肌を若返らせたければ「筋トレ」が近道?!筋トレが美肌に効く5つのメカニズムとは

最終更新日:
肌を若返らせたければ「筋トレ」が近道?!筋トレが美肌に効く5つのメカニズムとは

肌のエイジングケアのために「スキンケア」や「美容医療」を頑張っている方は多いかもしれませんが、実はそれ以上に美肌効果が期待できるものがあることをご存知でしたか?

 

それは何かというと、「筋トレ」

 

「え、筋トレと美肌にどんな関係が・・・?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

意外かもしれませんが、筋トレが肌の若返りに効くという根拠が存在しており、さまざまなアプローチで肌に働きかけてくれるのです。

 

そこで本日は、「筋トレが美肌に効く5つのメカニズム」を解説してまいりたいと思います。

筋トレと美肌の関係

筋トレと美肌の関係

「きめの細かい美肌になりたい」

「最近シミやたるみが気になってきた」

「肌のアンチエイジングのために、高価な美容液を使っている」

 

そんな方にまず申し上げたいことがあります。

 

“筋トレをしてください。”

 

「え?」と思われた方も多いかもしれませんね。

たしかに、筋トレと美肌って直接は関係なさそうなイメージ。

それよりも毎日のスキンケアや美容医療をした方がずっと効果がありそうですよね。

 

もちろんスキンケアや美容医療といった外からのアプローチも非常に重要ですが、筋トレにはそれと匹敵するぐらい、もしくはそれ以上の美容効果の可能性を秘めているのです。

 

ただ「血行が良くなり肌に栄養が届きやすくなる」といった理由ではありません。

複数のメカニズムによって、筋トレは私たちの肌を美しくしてくれるのです。

筋トレで肌が若返る5つのメカニズム

筋トレで肌が若返る5つのメカニズム

さて、ここからは早速「なぜ筋トレで肌が若返るのか」ということについて解説していきたいと思います。

 

筋トレで肌が若返るメカニズムを知ったら、今すぐにでも筋トレを始めたくなること間違いなしですよ♡

1. 食後の筋トレで「糖化」を防げる

肌の老化の大きな要因として「糖化」というものがあるのをご存知ですか?

 

糖化とは、食事などで摂取した余分な「糖」が体内のたんぱく質に結び付き、たんぱく質を変性させてしまう現象のこと。

 

肌で糖化が起こると、ハリが減ってシワやたるみが出現したり、透明感がなくなってシミや黄ぐすみが目立ったりします。

 

近年、糖化は「酸化」や「炎症」と並ぶ肌老化の大きな要因としてみなされているんです。

 

そしてこの糖化は、食事をした後に血糖値が上がりすぎることで起こりやすくなります。

いわゆる「食後高血糖」と呼ばれるものです。

 

食後高血糖を防ぐ方法として「野菜から先に食べる」「糖質の量を減らす」などが効果的だと言われていますが、もうひとつ非常におすすめの方法があります。

 

そう、「筋トレ」です。

 

食事をした後に筋トレを行うことで、身体の中で糖分の利用が進みます。

そうすることで血糖値の急上昇を防ぐことができ、結果的に糖化を予防することができるのです。

 

血糖値は、食後~1時間くらいにピークになるので、この時間帯に筋トレをしてみましょう。

 

ハードな筋トレは必要ありません。

スクワットなどの軽い筋トレを2~5分するだけでも全然違うので、無理のない程度の筋トレを毎食後に行うことが大切です。

 

これを継続して行うことで、糖化によるさまざまな肌の老化現象を防ぐことができるのです。

 

2.「マイオカイン」が分泌されシミが改善する

筋トレが美肌に効く2つ目の根拠として「マイオカインが分泌される」ということも挙げられます。

 

マイオカインとは、骨格筋(筋肉)から分泌されるホルモンの総称。

脳細胞を活性化させたり、がんや糖尿病といった病気を防いだりする効果があるマイオカインも発見されています。

 

そんな中で、シミに効果のあるマイオカインも存在します。

それは「マイオネクチン」と呼ばれるマイオカイン。

 

ポーラの研究によると、「体重当たりの体幹と下半身の筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ない」ということが明らかになりました。

 

その理由が「マイオネクチン」です。

 

血液成分の解析と培養した皮膚細胞によって検証を行ったところ、このマイオネクチンが血液に乗って肌まで運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆されたのです!

