どうして私は貯まらないの? 貯まる人・貯まらない人の差
ムダ遣いしているつもりはなくても、なぜだか貯金が貯まらない。他の人はどれくらい貯めているの? どんな方法で? お金に関する事って、いつもどこかで気になっているけれどなかなか不安が解消されることはありませんよね。
シングルの方、結婚されている、子育て中など、暮らしの状況は人それぞれなのでお金の使い方は大きく変わりますが、どのライフステージにも関わらず人によって上手に貯めている人と、頑張っても貯めらない人の差があるようです。
ここでは、「貯まらないクセ」と「貯め体質のコツ」をご紹介します。今から少しずつ準備して、将来のお金の不安を少し軽くできるといいですよね。
どれくらい貯めているの? 同世代の平均貯蓄額
現在のシニア層なら60歳〜64歳から年金をもらえる人もいますが、今のアラフォー世代は年金に同じような期待は持てないでしょう。働き盛りだったり、子育ての真っ最中で、すでにお金や時間といった日々のやりくりを精一杯されていると思いますが、ふと浮かぶ将来へのお金の不安がだんだん色濃くなってくるのもアラフォー世代の心情だと思います。
だけど、なかなか思うようにお金が貯まらないのも本音ですよね。同世代のみんなは一体どれくらい貯めているのでしょうか。
まずは、40代平均の貯金額を見てみましょう。
●単身者 世帯主が40代 平均 657万円 中央値 25万円
●二人以上世帯 世帯主が40代 平均 942万円 中央値 550万円
出典:
「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査](2018年)
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2018/
「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2018年)
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2018/
平均値を見て「そんなに貯めてるの!?」とギャップに驚いてしまった方もいらっしゃいますよね。しかし平均値といっても、極端にリッチな富裕層の方の貯金額がグンと
引き上げてしまっている場合もあります。
ここで見るべきは中央値。貯蓄額が低い人から順番に並べていき、全体のちょうど真ん中に位置する金額のことを中央値と呼びます。40代シングルなら25万円。世帯主が40代以上の二人以上の世帯で550万円。これが現実的な40代の貯蓄額の実態といえます。
この統計によると、金融資産非保有者、つまり預貯金口座を持たず、投資信託や保険といった金融商品もお持ちでない方が、40代シングルでは42.6%にも上るそうです。
この「貯金なしシングル」が大きく中央値を引き下げてしまっているようなので、自分の貯金額が中央値より多いだけでは安心できないことがわかります。
シングルの方はある程度自由にお金を使えるので、ファッションやスキンケア、旅行、趣味などにかけるお金が自然と多い状態でしょう。アラフォーともなると色々と目が肥えてきて、無意識に上質なものを選びがちなことも。しかし、シングルのままのライフスタイルを続けるなら、自分一人で将来の暮らしのお金を準備しなくてはならないことを改めて考えてみてください。
そして、既婚者の方なら、お子さんが何人いらっしゃるか、持ち家を考えているか、共働きかどうかなどによって、さらに家計の状況は様々でしょう。
同年代の貯金額の中央値以上であれば安心、ということはありません。どんな生活設計を行なっていて、どれくらいの生活水準であれば不安のない暮らしといえるのかが明確に定義できない分、やはりどれくらい貯めればいいのかはわからないものかもしれません。
それ、「貯まらないようにしている」のと同じです。
自分の貯金額が中央値以下だったなら、「私はどうして貯まらないの?」と焦ってしまいますよね? そんなにコージャスな暮らしをしているわけでもないのに、なぜか貯まらない。そこには暮らしの中でついついやってしまっている「貯まらないクセ」が潜んでいるかもしれません。
そこで、お金の役割を「消費」「浪費」「投資」の3つの視点に分けて、貯まらないクセを探し当てていきましょう。
「消費」にかけた金額を把握できていない
お金の役割のひとつめである「消費」。これは、食費、家賃やマイホームのローン、水道光熱費、教育費、服飾代、交通費など、生産性はあまり伴わないですが、生活するのに必要なものの費用のことです。スマホ代、インターネット契約料などの通信費もここに含まれます。
では、この消費にかかる金額が、毎月いくらかかっているかすぐに答えることができますか? 食費だけではどうでしょう。光熱費や服飾代などに一番支払っている月は何月ですか?
毎月の収入と、家賃やスマホ代などの固定費は大体答えられても、食費やショッピングなどの流動費にいくら使っているかはなかなか把握できていないのではないでしょうか。毎月変動して出て行くお金に無頓着でいると、収入の中から毎月どれだけ貯金に回せるかすら分からない状態だといえます。
「浪費」をしているという自覚症状がない
「浪費」は言葉どおりムダ遣いを指します。生活になくてもよいもの、つまり、タバコやお酒などの嗜好品、身の丈以上の高価な買い物などで、生産性は伴わないものです。
これは個人の感覚によるところが大きいのでそれこそ「自覚」という他ないのですが、これも月々いくら浪費しているかを明確にすることで、意識が変わってくるかもしれません。
例えば「お給料の約10%を毎月ムダ遣いしている」などと数値で見える化することによって、買い物をする際にも一旦立ち止まり「ムダじゃない?」と自分に問いかけることができるようになるかもしれませんよ。一切の浪費をしない生活というのも味気ないですが、今を楽しむためにいくらなら使ってOKなのかを自覚する習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
「投資」への苦手意識がなくならない
今必ず必要なものとは言えないけど、将来の自分にとって役立つ生産性の高い使い方が「投資」です。金融機関に預けるお金や投資信託、人によっては習い事や書籍代などのキャリアアップ・スキルアップに活かせそうなものもここに含まれます。
限られた収入の中で、なかなか自己投資に目を向けるのは現実的ではない気がしますが、逆の発想をして「日々の生活費(=消費)とムダ遣い(=浪費)をするためだけにお金を稼いでいる」と考えるとどうでしょう。なんだかその日暮らしのようで虚しくなりそうですよね。少しくらいは自分磨きのために使っておきたいところです。
また、投資というと、株や投資信託といったお金を増やす目的の金融商品を思い浮かべ、それに伴うリスクに怖じ気ついてしまうことも。最近では投資で得た利益が非課税になる「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)」といった金融商品も登場しています。少額から申し込めるので、個人の方でも投資を始めやすくなっているようですよ。
もちろん、毎月1万円を貯蓄用の積立口座に移すといったシンプルな方法でも構いません。預貯金や金融資産という有形の資産づくり、そして自分磨きという無形の資産づくりのための「投資」。どちらも将来を豊かにするものですから、ぜひ今から考えてみてはいかがでしょう。
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