【専門家監修】栄養をもっと手軽に!カロリーオフのマルチミネラルサプリメント
「マルチミネラルサプリって何?」
「何を基準に選んだらいいの?」
このようなお悩みはありませんか?
マルチミネラルサプリにはカロリーがないとされているので、誰でも気軽にはじめられるサプリメントのひとつです。
本記事では、マルチミネラルサプリが気になっている方に向けて、選び方の基準や効果的な飲み方、副作用などについて解説していきたいと思います。
マルチミネラルサプリとは
まずミネラルとは何か。
岩や土に含まれるカルシウム、リン、ナトリウム、鉄分、亜鉛などが「ミネラル」に該当します。
ミネラルのなかでも、人が生きていくうえで必要なものが「必須ミネラル」と呼ばれ、全部で16種類あります。
カルシウム
カリウム
ナトリウム
マグネシウム
リン
硫黄
塩素
鉄
亜鉛
銅
ヨウ素
マンガン
クロム
コバルト
セレン
モリブデン
これらを含むミネラルは体内で合成ができないため、しっかりと食事から摂取しなければなりません。
しかし、食事だけでこの全16種類のミネラルをバランス良く摂取するのは少々困難…。
そこで役立つのが「マルチミネラルサプリ」です。
マルチミネラルサプリとは、必須ミネラルが2種類以上含まれている健康食品を指します。
ただし、サプリメントだけですべてを補えるわけではないため、あくまでもサポートとして使用するようにしましょう。
マルチミネラルサプリの選び方
マルチミネラルサプリは選び方によっては、欲しい成分や効果が減少してしまうことがあります。
以下では、効果的に摂取するための選び方のポイントを3つご紹介します。
1.配合されているミネラルの種類を確認する
マルチミネラルサプリは、商品によって配合成分が異なり、必ずしも必須ミネラルが16種類配合されているわけではありません。
購入する前に、必ず成分表でどのような種類が摂取できるのか確認するようにしましょう。
2.ミネラル以外の成分もチェックする
ミネラル以外の成分にも着目することで、さらなる健康効果が望めます。
たとえば、カラダの健康や美容のためにサプリメントを飲みたいという方は、マルチミネラルだけでなく、マルチビタミンもいっしょに摂取するのがおすすめ。
ミネラルとビタミンをバランス良く摂ることで抗酸化作用が高まり、発がん性や生活習慣病の要因となる「有害ミネラル」の排泄をうながせます。
有害ミネラルとは、農産物や海産物に含まれるアルミニウムやカドミウム、水銀、鉛などのことで、私たちはこれらを日々の食生活のなかで摂ってしまっているのです。
3.栄養機能食品を選ぶのも◎
含有量を確保したいという方には「栄養機能食品」と表記されているサプリメントもおすすめです。
栄養機能食品とは、特定の栄養素を補給するために利用される食品のことで、その栄養素の含有量が国の定める一日の摂取量の基準値に達している必要があります。
ミネラルでいうと亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムに対して基準値が定められており、それらの栄養素に関する機能表示が許されています。
サプリメントは毎日摂取するものなので、国が定めた基準値を満たす量が配合された栄養機能食品を選ぶことで、安心して使用することができるでしょう。
効果的なマルチミネラルサプリの摂取方法
サプリを飲むタイミングや飲み合わせによっては不調を引き起こすこともあるため、効果的なマルチミネラルサプリの摂取方法を知っておくことも大切です。
ここでは、サプリを服用する際の注意点や副作用に関しても併せてご紹介します。
1.飲むタイミングや飲み合わせ
マルチミネラルサプリを摂取する効果的なタイミングは「朝食前」「15~17時の間」「就寝前」の3つです。
カルシウムとマグネシウムはアルカリ性のため、食後2~3時間の間に摂取すると胃酸を中和させ、消化不良を起こす可能性があります。
加えて、マグネシウムは早朝と15~17時に体内濃度が低下するため「食前」「食後3時間以上」「15~17時」が効果的な摂取タイミングと言われています。
さらに、食物繊維はミネラルの吸収を阻害するため、食物繊維とマルチミネラルサプリの同時摂取には注意しましょう。