 

つまり裏を返せば、筋トレによってマイオネクチンの分泌量が増えることで、シミが作られにくくなるということ。

 

美白化粧品でスキンケアをすることも大切ですが、筋トレをすることで「内側からも」美白をすることができます。

 

参考:

PRTIMES 筋力トレーニングが美肌に貢献することを世界で初めて報告

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000092303.html

ポーラ - ポーラの着眼点 透明感の鍵は、筋肉!?

https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3229

3.炎症性物質が減少し、真皮の厚みが増加する

老化した印象を与えてしまう要素として「シワ・たるみ」が挙げられます。

 

そのシワやたるみを引き起こす大きな要因のひとつが「炎症」です。

炎症は“インフラメイジング(炎症老化)”という言葉があるぐらい、さまざまな老化現象を引き起こすきっかけとなります。

 

真皮で炎症が起こると、コラーゲン・エラスチン・バイグリカンといった肌のハリのもととなる物質がダメージを受け、どんどん減っていってしまいます。

そうすると、スプリングが壊れたベッドのように肌はたわんでしまい、シワやたるみといった形で表れてしまうのです。

 

そしてそんな炎症にも「筋トレ」が効果的だということが分かりました。

 

立命館の研究によると、筋トレをすることによって、炎症性物質である「CCL28」や「CXCL4」が減少し、その影響で真皮のハリのもとであるバイグリカンが増えるということが分かったのです。

 

実際、筋トレを行うことによって肌の弾力性が改善し、さらに真皮の厚みも増したという結果が出ています。

 

参考:

立命館大学 - 筋力トレーニングが美肌に貢献することを世界で初めて報告 ~筋力トレーニングによる血中成分の変化が皮膚老化の改善に関与することを解明~ -

https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3229

 

また、そもそも人の身体は、脂肪が多いと炎症体質になりやすいと言われています。

 

特に注意すべきは「内臓脂肪」

内臓脂肪が増えると炎症性物質が放出され、それが全身に広がることで慢性炎症を助長してしまうことがあるのです。

 

筋トレを継続して行い内臓脂肪が減少することで、炎症体質が改善していくという長期的な効果も期待できます。

 

つまり筋トレは、短期的な目で見ても長期的な目で見ても、炎症性物質を減少させて肌のシワやたるみを改善する可能性があるというわけなんです。

4.成長ホルモンが分泌され、肌の回復が促される

脳下垂体から分泌される「成長ホルモン」という物質があります。

成長ホルモンは肌細胞にはたらきかけてうるおい成分やコラーゲンの生成を促進したり、肌の新陳代謝を活発化させ、ダメージを修復したりするというはたらきがあります。

 

この成長ホルモン、思春期の頃には非常に多く分泌されるものの、20代以降はその分泌量ががくっと落ち、その後年齢を重ねるごとに分泌量がどんどん減っていってしまいます。

そして成長ホルモンが減少すると、肌のうるおいやハリが減り、肌のエイジングが進んでいってしまうのです。

 

そんな成長ホルモンの分泌を促すための数少ない方法が「筋トレ」です。

筋トレをして体に負荷をかけると“回復しなければ!”と脳に信号が伝達され、脳下垂体から成長ホルモンが分泌され始めるのです。

 

成長ホルモンは、肌の修復を促すのはもちろん、脳の機能を高めたり、骨を元気にしたり、脂肪を燃えやすくしたり、筋肉量を増大させたりと、全身の若返りのためにはたらいてくれる重要なホルモン。

 

つまり、筋トレをして成長ホルモンが分泌されると、肌だけでなく身体ごと若返るというわけなんです。

 

ちなみに成長ホルモンは、「就寝中」にも多く分泌されます。

よく筋トレを行い、質のよい睡眠を摂ることで、成長ホルモンはスムーズに分泌されやすくなりますよ。

5.リンが骨から溶け出すのを防ぐ

「リン」という栄養素をご存知ですか?

