【専門家執筆】メリット豊富な『亜鉛』の効果的な摂取方法
亜鉛は知っているけど、具体的にどんな効果があるのか、どんな食材に多く含まれているのか、よく知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
亜鉛は、人にとって必須な微量ミネラルのひとつであり、不足すると体調を崩しやすくなったり味覚が低下したりと、さまざまな不調をまねきます。
この記事では、亜鉛の効果や、亜鉛を効率よく摂取する方法を解説していきたいと思います。
亜鉛の効果とは?
亜鉛は、免疫力の向上、たんぱく質の合成、傷の治癒、味覚や嗅覚の維持など、体内でたくさんの重要な役割を果たします。
また、亜鉛は抗酸化作用も持つため、肌をダメージから守る効果も期待でき、美容にもうれしい成分です。
亜鉛不足のサインをチェックしよう!
亜鉛はたくさんの重要な役割を持つため、不足したときの症状もさまざまです。
亜鉛不足の症状の例としては、下記のようなものがあります。
・風邪をひきやすい
・髪が抜けやすい、コシがない
・爪が割れやすい、白い斑点がある
・食事の味がよくわからない
・口の中に苦味を感じる
・食欲がない、低下した
もちろん、これらの症状は亜鉛不足以外の原因も考えられますが、複数あてはまる場合には亜鉛不足の可能性があるため注意しましょう。
亜鉛不足を解消する方法
亜鉛は体内で作り出すことができないため、普段の生活で取り入れていくことが重要です。
ここでは、亜鉛不足を解消するための、効率的な摂取方法を3つ解説していきたいと思います。
1. 健康補助食品の活用
手軽に亜鉛を摂取したい場合は、健康補助食品(サプリメント)の活用がおすすめです。
亜鉛単体だけでなく、他のミネラルやビタミンといっしょになったものも多く販売されており、普段の食事で不足しがちな成分を、サプリメントでまとめて補うこともできます。
サプリメントを活用する際には、一日の目安量をしっかり守って摂取しましょう。
2. 食事で摂るべき亜鉛豊富な食品
亜鉛を豊富に含む食品には以下のようなものがあります。
・魚介類:牡蠣、ホタテ、うなぎ
・肉類:牛肉、レバー
・乳製品:プロセスチーズ
・その他:アーモンド、カシューナッツ、煮干し、納豆
また、ビタミンCやクエン酸などの酸を含む食品といっしょに食べると、亜鉛の吸収率がアップします。
野菜や果物といっしょに食べたり、レモン果汁を使って調理したりなど、少しメニューを工夫するだけで亜鉛の吸収率を上げることができますよ。
反対に、コーヒーや紅茶などに含まれるタンニンや、インスタント食品に含まれる添加物のリン酸塩やポリリン酸は、亜鉛の吸収を妨げてしまうため、これらの食品といっしょに食べないよう注意しましょう。
<参考>
3. 亜鉛の吸収サポートには漢方薬もおすすめ
亜鉛不足を改善する方法として、漢方薬もおすすめです。
日々の生活のなかで亜鉛の摂取量は十分であるにもかかわらず、胃腸が弱っていて食事中の亜鉛などの栄養素をうまく吸収できず、亜鉛不足になっている可能性もあります。
そのため、亜鉛の吸収不足には「胃腸の機能を回復して食事の消化吸収を上げる」働きのある生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。
また、漢方薬は毎日飲むことで、血流や自律神経のバランスを整えて、カラダの機能低下を根本から改善し、健康なカラダづくりを目指すことができます。
前述した食事の見直しやサプリメントと組み合わせて使うのもおすすめです。
ここで、亜鉛など栄養素不足の解消におすすめの漢方薬を2つほどご紹介させていただきます。
<亜鉛など栄養素不足の解消におすすめの漢方薬>
●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを高めて、消化・吸収の機能を改善し、必要なところに栄養を届けるとともに、カラダに気力を充実させます。
●六君子湯(りっくんしとう)
胃にたまった余分な水分を取り去り、胃腸の働きを高めて消化・吸収の機能を改善し、消化不良や食欲不振に働きかけます。
漢方薬は副作用が出る場合もあるため、自分のカラダに合ったものを選ぶことが大切です。
自分に合う漢方薬を知りたいという方は、漢方の専門家にオンラインで個別相談できる『あんしん漢方』などのサービスを活用してみるのもいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、老若男女を問わず人のカラダに非常に重要な栄養素である「亜鉛」が果たす役割や摂取方法などについて解説してまいりました。
第2章でお伝えしたチェックリストを活用し、亜鉛不足になっていないか常に注意しながら上手に亜鉛を摂取して元気な日々をお過ごしください!
この記事を書いた人
一般社団法人日本サプリメント協会理事長
後藤 典子(ごとう のりこ)
同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。
Youtubeチャンネルでは健康リテラシー向上のための情報を発信し、2023年からはSフードプロジェクトのリーダーとして、機能性表示食品の望ましい発展を支援する活動をしている。