2.注意点と副作用
サプリメントは、目安量よりも多く飲んだからといって効果が高くなることはありません。
むしろ、過剰摂取は思わぬ副作用を招く恐れがあるため、一日の摂取目安量を守りましょう。
過剰摂取の他にも、相互作用により次のような副作用が出る可能性があります。
泌尿器結石
前立線がん
高血圧
軟便・下痢
便秘
結石は、カルシウムが腎臓などの臓器で固まることででき、細い尿管に入り込むと泌尿器結石になります。
尿が出ない、激しい痛みがあるといった症状が伴うのが特徴です。
前立腺がんは、長期間にわたる亜鉛とカルシウムの過剰摂取で起こることがわかっています。
また、アメリカ国立がん研究所が、亜鉛のサプリメントを飲んでいる男性を対象に行った研究では、100mg/日以上の亜鉛サプリメントを10年以上摂取すると発がんリスクが上がると報告されています。
また、厚生労働省も「カルシウムの過剰摂取は前立腺がんのリスクを上げる」として、注意喚起しています。
ナトリウムの過剰摂取は高血圧の要因のひとつです。
高血圧は動脈硬化へとつながることもあるため、摂取量には気をつけるようにしてください。
さらに、マグネシウムの過剰摂取により軟便・下痢を起こすこともあります。
便秘薬にもなっているマグネシウムは便秘気味の方との相性は良いですが、便秘でない方やおなかがゆるくなりやすい方は摂取量に注意が必要です。
鉄分の過剰摂取は便秘を起こしやすくするほか、吐き気や嘔吐などの胃腸の不調も引き起こすことがあります。
美と健康には漢方薬という選択肢も
ここまでマルチミネラルのサプリメントについて解説してまいりましたが、体質改善を目指しつつ美と健康を維持したいという方には漢方薬もおすすめです。
サプリメントのように漢方薬を毎日服用することで、体質が改善され、根本的に美しく健康なカラダを目指せます。
健康的なカラダを目指す場合、
「血流を良くして栄養を全身に行き渡らせる」
「自律神経を整え、ストレスによる疲労の軽減や睡眠の質向上を目指す」
「ホルモンバランスを整える」
「消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、心とカラダを元気にする」
といった漢方薬でサポートしていきます。
さらに、今ある不調の改善だけでなく、不調にならずに元気でいられるカラダを手に入れることも可能です。
以下では、美しく健康なカラダづくりにおすすめの漢方薬を2種類ご紹介します。
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
カラダを温め、血流を良くする働きがあり、冷え症で疲れやすく貧血気味の方に向いています。
●加味逍遙散(かみしょうようさん)
血(けつ)の巡りを良くすることで、ホルモンバランスや自律神経の乱れに働きかけます。
のぼせやすい方や貧血気味の方に向いています。
漢方薬は体質によって副作用が出てしまったり、効果が出にくかったりすることがあるため、一人ひとりがご自身の体質に合った漢方薬を選ぶことが重要です。
自分に合った漢方薬を知りたいという方には、『あんしん漢方』のような漢方の専門家に気軽にオンラインで個別相談ができるサービスもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
「マルチミネラルサプリメント」は、手軽に不足しがちなミネラルを摂取することができます。
しかし、過剰な摂取は重篤な副作用を引き起こす恐れもあるため、飲み方には注意をしなければなりません。
基本的には普段の食事でミネラルを摂るように心がけ、足りない分をサプリメントで補うようにしていきましょう。
<この記事を書いた人>
一般社団法人日本サプリメント協会理事長
後藤 典子(ごとう のりこ)
同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。
YouTubeチャンネルでは、健康リテラシー向上のための情報を発信中。
2023年よりSフードプロジェクトのリーダーとして、機能性表示食品の望ましい発展を支援する活動を行っている。