リンはカルシウムと共に私たちの骨の中に貯蓄されている栄養素で、骨を健康に保つには欠かせないものなのですが、このリンが血液中に必要以上に存在していると、体や肌を老化させる要因になりうると言われています。

 

現代人は、このリンを過剰に摂取している傾向があります。

肉、魚、豆腐といった天然の食材にもともと含まれているリンはそこまで吸収率が高くないので気にしすぎなくても大丈夫ですが、注意すべきは「食品添加物」として含まれるリン。

 

リンは乳化剤、酸味料、ph調整剤といったさまざまな目的で添加物として配合されることが多く、こういったリンは吸収率が高いため過剰摂取になりやすいのです。

 

インスタントラーメンやプロセスチーズ、ハム、ベーコンなどの食品が好きな人は注意した方が良いかもしれません。

 

血中のリン濃度が増えてしまう原因として、食品からの過剰摂取に加えて、もうひとつ注意すべきことがあります。

 

それは、「運動不足」

 

リンは、骨を固くするための栄養素です。

運動不足で骨に負荷をかける機会が少なくなると「ここまで骨が固くなくてもいいか」と身体が勘違いしてしまい、なんと骨からリンが溶け出してしまうのです。

 

すると、血中のリン濃度はどんどんと高くなり、全身にエイジングを引き起こしてしまいます。

リンが溶け出すのを防ぐためには、定期的に筋トレをして骨に負荷をかける必要があります。

 

日頃からしっかりと骨に負荷をかけ続けることで、骨からリンが溶け出して全身に回ってしまうのを防ぐことができ、結果的にアンチエイジングにつながるのです。

 

参考:

黒尾 誠 (2022)『腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出する』幻冬舎

美肌のためにはどんな筋トレをすればいい?

美肌のためにはどんな筋トレをすればいい?

さて、ここまでは筋トレがさまざまなメカニズムで肌の若返りにはたらきかけてくれるということをご説明してまいりました。

 

気になるのは、「どんな筋トレをすればいいのか」ということですよね。

 

先に結論を行ってしまうと、どんな筋トレでも大丈夫です。

 

まずはどんな筋トレでも大丈夫なので、生活に取り入れて継続してみることが大切。

1日に2~3分でもいいので、まずは始めてみましょう。

 

最近はYouTubeなどでもさまざまな筋トレ方法が紹介されているので、これなら自分でも続けられそう!というものを探してみてください。

 

より早く効果を求めたいなら、「下半身」を中心に鍛えるのがオススメです。

全身の筋肉のうち、下半身が占める割合はなんと60~70%。

 

つまり下半身を鍛えるだけで効率的に美肌効果を期待することができるのです。

 

そういった意味では、筋トレの王様とも呼ばれている「スクワット」はぴったりです。

 

下半身の筋トレで慣れてきたら次は腹筋も、その次は胸筋も・・・と少しずつ範囲を広げてみるのも良いかもしれませんね。

まとめ

本日は「筋トレが美肌に効く5つのメカニズム」というテーマで解説させていただきました。

 

筋トレと肌のアンチエイジングに深いかかわりがあるということが、お分かりいただけたのではないでしょうか?

 

筋トレを継続的に行えば、まるで体内で美容液が分泌されているかのように、どんどんと肌も美しくなっていきます。

 

「私は運動が苦手だから・・・」という方も、ちょっとしたスキマ時間でできる簡単な筋トレからぜひ試してみてください。

執筆者プロフィール

執筆者プロフィール

コスメコンシェルジュ

宇佐美うさ(うさみ・うさ)

 

東京都下生まれのコスメコンシェルジュ。

美容業界に従事し約10年。化粧品販売員・化粧品商品開発者・美容ライター等の経歴を持つ。

近道でキレイになるための方法や、化粧品成分の読み解き方を発信すべく活動している。
一番の関心事はエイジングケア。

 

保持資格

 

化粧品検定1級

掲載日:

CATEGORY