近年増えている熟年離婚。そのメリット・デメリットとは?

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近年増えている熟年離婚。そのメリット・デメリットとは?

最近テレビやニュースでよく熟年離婚という言葉をよく耳にしませんか?それは長年連れ添った夫婦が離婚してしまうことを指します。特に定義はないようですが、一般的に20年以上の結婚歴がある夫婦が離婚することを言うようです。日本でも昨今熟年離婚が増えているようですが、なぜそれほど長い期間共に過ごした夫婦は離婚に踏み込んでしまうのでしょうか?今回はその原因をメリットやデメリットも含めつつお話していきたいと思います。

熟年離婚の実態

まずは熟年離婚についてより深く知ってみましょう。ここでは熟年離婚の割合や離婚に至った原因についてお話していきたいと思います。

離婚件数と熟年離婚の割合

厚生労働省による「平成29年人口動態統計」によると、その年の離婚件数は21万2262組でした。離婚件数は年々増加しているようなイメージがありましたが、年次推移を見ると平成14年の28万9836組をピークに減少傾向にあるようです。その中で20年以上同居期間をもって離婚をしたのは38285組でした。前年平成28年度の統計は37601組であり、その数は1.8倍増加となっています。

 

また、20年以上同居したのちどのタイミングでの離婚が一番多いのかというと、それはほぼ毎年20年〜25年未満の同居期間での離婚がトップの組数を出しています。可能性として考えられるのは、おそらく子供がいる家庭では成人、進学、就職を迎え親の元から離れていく年頃です。そのタイミングで第二の人生を歩みたいと思う方が多いのかもしれませんね。

熟年離婚の原因

では、なぜ熟年離婚を選択したのかその原因を考えてみましょう。

 

通常の離婚と同じ原因

当然熟年離婚においても通常の離婚の原因と同じく浮気や浪費、価値観の違いなどの原因があります。子供がまだ小さい頃は生活を守るためにそれらは我慢しがちですが、親元から離れるとまた夫婦二人きり。それまでに我慢していたことや、子育てに必死で見えていなかったパートナーの悪いところが浮き彫りになりそれが原因で長年連れ添っていたとしても離婚に踏み越むケースがあるようです。

 

介護疲れ

夫婦の年齢が50歳を超えてくると親の介護問題が出てきます。その介護をするのは世間的に妻がすることがほとんどです。自分の実の親の介護でも大変なのに、義理の親の介護も同時に行うとなれば一層苦労しますよね。それなのに、旦那はそれを大したことはないように捉え無関心、妻に感謝の気持ちを示さず、妻の不満を増やしている傾向にあるようです。

 

女性が稼げるようになったから

昔は男性が働きに出て、女性が家事・育児をして家を守るというスタイルが当たり前になってしましたが、現代ではその逆のパターンも多くあります。女性の社会進出を促しているところもあるため、働きやすい環境になっていることも確かです。離婚したとしても、一人で生活する分には金銭面では特に困らないでしょう。

 

 

このように原因を見ると。女性側が不満を感じて離婚を切り出すケースが多いように見えます。今でも家事をするのは一般的には女性なので、離婚したとしても生活面ではあまり困ることはないために切り出しやすいのではないでしょうか。逆に、もし長年家事を妻に押し付けていた旦那がいれば、急に自分一人で生活をしなければならないとなると少し不安になってしまいますね。

熟年離婚のメリットとデメリット

熟年離婚のメリットとデメリット

次に熟年離婚にはどういったメリット・デメリットがあるのかお話していきたいと思います。もし熟年離婚を考えている方がいらっしゃれば、しっかりとそれらを考えて決断をしてただきたいと思います。

メリットは?

最初に熟年離婚のメリットを3つあげていきたいと思います。

 

自由になれた

パートナーに対する不満が原因で離婚に踏み切った場合は、これが一番のメリットではないでしょうか。毎日嫌でも顔を合わせなければいけなかった生活が一転して自由の生活になります。相手の食事を準備したり、世話をしたりという必要もありません。もう自分が好きな時間に好きな人に会って、好きなことをすることができる自由を手にするすることができます。

 

新しいパートナーと出会える

もし他に好きな人がいたり、その人と共に過ごしたいという理由から離婚した場合は、その新しいパートナーとこれからの人生を過ごすことができます。今までのパートナーとは到底できなかった体験ができたり、新しい人々との出会いもあるかもしれませんね。

 

義理の親との関係を断れる

もしパートナーの親の介護であったり、関係性に悩まれて離婚したのであれば、その義理の親との関係は断ち切ることができます。特に介護は熟年離婚の原因としてもよくあげられるもの。そこから解放されると自分自身の時間にゆとりが生まれるので、自分のために生活できるようになります。

デメリットは?

次にデメリットを3つあげていきます。

 

一人になる寂しさに気づく

人は失って初めてその大切さに気づく、とよく言いますが、熟年離婚の場合も同じように言えるのではないでしょうか。長年連れ添ってきた相手だともう特に会話もなく空気のような相手だと感じてしまい、いなくなっても何も思わないと思ってしまうかもしれませんが、いなくなって初めてわかることもあります。ただ気づいた時にはもう遅く、さみしさだけが残ってしまいます。

 

生活が苦しくなる

女性の場合、もし今までパートナーの収入に頼りきりであったのであれば離婚後は自分で生計を立てなければなりません。結婚後も社会で活躍していた場合は問題ありませんが、そうではない場合結婚時代と比べて貧しい生活になってしまうでしょう。

男性の場合、もし家事をパートナーに任せきりであったのであれば離婚後はすべてそれらを自分で行わなければなりません。不慣れなことをするのはなかなか苦労しますし、働き疲れて家に帰ってきてもご飯はない、洗濯や掃除は自分でしなければいけない、となると生活はおざなりになってしまいそうですね。

 

子供に負担がかかる

熟年離婚となると子供も成人して自分で生活をしているから親権や養育費に関しては特に問題はないと思われるかもしれませんが、影響がまったくないわけではありません。もし両親がどちらも一人で生活できる経済力があれば問題ありませんが、そうではない場合子供に生活費を負担してもらったり、子供の家庭に住まわせてもらったりと負担をかけてしまう可能性もあります。

 

 

熟年離婚にはこのようなメリット・デメリットがあります。検討されている方は、自分に当てはまる項目があればもう一度考え直してみればいかがでしょうか。

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