病気をネットで調べすぎてない??重い病気だと思い込んでしまう「サイバー心気症」とは
どんなことでも、ネットで調べれば簡単に情報が手に入る現代。
とても便利な世の中になりましたよね。
しかし、「病気」のことについては、インターネットでの調べすぎに要注意!
ちょっとした体の不調を深刻な病気だと妄想し、どんどん精神を追い詰めてしまう「サイバー心気症」になってしまう可能性も。。
ネットで調べているうちに、ネガティブな情報をたくさん見つけてしまい、不安がどんどんエスカレート。
最終的には、本当は病気でないにもかかわらず、実際に体に不調が出てしまう、なんてこともあります。
本日は、そんな「サイバー心気症」についてお話ししていきたいと思います。
サイバー心気症って一体なに?
そもそも、「サイバー心気症」って一体なんなのでしょうか?
サイバー心気症(cyber chondria)とは、2000年頃に生まれた言葉で、「サイバー(cyber)」と「心気症(chondria)」を組み合わせた造語。
体のささいな不調から、自分が何かしらの重い病気だと思い込み、インターネットで調べすぎて不安になってしまう状態のことです。
今ではどんな病気についてもネットで簡単に調べられるようになった分、ネガティブな情報ばかりを真に受けてしまい、心がボロボロになってしまう方が少なからずいるようです。
サイバー心気症になるとどうなるの?
現代は、なんでもネットで検索すれば何かしらの「答え」を得ることができる時代。
とても便利な世の中になりました。
しかし、医師にかからず、検索によって自分の健康状態を判断しようとするのは、あまりにも危険。
「サイバー心気症」に陥り、いたずらに不安を引き起こしてしまうことになりかねません。
では、サイバー心気症になると一体どのようになってしまうのでしょうか?
ここでいくつか例を見てみたいと思います。
とある主婦の女性は、自分の子供に授乳した翌日、胸に赤い発疹ができていることに気づきます。
彼女はもともと心配性だったということもあり、さっそく発疹についてネットで検索。
するとそこには「乳がん」の文字が。
彼女は一気に不安になり、自分は乳がんであるに違いないと思い込んでしまうように。。
その後、不安に駆られ毎日何時間もパソコンの前で乳がんの情報を調べ続けることになります。
結局、彼女は病院を受診するまで毎日絶望感を感じながら過ごすことになりました。
そしてとうとう病院で検査をしたところ、乳がんではなく、ごく一般的な真菌性の湿疹であるということが判明。
彼女の心配は全て杞憂に過ぎなかったのです。
インターネットの検索結果は、いつも最悪の情報が出がち
ここでひとつ忘れないでいただきたいのが、ネットの検索結果は「最悪のパターン」が表示されがちということ。
たとえば、「HIV」という単語で検索してみると、
「HIV陽性者のブログ」
「一回セックスしただけなのにHIVに感染しました。」
「まさか私が・・・」
というように、実際に陽性だと告げられた方たちの情報がたくさん出てくると思います。
それを見てあなたは、「HIVに感染している人ってこんなにいるんだ…意外と多いんだな…」と感じるかもしれませんが、実はここが落とし穴。
HIV陽性者の情報が次々と出てくるのは、他でもなく、あなたが「HIV」という単語で検索したから。
実際は陰性と告げられた方たちの方が圧倒的に多いのが事実ですが、わざわざ陰性の方の情報が発信されること自体があまりありません。
「HIV」と打てば、実際には数少ないにも関わらず、HIV陽性者の情報がたくさん出てきます。
当たり前のことです。
だって、あなたがその情報を検索ワードによって引き寄せているのですから。
シンプルなことですが、まずはそのことを念頭に置いて情報を読む必要があります。
不安な情報しか目に入らなくなる
また、一度サイバー心気症に陥ってしまうと、「安心させてくれる情報」が目に入らなくなり、「不安な情報」だけに注目してしまいやすくなります。
たとえば、先ほどのHIVの情報に関しては、「陽性者とセックスをしたとしても、感染する確率は約0.1%」と言われており、ネット上にもこの情報は頻繁に確認することができます。
しかし、心気症状態になっていると、そういった「安心させてくれる情報」には見向きもせず、「たった1回のセックスで感染してしまった」というネガティブな情報だけを信じてしまいやすいのです。
「あなた自身の目が偏っているかもしれない」ということに気づきましょう。
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