【新型コロナウイルスが世界中で蔓延】コロナウイルスの種類と私たちが今できる感染対策とは
2019年12月以降、中国の湖北省武漢市を中心とし、世界中に感染患者が増えつつある「新型コロナウイルス」。
中国国家衛生健康委員会(NHC)によると、2020年1月24日時点で、新型コロナウイルスの感染者数は830人、死者が25人に増加したと発表されています。
まだ未解明な部分も多い、新型コロナウイルス。
日本でも感染者が出たということで、恐怖を感じている方も多いのではないでしょうか。
私たちにできることと言えば、とにもかくにも「予防」を徹底すること。
本日は、新型コロナウイルスをはじめ、風邪やインフルエンザを予防するための正しい対策をご紹介いたします。
コロナウイルスには2種類ある
ところで、「コロナウイルス」って一体なんなのでしょうか?
初めてこの単語を聞いた、という方も多いのではないでしょうか。
コロナウイルスとは、ウイルスの一種です。
ウイルスの見た目が、太陽のコロナ(散乱光)に似ていることからこの名前がつけられました。
コロナウイルスには、大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつ目のタイプは、私たちが日常的にかかる「風邪」のコロナウイルス。
実は、私たちが日常的に感染する風邪のウイルスのうち、10~15%(多いときは35%)は、この「コロナウイルス」だと言われています。
毎年、冬の時期に流行のピークが見られます。
このタイプのコロナウイルスは軽症になることが多く(時に高熱が出る)、また私たちが日常的にかかっているとても日常的なものなので、それほど取り沙汰されることはありません。
ふたつ目のタイプは、動物から感染する「重症肺炎ウイルス」です。
これは、コウモリ、ラクダなどといった、人間以外の動物からうつる可能性のあるコロナウイルスです。
このタイプのコロナウイルスは、風邪のコロナウイルスとは異なり、感染してしまうと重症の肺炎になることがあります。
「SARA」も「MERS」もコロナウイルスだった!
2002年~2003年にかけて、中国広東省を中心に大流行した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」も、実はこのタイプのコロナウイルスによるもの。
高熱、咳、息切れ、そして呼吸困難や咳など、肺炎の症状が現れます。
2003年12月のWHOの報告によると、SARSの患者数(疑い例も含む)は8,069人、死亡者数は775人も達したと言われています。
2012年にサウジアラビアで発見され、世界中に流行した「MERS(中東呼吸器症候群)」も、同じくコロナウイルスによるものです。
こちらも、高熱、咳、息切れなどの症状が現れます。
2019年11月のWHOの報告では、27か国で合計2,492人の感染者が確認され、そのうちの858人が死亡したとのことです。
そして、2020年現在、中国の武漢市を中心に流行し、問題となっている「新型コロナウイルス」も、その名の通りコロナウイルスの一種です。
中国国家衛生健康委員会(NHC)の報告では、2020年1月24日現在で、感染者は830人、死亡者数は25人であると報告されています。
SARSやMERSの時と同じく、パンデミックが懸念されています。
ヘビかコウモリが感染源の可能性?
先ほども述べた通り、肺炎などを発症するコロナウイルスは、動物からヒトにうつります。
たとえば、SARSの場合は「キクガシラコウモリ」、MERSの場合は中東地域に生息する「ヒトコブラクダ」が感染源であったと考えられています。
では、今回の新型コロナウイルスの感染源は一体なんなのでしょう?
まだ明確なことは言えませんが、
2020年1月21日、国家機関の「中国科学院(Chinese Academy of Sciences)」による研究発表によると、SARSのときと同じく「コウモリ」がコロナウイルスの宿主である可能性があると述べられています。
一方、1月22日、ウイルス学についての専門誌である「ジャーナル・オブ・メディカル・バイロロジー(Journal of Medical Virology)」によると、「ヘビ」が新型コロナウイルスの感染源となった可能性が示唆されています。
つまり、「コウモリ」か「ヘビ」から、我々人間がウイルスをもらってしまったのかもしれないということ。
ヘビは、コウモリをエサとして捕食することがあります。
中国武漢市の生鮮市場では、ヘビが食用として販売されていたことから、コウモリからヘビにうつったコロナウイルスが、ヒトへ感染した可能性が考えられます。
コロナウイルスはどうすれば予防できる?
コロナウイルスは、中国武漢市から発生し、世界中に広まりつつあります。
日本国内においても関東を中心に感染者が確認されており、これからも増える危険性があるため、これ以上感染を広げないよう予防を徹底する必要があります。
では、私たちは一体どうすればコロナウイルスを予防することができるのでしょうか?
