【薬剤師執筆】冬の憂鬱、実は「冬季うつ」かも。正しいセルフケアで心身共にリフレッシュ

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【薬剤師執筆】冬の憂鬱、実は「冬季うつ」かも。正しいセルフケアで心身共にリフレッシュ

「寝ても寝ても眠たい…」

「食欲が止まらない…」

 

毎年秋から冬にかけて、こんなお悩みはありませんか?

実は、これらの不調の原因は“冬季うつ”かもしれません。

 

今回は、この冬季うつと一般的なうつ病の違いや心身共にリフレッシュできる方法を解説していきたいと思います。

冬季うつとは

冬季うつとは

冬季うつになると、秋から冬にかけて憂鬱な気分になったり過食や過眠になったりするなどの不調があらわれます。

冬季うつは、日照時間が短くなることによる体内時計の乱れやセロトニン分泌量の減少が原因と考えられています。

 

一般的に冬季うつは、女性や若者にかかりやすいと言われており、春になると自然によくなることが特徴です。

冬季うつと一般的なうつ病の違い

冬季うつと一般的なうつ病の違い

冬季うつと一般的なうつ病は別物で、それぞれの症状には違いがあります。

 

冬季うつによる主な不調には、過眠や過食、体重増加が挙げられます。

 

一方、一般的なうつ病による不調は、不眠や食欲の減少、体重減少であり、冬季うつとは真逆の症状です。

 

気分の落ち込みやイライラ、倦怠感などのメンタルの不調は、どちらにも共通する症状です。

「冬季うつかも?」と気になった際には、睡眠や食欲、体重の増減を指標にしてみてください。

症状を軽減できるリフレッシュ方法3選

症状を軽減できるリフレッシュ方法3選

冬季うつは、正しくケアすることで症状を軽減できる可能性があります。

ここでは、すぐに実践できるリフレッシュ方法をご紹介していきたいと思います。

1.セロトニンを正しく生成する

セロトニンの生成を促すことは、気持ちを落ち着かせるために効果的です。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、脳内の神経伝達物質のひとつで精神を安定させる働きがあります。

 

セロトニンの生成を促すためには、以下の方法がおすすめです。

 

・日光を浴びる

 

セロトニンは日光を浴びると生成されます。

一日15~30分、起床後30分以内に日光を浴びることが重要です。

 

外に出て直射日光を浴びた方がセロトニンの生成量は多くなりますが、窓越しに日光を浴びてもセロトニンは生成されます。

朝から外に出る時間がない人は、窓側の日当たりの良い場所で朝食を摂るのもおすすめです。

 

・適度な運動をする

 

ハードな運動ではなく、ウォーキングやランニング、水泳など単純な有酸素運動がおすすめです。

一定時間継続してできる運動を選びましょう。

2.たんぱく質を摂る

たんぱく質の摂取は、セロトニン生成を促すために重要です。

たんぱく質には、セロトニンの原料であるトリプトファンが豊富に含まれています。

 

トリプトファンを多く含む食材は以下のようなものがあります。

 

・魚類:カツオ、マグロ、鮭

・肉類:豚ロース、鶏ささみ

・乳製品:チーズ、ヨーグルト

・大豆製品:豆腐、納豆、味噌

 

肉や魚などの動物性たんぱく質は、ビタミンB6を含む食材といっしょに摂ることでトリプトファンが吸収されやすくなります。

バランスの良い食事を心がけましょう。

3.照明の工夫で生活リズムを整える

照明を工夫することで、体内時計の乱れを整えるサポートができます。

夜に白色で明るい光を浴びてしまうと、体内時計を調整するメラトニンの分泌が抑えられ、生活リズムが乱れやすくなるのです。

 

朝から日中にかけては、昼光色や昼白色の白くて明るい照明を選びます。

夕方以降は徐々に暖色系の照明に変更し、寝る前には電球色の光に変更してリラックスできる環境を作りましょう。

 

照明の明るさや色を工夫することで、夜間のメラトニンの分泌を促し生活リズムを整えることができます。

冬季うつ予防には漢方薬の使用もおすすめ

冬季うつ予防には漢方薬の使用もおすすめ

冬季うつの予防には、日光を浴びたり、たんぱく質を摂ったりすることが大切ですが、忙しくて取り組む余裕がない人もいるのではないでしょうか。

 

そんな忙しい人には、誰でも手軽にはじめられる漢方薬の活用もおすすめです

 

冬季うつの原因としては、日照量減少によるセロトニン不足、体内時計の不調による自律神経の乱れなどが考えられます。

 

そのため、

 

「肉体的な疲れを軽減することで、落ち込みや不安を軽減する」

「消化・吸収機能を改善してカラダの内側から心を元気にする」

 

といった漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。

 

 

<冬季うつ予防におすすめの漢方薬>

 

●抑肝散(よくかんさん)

 

エネルギーと栄養を補い巡らせることで、精神を安定させます。

イライラや不眠を改善してくれる漢方薬です。

 

●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 

自律神経の乱れに伴うエネルギー不足を補い、食欲不振を改善する働きを持ちます。

全身に疲労感や倦怠感がある人に向いている漢方薬です。

 

 

漢方薬は、ご自身の症状や体質に合ったものを選ぶことが大切です。

漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して購入しましょう。

 

また、スマホひとつで専門家に気軽に相談ができ、お手頃価格で郵送してくれる「あんしん漢方はオンラインで完結するため、忙しい人でも自宅にいながら購入が可能です。

まとめ

いかがでしたか?

秋から冬にかけては、日照時間が短くなるため体内時計の乱れやセロトニンの分泌量減少によってさまざまな不調があらわれます。

 

今回取り上げたような気分の落ち込みや過眠、過食などの気になる症状がある場合には、生活習慣や食習慣の見直し、漢方薬の活用も検討してみましょう。

 

体内時計を整え、セロトニンの生成を促し、楽しいイベントの多い秋冬も元気に過ごしていきましょう!

 

<この記事を書いた人>

まとめ

あんしん漢方薬剤師

山形 ゆかり

 

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。

病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

 

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信しているYouTubeチャンネルでは簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動中。

 

また、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」では薬剤師としてサポートも行っている。

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