっぱいになっている方も多いかもしれませんね。
ここからは、ワセリンがお肌に優しい理由をご説明したいと思います。
ワセリンがお肌に優しい理由(1)浸透しない
先ほども述べた通り、ワセリンは肌の表面でとどまります。
植物オイルとは異なり、角質層の奥まで浸透するということはありません。
敏感肌の方は、オイルがお肌に浸透してしまうことで、
悪影響が起こることがあります。
肌に合っていないオイルが奥深くまで浸食してくることで、
お肌が刺激を感じてしまうことがあるのです。
しかし、ワセリンはそもそもお肌の奥まで到達しません。
そのため、植物オイルよりも刺激を感じにくいのです。
ワセリンがお肌に優しい理由(2)酸化しづらい
植物オイルは、多かれ少なかれ「酸化する」という特徴があります。
種類にもよりますが、
中には空気や光に触れただけで簡単に酸化してしまうオイルもあります。
アマニ油・エゴマ油・月見草油などがその典型です。
酸化とは、簡単にいうと「サビる」ということ。
光や空気などでサビてしまったオイルをお肌の上に乗せ続けるのは、
良いことではありません。
お肌を攻撃し、肌荒れや肌老化を助長してしまいます。
一方、ワセリンは「非常に酸化しづらい」という特徴があります。
ひと昔前は「ワセリンを塗ると油焼けする」という噂がありましたが、
これは、ワセリンに含まれる不純物の酸化が原因。
現代は精製技術が向上し、不純物がきれいに取り除かれた状態で販売されているので、
酸化を心配する必要はありません。
酸化は肌荒れの最も大きな原因のひとつでもあるので、
ワセリンの「酸化に強い」という点は大きなメリットです。
ワセリンがお肌に優しい理由(3)アクネ菌のエサにならない
もうひとつのメリットは、「アクネ菌のエサにならない」ということ。
植物オイル(特にオリーブオイル)に多く含まれる「オレイン酸」は、
アクネ菌の大好物。
アクネ菌が増殖してしまうと、
ご存知の通り、「ニキビ」が増えてしまう原因にもなります。
ニキビができやすい方は
オレイン酸を多く含む種類の植物オイルは向いていません。
ワセリンの中には「オレイン酸」が含まれないので、
アクネ菌の増殖を気にせず使うことができます。
ワセリンの効果を最大限にする方法とは
このように、ワセリンはとてもお肌に優しいクリーム。
そのお肌への優しさから、赤ちゃんに使われることも多くあります。
そんな魅力的なワセリンですが、
使い方には少しポイントがあります。
それは、必ず「化粧水で保湿したあとに使う」ということ。
繰り返しになりますが、ワセリンのはたらきは
「水分を補給した後に、蓋をして蒸発をおさえること」です。
ワセリン自体には、
「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」などの、水分を抱え込む成分は入っていません。
まずはこういった保湿成分を化粧水で与え、
しっかり水分補給したあとに、ワセリンを使うようにしましょう。
そうすることで、
今までに味わったことのないうるおいを感じることができるでしょう。
「ワセリンリップ」などを使う際も、
化粧水で唇を整えてからワセリンを塗ることで、より効果を実感することができますよ。
おすすめのワセリンの種類とは?
そんなワセリンですが、精製度によっていくつかの種類があります。
精製度の低い順から並べると、
黄色ワセリン→白色ワセリン→プロペト→サンホワイト
という順番です。
つまり、サンホワイトが一番純度が高く、
黄色ワセリンは他のものに比べると不純物が多いことになります。
黄色ワセリンとは、少し黄みがかった種類のワセリンのこと。
前述の通り、不純物は酸化の原因にもなってしまうので、
お肌に優しいワセリンをお求めの際は「サンホワイト」や「プロペト」
などの純度の高いワセリンを選択しましょう。
プロペトは、皮膚科などでお医者さんによって処方されるワセリンです。
病院に行かないともらうことができませんが、
市販で売っている「プロペトホーム」も中身は同じです。
病院に行く暇がない場合は、「プロペトホーム」を買うのも良いかもしれません。
しかし、プロペトよりもおすすめなのが「サンホワイト」。
プロペトをさらに精製した、純度が最も高いワセリンです。
お肌が敏感な方や、赤ちゃんのお肌に使用する場合はサンホワイトをおすすめします。
まとめ
さて、今回は「ワセリン」についてご説明しました。
「ワセリンは石油系だから使いたくない…」
と思っていた方も、これを読んで少し考えが変わったのではないでしょうか?
お肌の乾燥がとまらない、という方にとって、
ワセリンは強い味方。
まだ使ったことがない方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
<参考URL>
・顔ワセリン https://www.bettaguard.com/waserin/?eid=16
・かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき
https://ameblo.jp/rik01194/entry-12425729082.html
・カナダでのんびり海外ライフ ~ 日本から海外へ飛び出してみよう! ~
https://kf-myway-inqc.net/archives/2920
・プロペトは市販されてるの?どこで売ってる?
http://www.borinquensigns.com/propeto_shihan.html