ここからは、コロナウイルスに対して私たちが講じることができる対策をご紹介していきたいと思います。
もちろん、予防を徹底したからといって絶対にうつらないわけではありませんが、意識的に予防をすることはとても重要なことです。
また、ここで紹介するウイルス対策は、日ごろの風邪予防やインフルエンザ予防にも有効なので、日常的に行うことがオススメです。
では、早速ウイルスの感染対策法を見ていきましょう。
ウイルス感染対策法(1)手洗いは2回する
「今さら?」と思われるかもしれませんが、やはり手洗いはウイルスの感染を防ぐために非常に有効です。
ウイルスは、くしゃみや咳を介して感染することもありますが、意外なことに、「手」を介して感染するパターンが最も多いといわれています 。
たとえば、ウイルスの保持者が鼻をかんだり、くしゃみや咳を手で押さえたり、鼻を手でこすったとします。
このとき、手にはたくさんのウイルスがついていますが、その手で電車のつり革や手すりをつかむと、そこにべったりとウイルスが付着します。
それを他の人が触り、その手で食事をしたり、目や鼻を掻いたりすることで、ウイルスは体の中に侵入してしまうのです。
そのため、まず帰宅後は必ず丁寧な手洗いをすること。
外出先でも、お手洗いに入った際はよく手を洗うようにしましょう。
ポイントは、石鹸を使った手洗いを「2回」行うこと。
ウイルスは、一回の手洗いだけでは完全には落ち切りません。
10秒くらいのもみ洗いでも構わないので(できれば30秒が理想)、一度洗い流したあと、もう一度石鹸をつけて同じように洗いましょう。
そうすることで、手に残ったウイルスの数は大幅に減少します。
爪のすき間や、指と指の間も忘れずに洗うようにしてください。
ウイルス感染対策法(2)消毒ジェルを携帯する
ウイルスが手から感染するケースが多いと言いましたが、外出中に手洗いをする機会と言うのはどうしても限られてしまいますよね。
そんなときにオススメなのが、「消毒用ジェル」。
湖北省武漢市同済医院感染科の寧琴(ニン・チン)主任は、人民日報の中で、コロナウイルスは「75%以上の濃度のエタノール(アルコール)」で不活化すると述べています。
気軽に手を洗うことができない外出時は、消毒ジェルでこまめに手を消毒することでウイルス感染を予防することができます。
「石鹸での手洗いよりも効果がある」というデータもあるくらいなので、一つ持っておくと重宝します。
ウイルス感染対策法(3)20分置きに水分補給する
シンプルかつ有効なのが、「20分おきに水分を補給する」という方法です。
ウイルスは、のどや鼻の粘膜などから侵入していきます。
そこで、こまめに水分補給をすることで、のどに付着したウイルスを洗い流し、細胞への侵入を妨げよう、という作戦です。
ウイルスは消化器官の中に入ると分解されるため、胃の中から感染することはありません。
最速の場合、のどに付着してから20分で細胞に侵入してしまうため、理想は20分ごとに水を飲むのがおすすめです。
ウイルス感染対策法(4)帰宅後は必ずうがいする
これももはや言い古されたことかもしれませんが、「うがい」もウイルス対策において非常に大切です。
ウイルス対策という点では、「ブクブクうがい」と「ガラガラうがい」の両方を行うようにしましょう。
まず最初に、「ブクブクうがい」を10秒×3回。
口の中全体を洗浄するようにブクブクするのがポイントです。
続いて、「ガラガラうがい」を10秒×3回。
このとき、「おー」と発音するようにうがいすると上手に洗浄することができます。
※「ガラガラうがい」を先にやってしまうと、逆にウイルスが喉の方に運ばれてしまう可能性があるので、まずは「ブクブクうがい」で口内をある程度キレイにすることをお忘れなく。
ウイルス感染対策法(5)スマホの画面をエタノールで拭く
意外と盲点なのが、「スマートフォンの画面」。
普段洗うことがないスマホの画面には、たくさんのウイルスや細菌が付着しやすいということをご存知でしたか?
ウイルスは、ガラスなどの「つるつる」した場所だと生存しやすいという性質があります。
そのため、スマホの画面はウイルスの温床となってしまうのです。
スマホは私たちがもっとも頻繁に触れる機器なので、コロナウイルスを媒介してしまう可能性は大いにあります。
そのため、帰宅したらスマホをキレイにすることが大切。
消毒用エタノールと水を1:1の割合で薄め、メガネ拭きなどに使われるクリーニングクロスに吹きかけ、スマホの画面をよく拭きましょう。
※画面だけでなく、背面も拭くのをお忘れなく。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日は、コロナウイルスを始めとするウイルスの感染対策法をご紹介しました。
ここで紹介した方法の予防率は、100パーセントではありません。
5つの対策法すべてを実行したとしても、感染してしまう可能性は存在します。
しかし、やらないよりはやった方がいいのは明らか。
コロナウイルスが世界中に広まりつつある現在、私たちは自分の身を自分たちで守る他ありません。
正しい感染対策を行い、これ以上コロナウイルスが蔓延しないよう、ひとりひとりが気を付ける必要があります。
<参考URL>
・AFP BB NEWS https://www.afpbb.com/articles/-/3264933
・lifehacker https://www.lifehacker.jp/2020/01/206216what-is-wuhan-coronavirus-and-how-much-should-i-worry-a.html
・NIID 国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html
・ハザードラボ https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/2/32836.html
・手ピカジェル https://www.tepika.net/info/importance.html
・厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000105095.pdf
・DRUGゆたか https://www.d-yutaka.co.jp/blog/health_and_beauty/1711cold-flu/
最終更新日: