【医師監修】乳がんを知ろう!~乳がんから自分を守るためにしっておくべきこと~

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【医師監修】乳がんを知ろう!~乳がんから自分を守るためにしっておくべきこと~

乳がんは女性に多い病気の代表格です。

ここ数年、複数の著名人が乳がんの闘病を公表したことで、乳がんという病気の注目度は年々高くなっています。

 

しかし、乳がんに関するニュースを見ても「私は大丈夫」と、他人事のように感じている人も多いのではないでしょうか。

 

乳がんは女性なら誰もがかかる可能性がある病気です。

特にアラフォーは乳がんにかかる人が増え始める年頃なので、いつまでも乳がんから目をそらしてはいられません。

 

まずは乳がんがどのような病気なのかを理解し、乳がんから命を守るための対策を始めましょう。

乳がんはどんな病気?

乳がんはどんな病気?

乳がんから自分を守るために、まずは乳がんがどのような病気なのかを知っておきましょう。

乳がんは「触れるがん」

ご存じの通り、乳がんは乳房に発生するがんです。

「乳腺」という母乳を分泌する組織に発生する腫瘍のうち、悪性のものが乳がんになります。

 

がんは体の中で密かに発生し、進行していくものが多いですが、乳がんはがんの中でも数少ない「触って見つけることができるがん」です。

 

乳がんは体の表面に近い場所に腫瘍ができるため、状態によっては自分自身で触って気づくこともできます。

 

乳がんの症状

乳がんの代表的な症状は、乳房にできる「しこり」です。

乳がんは初期に体調や食欲の変化などの症状が現れにくい病気ですので、しこりは患者自身が乳がんに気づく手がかりになります。

 

乳がんでなくても、乳房にしこりができることはありますし、しこりはすべてが悪性の腫瘍というわけではありません。

しかし、乳房にしこりを発見した場合は、乳がんを疑ってみた方がいいでしょう。

 

乳首から分泌液が出て乳がんに気づくケースもあります。

また、乳首の周りに湿しんやただれが発生したり、乳房の一部がへこんだり、見た目にはっきりとした異常が出る場合もあるのです。

 

患者数は年々増加

乳がんの患者数は年々増加しています。

 

国立がん研究センターがん対策情報センターの「がん登録・統計」によると、乳がんの患者数は全国で約3万人だった1996年以降、増加の一途をたどり、2015年には9万6000人を超えました。

 

約20年で、がんを患う女性の数は3倍以上に増えたのです。

 

女性が生涯に乳がんを発症する確率は、つい10年ほど前までは「14人に1人」と言われていましたが、最新の

データでは「11人に1人」になっています。

 

高齢化の影響を除いて考えても、乳がん患者は確実に増加していると言わざるを得ません。

 

乳がんの生存率は高い

乳がんは怖い病気ではありますが、死亡率はそれほど高くありません。

 

先ほどと同じ、「最新がん統計」の中から「部位別5年相対生存率」(2006~2008年診断例)を見てみましょう。

 

「5年相対生存率」とは、ある病気にかかった人の生存率を日本人全体と比べてみた時、5年後に生きている人の割合がどの程度低くなるのかを表した数値です。

 

5年相対生存率が0%に近い病気ほど、治療によって命が助かる確率が低いということになります。

 

乳がんの5年相対生存率は91.1%で、女性のがん全体で見ると3番目の高さです。

 

乳がんに次いで女性のがん患者に多い「大腸がん」は69.6%、「胃がん」は63%、「肺がん」は43.2%、「子宮がん」は76.9%でした。

比べてみると、乳がんはとても生存率の高いがんであることが分かります。

 

早期発見で生存率アップ

乳がんに限った話ではありませんが、がんの発見が早ければ早いほど、生存率は高くなります。

 

乳がんを進行具合によって5段階に分けた時、がんが発生した場所に留まっている初期の状態(非浸潤がん)では5年生存率が100%。命が脅かされる心配はほぼありません。

 

その次は、しこりの大きさが2mm以下で、リンパ節への転移がないうちに発見できた場合ですが、この段階でも5年生存率は90%以上です。

 

しこりの大きさが2~5cmなら生存率は80%ほど。

しこりが5cmを超える大きさになってリンパ節に転移しているケースや、皮膚や胸壁などに広がっている場合にも、生存率は60%近いです。

 

しかし、他の臓器に転移している場合には、5年生存率が50%を下回ります。

乳がんは早い段階で気づくことができれば、かなりの確率で助かる病気なのです。

 

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