【薬剤師執筆】寒い冬に負けない睡眠対策!睡眠の質向上のポイントもご紹介

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【薬剤師執筆】寒い冬に負けない睡眠対策!睡眠の質向上のポイントもご紹介

「冬になると睡眠の質が落ちてしまう…」と悩んでいる方はいませんか?

 

寒くてなかなか寝つけなかったり、夜中に起きてしまったりすることもありますよね。

 

寒い冬でも睡眠の質を落とさず、眠りにつきやすくするためのキーポイントとなるのは「気温」「体温」です。

 

本記事では、冬の睡眠を快適にするための対策をご紹介します。

睡眠の質と気温の関係

気温によって睡眠の質が変動するのには、自律神経の体温調節機能が関わっています。

 

気温が低すぎると深部体温が下がりきらず、睡眠の質が下がって寝つきが悪くなります。

交感神経が体温調節を行うのですが、気温が低すぎると体温を維持しようと交感神経が活発化し、脳を覚醒させるために寝つきが悪くなるのです。

睡眠のメカニズム

睡眠のメカニズム

睡眠中は、浅い睡眠と深い睡眠が交互に出現し、起床時間に近くなると睡眠が浅くなります。

 

この浅い睡眠と深い睡眠にも、体内時計から指示されて行われる体温調節が関係しており、覚醒力が高まるときは深部体温が上がるのです。

 

ちなみに、睡眠に関する体内時計をコントロールしているのは「メラトニン」という睡眠ホルモンです。

睡眠の質を上げるポイント

睡眠の質を上げるポイント

睡眠の質を高め、入眠しやすくするには「副交感神経を高めて心身ともにリラックスすること」「入眠のタイミングで深部体温を下げること」が大切です。

 

以下ではそのための方法を3つご紹介します。

1.睡眠の2~3時間前にお風呂に入る

入浴は一時的に体温を上げることで睡眠の質を高める効果があります。

ただし、睡眠直前に入ると深部体温が上がった状態で入眠することになり、睡眠の質が悪くなる可能性があります。

 

睡眠の2~3時間前までには入浴を済ませ、体温上昇が落ち着いたタイミングと入眠のタイミングが合うようにしましょう。

2.室内温度は18~22度

冬の室内温度は、暖かい寝具を使用することをふまえて18~22度の範囲内が適しています。

室内を18~22度に保つために暖房はつけたままにしておくこともおすすめします。

 

加えて、快眠のためには湿度も大切で、推奨されている湿度は50%です。

湿度が低い場合は加湿器の使用もおすすめです。

3.カフェインとアルコールの摂取量を見直す

これは有名な話ですが、カフェインとアルコールは交感神経を活発化させる作用があります。

そのため、飲む量が多かったり、飲むタイミングが入眠のタイミングと近かったりすると、睡眠の質が低下する可能性があります。

 

カフェインとアルコールは飲み過ぎに注意し、入眠の5~6時間前から控えるようにするといいでしょう。

睡眠の質向上には漢方薬もおすすめ

睡眠の質向上には漢方薬もおすすめ

睡眠の質を上げるには、生活習慣の見直しとともに漢方薬の使用もおすすめです。

 

睡眠トラブルには、

 

「自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する」

「いらだちや興奮を鎮めて寝つきを良くする」

「血流を良くして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」

「栄養を全身に届けて、心とカラダを元気にする」

 

などの作用をもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 

 

●酸棗仁湯(さんそうにんとう)

 

体力が低下して、心身が疲弊している方の神経症や不眠症によく用いられます。

過度の心労や、思い悩み過ぎ、疲れが続くことなどにより心に負担がかかり、心血が消耗している状態に対して「血(けつ)」を補い、眠りのリズムや熟眠感などを整えます。

 

●抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

 

夜中や早朝に目覚めてしまい、そのあと眠れなくなるという中途覚醒タイプの不眠には「抑肝散加陳皮半夏」がおすすめ。

自律神経のバランスを調整しながら、不眠に働きかけます。

 

●柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 

寝つきが悪い方には、この「柴胡加竜骨牡蛎湯」が効果的。

体内の熱を冷ますことで自然な眠りを促します。

興奮を抑制したりする働きがあるため、心を落ち着かせたい方におすすめです。

 

 

漢方薬を使用するうえで気をつけなければならないのが、体質に合っているかどうかです。体質に合わないと効果が得られないだけでなく、副作用が生じるケースもあります。

 

ご自身に合った漢方薬を使用するためにも、プロへの相談が必要不可欠です。

医療機関への受診または『あんしん漢方』のようなオンライン漢方サービスを利用して、自分に合う漢方薬をプロに見極めてもらいましょう。

まとめ

体温調節をスムーズにして深部体温を下げると入眠しやすくなり、そのあとの睡眠の質も向上します。

そのためには、まず室内の気温を18~22度に調整することが大切です。

 

また、体内の放熱をサポートする漢方薬も併せて使うことで、より睡眠の質を上げられるでしょう。

 

深部体温を下げることを意識して、ぜひ今年の冬を快適に過ごしてみてください。

 

<この記事を書いた人>

まとめ

あんしん漢方薬剤師

中田 早苗(なかだ さなえ)

 

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。

 

健康・美容情報を発信するYouTubeチャンネル『Medical Health -メディヘルス-』では、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。

 

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方『あんしん漢方』でも薬剤師としてサポートを行う。

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